概説 |
痰を切り、咳をしずめるお薬です。 |
作用 | 主成分のリン酸ジヒドロコデインは、咳中枢の興奮をしずめて咳を止めます。咳中枢とは脳幹の延髄にある咳のコントロール部で、のどや気管支の刺激を受けて咳を起こさせます。このお薬は、その部分を抑えこむことで鎮咳作用を発揮します。ほかに、咳をしずめるキキョウや、痰を出しやすくするカンゾウなど数種類の生薬エキスが配合されています。 |
特徴 | リン酸ジヒドロコデインは、咳中枢に作用する「麻薬性中枢性鎮咳薬」の部類です(麻薬性といっても医療用ですので心配いりません)。一般的な咳止め薬が効かない頑固な咳にもよく効きます。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 呼吸の弱っている人は向きません。また、心臓病、肝臓病、てんかん、喘息のある人など、病状によっては使用できません。
- 適さないケース..呼吸抑制、喘息発作中など。
- 注意が必要なケース..心臓病、腎臓病、肝臓病、てんかん、甲状腺機能亢進症、胆石、前立腺肥大症などで尿の出の悪い人、腸に閉塞や通過障害のある人、体の弱っている人、高齢の人など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 安定剤など脳の神経をしずめる薬と併用すると、いろいろな副作用がでやすくなります。眠気や鎮静、呼吸抑制、低血圧などに注意が必要です。
- 一部の安定剤や抗うつ薬(三環系)、胃腸薬(鎮痙薬)との併用により、便秘や排尿困難などの副作用がでやすくなります。
- 抗凝血薬のワルファリンの作用を増強することがあります。
- 飲酒は控えてください。めまいや眠気、呼吸抑制などの副作用がでやすくなります。

- 【使用にあたり】

- 症状により、用法用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
 【妊娠・授乳】
- 妊娠中は慎重に用いる必要があります。とくに、悪い影響が出やすい妊娠初期や出産直前の大量服用は避けたほうが無難です。咳がひどいなど病状が重いときに限り、短期間だけ使用するとよいでしょう。
- 服用中は授乳を避けなければなりません。母乳を通して赤ちゃんに薬が入り、中毒症状を起こすおそれがあるためです。

- 【食生活】

- 人によっては、眠気やめまいを起こします。車の運転や危険な作業は控えましょう。

- 【備考】

- 咳は、気道の異物(痰やほこりなど)を排出させようとする自然な防御システムです。ですから、単に止めればよいというものではありません。
とくに、痰をともなう咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰がたまり、かえって症状を悪化させるおそれがあるのです。
一方で、しつこい咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。ときには、激しい咳き込みで肋骨が折れてしまうことさえあります。このような場合、悪い影響のほうが大きいですから、咳止め薬を用いることになります。いずれにしても、咳の原因に目を向けることが大切です。
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効能 |
次の疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難//上気道炎、急性気管支炎。 |
用法 |
通常成人1日2〜3gを3回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
わりと多いのは、眠気やめまい、吐き気などです。たいてい心配ないですが、ひどいようでしたら早めに相談してください。
ふだん便秘がちの人や、高齢の人は便秘にも注意が必要です。薬の飲み合わせによって、便秘がひどくなるケースもあります。
安易に長期に飲み続けると、体が薬に頼りがちになってきます。このとき急に中止すると、吐き気や頭痛、不安感、震えなど反発的な症状がでることがあります。このような場合は、医師の指示のもと徐々に減量するようにします。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 呼吸抑制..息切れ、呼吸しにくい、息苦しい、呼吸が浅く速い、呼吸が弱く少ない(10回/分未満)、不規則な呼吸、異常ないびき、意識がうすれる。
- 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
- 錯乱..混乱・もうろう状態、取り乱す、意味不明な言動
- 麻痺性イレウス..食欲不振、吐き気、吐く、激しい腹痛、ひどい便秘、お腹がふくれる。
 【その他】
- 眠気、めまい
- 吐き気、便秘
- 脈の乱れ、血圧変動
- 尿が出にくい
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