概説 |
気管支を広げるお薬です。喘息や気管支炎の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 気管支が腫れたり収縮すると、気道が狭くなり、ゼーゼー・ヒューヒュー呼吸が苦しくなります。
このお薬は、気管支拡張薬です。気管を広げて呼吸を楽にします。喘息のほか、気管支炎などでゼーゼーする咳に使います。

- 【薬理】

- 気管平滑筋にある交感神経の「β2受容体」を刺激して気管支を広げます。
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特徴 |
- β受容体刺激薬に分類される気管支拡張薬です。
- 同系のなかでは古い薬で、気管支だけでなく心臓を刺激する作用が強いほうです(β1受容体刺激作用)
- 主成分のイソプレナリンのほか、去痰薬のプロナーゼが配合されています。
- 最近は、あまり処方されません。プロナーゼの再評価の結果、十分な効果が認められず、2016年に販売が中止されました。
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注意 |
 【診察で】
- 高血圧や心臓病など、持病のある人は医師に伝えてください。
- 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 交感神経を興奮させる作用があるので、病気によってはその症状を悪化させます。重い心臓病のある人は使用できません。高血圧、甲状腺機能亢進症、糖尿病のある人も慎重に使用します。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- アドレナリン(ボスミン)などカテコールアミン製剤、またエフェドリンやメチルエフェドリンとの併用は禁止されています。併用により動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。
- ジギタリス系の強心薬と併用するときは、不整脈の発現に十分注意します。
- テオフィリン(テオドール)、ステロイド薬、利尿薬などとの併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあります。
- 高血圧の薬のβ遮断薬は、この薬の作用を弱めます(基本的に喘息のある人にはβ遮断薬を用いません)。

- 【使用にあたり】

- 指示どおりに正しくお飲みください。過剰に使用すると、不整脈などの副作用がでやすくなります。

- 【検査】

- 長く続けるときは、定期的に血液検査を受けるようにしましょう。カリウム値などに異常がないか調べます。
 【備考】
- 発作がおさまらない場合や、たびたび起こる場合はすみやかに受診しましょう。
- 喘息の原因そのものを治せる薬はありません。多くの場合、予防的に長く飲み続ける必要があります。けれど、必ずしも減量・中止ができないというわけではありません。症状が安定すれば、医師の管理のもとゆっくりと減量していくことも可能です。
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効能 |
気管支喘息、小児喘息、急性・慢性気管支炎、肺気腫、気管支拡張症及び前記諸疾患に伴う喀痰喀出困難症。 |
用法 |
- 成人..通常、1回2カプセル、1日3回経口服用する。なお、症状に応じ適宜増減する。
- 6歳以上..通常、1回1カプセル、1日3回経口服用する。なお、症状に応じ適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
わりと多いのは動悸と手の震えです。ひどいときは、早めに受診してください。少し量を減らしたほうがよいかもしれません。
重い副作用はまずありませんが、過剰に使用すると、血液中のカリウム分が減少し、場合によっては不整脈を引き起こします。決められた用量を守ることが大切です。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
- 動悸(ドキドキ感)、頻脈、血圧変動
- 指や手のふるえ
- 頭痛、不眠
- 吐き気、食欲不振
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