おくすり110番
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成分(一般名) アクリジニウム臭化物
製品例 エクリラ400μgジェヌエア30吸入用~60吸入用 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 気管支拡張剤・他/抗コリン薬/COPD治療剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 気管支を広げるお薬です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用います。
作用

【働き】

慢性閉塞性肺疾患いわゆるCOPDは、気管支や肺胞に病変を生じ、非可逆的な気道閉塞障害を起こす病気の総称です。咳や痰が多くなり、少しの動作で息切れするなど体動時の呼吸困難が特徴的です。これには従来の慢性気管支炎と肺気腫が含まれます。

この吸入薬の有効成分は気管支拡張薬です。吸入による直接作用で気管支の収縮をおさえ、気道の通気をよくして呼吸を楽にします。同系としては作用時間が長い長時間作用型です。1日2回の吸入で終日効果が持続します。このため、COPDの維持管理薬(予防薬)として用いられます。

【薬理】

気管支の収縮でかなめになるのがアセチルコリンという神経伝達物質です。つまり、肺の副交感神経系から遊離するアセチルコリンが、気管支平滑筋にあるムスカリン受容体に結合し、その刺激を受けて収縮するのです。この薬の有効成分のアクリジニウムは、ムスカリン受容体と強く結合し、アセチルコリンの結合を競合的に阻害することにより、気管支収縮を強力かつ持続的に抑制します。このような作用から、抗コリン薬(抗アセチルコリン薬)、または作用する受容体の名前にちなみムスカリン受容体拮抗薬もしくはムスカリン性アセチルコリン受容体遮断薬などと呼ばれています。

【臨床試験】

この薬の有効性をプラセボ(にせ薬)と比較する臨床試験が海外でおこなわれています。参加したのは中等症から重症の慢性閉塞性肺疾患の患者さん約800人です。効果の判定は、1日2回定期吸入後の肺活量の変化量でおこないます。肺活量(FEV1:1秒間呼気量)は、慢性閉塞性肺疾患における呼吸機能を客観的にとらえる重要な指標です。

その結果、この薬を吸入していた人達の6カ月後の肺活量は平均1.57(L)(1.51→1.57)、プラセボの人達で1.44(L)(1.50→1.44)でした。 この薬を使用していた人達の肺活量は、プラセボに比べ明らかに上昇し、呼吸機能が改善することが証明されたわけです。また、別の比較試験では、1日1回吸入の従来品チオトロピウム(スピリーバ)と同等の有効性が示されています。とくに1日のうち2回目吸入後の肺活量の経時推移についてはチオトロピウムを上回りました。
特徴
  • 長時間作用型の抗コリン薬(LAMA)に分類される気管支拡張薬です。COPDでは副交感神経系が亢進し、神経伝達物質のアセチルコリンの働きが強まっています。これに対抗し効率よく気管支拡張作用を発揮するのが抗コリン薬です。また、細い気管支を拡張するβ刺激薬に対し、抗コリン薬は太い気管支によく作用します。β刺激薬に比べ速効性にやや劣りますが、安全性が高く、また効き目が落ちないなどの利点からCOPDの長期維持療法に適します。1日2回の吸入により、夜間から早朝を含め終日効果が持続します。
  • 対症療法薬ですので病気そのものは治せません。ただ、症状悪化による悪循環を断ち、進行を遅らせる効果が期待できます。実際、同系の抗コリン薬のチオトロピウム(スピリーバ)による大規模長期臨床試験では、4年間にわたる呼吸機能の維持と死亡率の低下が報告されています。
  • 吸入回数は1日2回と多くなりますが、長期管理薬としての位置付けは1日1回吸入のチオトロピウム(スピリーバ)と同様です。夜吸入するぶん、夜間と早朝症状の改善によりよい効果があるかもしれません。
  • 薬剤肺到達率の高いドライパウダー吸入式です。専用吸入器のジェヌエアに充填された薬剤を吸入することになります。ジェヌエアは、吸入完了が一目でわかり、またカウンターにより吸入可能回数が確認できるなど使い勝手のよい吸入器具です。
注意
【診察で】
  • 緑内障や前立腺肥大症など、持病のある人は医師に伝えておいてください。
  • 正しい吸入方法の説明を受けておきましょう。

【注意する人】

緑内障のある人、前立腺肥大症で尿の出の悪い人など使用できないことがあります。心臓病のある人は慎重に用いる必要があります。

  • 適さないケース..閉塞隅角緑内障のある人、前立腺肥大などで排尿障害がある場合。
  • 注意が必要なケース..心臓病(心不全、不整脈)、前立腺肥大のある人。

【使用にあたり】
  • 専用の吸入器ジェヌエアを使用して粉末状の薬剤を吸入します。具体的な使い方は説明書にならってください。カウンターが付いているので、吸入可能回数の確認もできます。
  • 症状の安定のために定期吸入します。1日2回決められれた時間帯に吸入してください。急な呼吸困難には、他の速効性の吸入薬(β刺激薬)のほうが向きます。
  • 吸入を忘れた場合は、気付いたときにすぐに吸入してください。ただし、次の吸入の時間が近い場合は、1回分は抜かし次の通常の時間に1回分を吸入してください。2回分を一度に吸入してはいけません。

【食生活】

慢性閉塞性肺疾患の一番の原因はタバコ。タバコの煙が肺や気管支を傷つけ機能を悪くするのです。禁煙は治療の大前提です。

【備考】

慢性閉塞性肺疾患の治療の主役は気管支拡張薬。長時間作用性の抗コリン薬もしくはβ2刺激薬が第一選択され、効果不十分な場合には両者による吸入療法がおこなわれます。それでも増悪をくり返す場合、さらに吸入ステロイド薬を追加することもあります。いずれも対症療法薬ですので病気そのものは治せませんが、症状悪化による悪循環を断ち進行を遅らせることが可能です。
効能
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解


【注意】

本剤は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いること。

本剤は慢性閉塞性肺疾患の増悪時における急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
用法 通常、成人には1回1吸入(アクリジニウム臭化物として400μg)を1日2回吸入投与する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 口やのどが乾燥した感じになることがあります。それほど心配はなく、ある程度はしかたありません。万一、吸入時に激しくせき込んだり、ぜいぜいして息苦しいなど呼吸困難があらわれた場合は使用を注意し直ちに受診してください。

そのほかの全身性の副作用は少ないのですが、まれに動悸やめまい、頭痛などがあらわれます。とくに、もともと心臓病のある人は、心房細動など不整脈に念のため注意が必要です。また、高齢で前立腺肥大のある人は、尿が出にくくなる可能性があります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。

【その他】
  • 口内乾燥
  • 動悸、不整脈
  • めまい、頭痛、便秘
  • 排尿困難
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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