おくすり110番
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成分(一般名) サルメテロール キシナホ酸塩、フルチカゾン プロピオン酸エステル
製品例 アドエア100~250~500ディスカス28~60吸入用、アドエア50~125~250エアゾール120吸入用 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の呼吸器用薬/吸入ステロイド薬/喘息・COPD治療配合剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 気道を広げ、炎症をとる吸入薬です。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用います。
作用

【働き-A】

喘息は「気道の慢性炎症にもとづく病気」と考えられるようになりました。炎症により気管や気管支が過敏になり、少しの刺激でけいれん収縮し気道が狭くなります。そして、発作的にせき込んだり、ゼーゼー・ヒューヒューと息苦しくなるのです。

この吸入薬には、2種類の有効成分が配合されています。一つは、フルチカゾンというステロイド薬です。ステロイドには強い抗炎症作用があり、気道の炎症をおさえることで喘息発作を起こりにくい状態にします。

もう一つの成分は、気管支拡張作用を持つβ2刺激薬のサルメテロールです。こちらは気道を広げ、呼吸を楽にする役目をします。とくにサルメテロールは、他のβ2刺激薬に比べ作用時間が長いのが特徴です。

これら2成分の相乗作用により 優れた呼吸機能改善効果をもたらします。処方対象は、吸入ステロイド薬だけでは効果不十分なやや重い喘息に対してです(軽症持続型以上)。予防薬になりますので、毎日定期吸入することになります。

【働き-B】

慢性閉塞性肺疾患いわゆるCOPDは、気管支や肺胞に病変を生じ、非可逆的な気道閉塞障害を起こす病気の総称です。咳や痰が多くなり、少しの動作で息切れするなど体動時の呼吸困難が特徴的です。これには従来の慢性気管支炎と肺気腫が含まれます。

このお薬は、気道の炎症をとるステロイド薬と、気管支を広げ空気の流れをよくするβ2刺激薬の2成分を配合した吸入剤です。慢性閉塞性肺疾患に対して、予防的に定期吸入することで、呼吸を楽にし息切れ症状をやわらげます。症状が不安定で増悪をくり返す場合や、気道に炎症がみられ喘息様症状をともなうなど やや重い症例に好適です。

【薬理】
  • ステロイドには組織の反応性を低下させる作用があります。気道における抗炎症作用は、炎症起因物質のサイトカイン、マスト細胞、好酸球などを減少させることによります。そのほか、血管透過性抑制作用や粘液分泌抑制作用もあります。とくにフルチカゾンは、他のステロイド剤よりも脂溶性が高く、組織への滞留が長いのが特徴です。作用も強力で、従来のベクロメタゾンの約半量で同等の効果を示します。
  • β2刺激薬は、気管平滑筋にある交感神経の「β2受容体」を刺激して気管支を広げます。とくにサルメテロールは、脂溶性の長い側鎖を持ち、これがβ2受容体に長く留まる役目をします。そのため、他の同類薬よりも作用時間がはるかに長いです。

【臨床試験】

海外で約3500人を対象とした大規模臨床試験が行われています。この薬の継続使用により、良好に喘息がコントロールされた人の割合は75%におよび、高い有効性を示しました。
特徴
  • ステロイド薬と、長時間作用型β2刺激薬を配合した初めての吸入製剤です。これら2成分がいっしょに作用することで、気道の“炎症”と“狭窄”の両方を同時に改善します。作用時間が長いので、1日2回の吸入で済みます。2009年に小児喘息と慢性閉塞性肺疾患に対する適応が新たに承認されました。
  • ドライパウダー(粉)式のディスカス製剤3種類と、エアゾール製剤3種類が発売されています。さらにディスカス製剤には28吸入用と60吸入用があります。ディスカスの1ブリスター中のβ2刺激薬(サルメテロール)の含量はどれもいっしょで50μg、エアゾールのほうは1噴霧あたりどれも25μgです。ステロイド(フルチカゾン)の含量がそれぞれ異なりますので、症状や年齢に応じて使い分けるようにします。小児に適応可能なのは100ディスカスと50エアゾール、慢性閉塞性肺疾患に適応するのは250ディスカスと125エアゾールです。
  • 新たに発売されたアドエア50エアゾールは、小児低用量に対応可能です。1回噴霧中の各用量は100ディスカスの半分になります。ディスカス同様、残りの使用回数が確認できる便利なドーズカウンターつきです。
注意
【診察で】
  • 高血圧や心臓病など、持病のある人は医師に伝えておいてください。
  • 正しい使い方、吸入方法の説明を受けましょう。

【注意する人】
  • 細菌や真菌による重い感染症にかかっている人は、慎重に使用する必要があります。とくに結核においては、原則禁止です。
  • 交感神経刺激作用から、高血圧や心臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などを悪化させるおそれがあります。これらの病気のある人は、病状の変化に注意してください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • エイズの薬のリトナビル(ノービア)との併用には注意が必要です。併用により、フルチカゾンの血中濃度が上昇し、強い副作用がでるおそれがあります。
  • アドレナリン(ボスミン)や、イソプレナリン(ストメリン、イソメニール、プロタノール)などカテコールアミン製剤との併用により動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。短時間作用型のβ2刺激吸入薬は、発作時に頓用する場合以外、過度に併用しないようにしましょう。
  • テオフィリン(テオドール)、ステロイド薬、利尿薬などとの併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあります。定期的に検査をするなど、慎重に用います。
  • 高血圧や不整脈の治療に用いるβ遮断薬は、この薬の作用を弱めます(基本的に喘息のある人にはβ遮断薬を用いません)。

【使用にあたり】
  • 予防薬として毎日規則的に吸入する必要があります。説明書をよく読み、過不足なく決められた吸入回数を必ず守ってください。とくに子供の場合、間違いのないよう保護者は十分注意をはらうようにしてください。
  • ふつう、1日2回、12時間ほど間隔をあけて朝晩に吸入します。1日2回を超えてはいけません。1回の吸入回数は1吸入または2吸入、病状や製剤によりますので医師の指示どおりにしてください。
  • 吸入後、うがいをし口をすすぎましょう。嗄声や口内炎を予防するうえで大切です。うがいは、十分水を含み、上を向くガラガラうがいと、グチュグチュする含みうがいを10秒ほど2回以上おこなうと効果的。上向きうがいができなければ、含みうがいのあと、水を飲むだけでも違います。食前に吸入し直ちにうがい、食後に歯磨きをすればほぼ完璧です。外出先で うがいができなければ、テイッシュにつばを吐き出すだけでもよいでしょう。
  • 起きている発作を止めるのには向きません。発作時に他の速効性の吸入薬を使うよう指示されている場合は、その吸入薬を直ちに吸入してください。
  • 決められた回数を吸入しても発作がおさまらない場合や、たびたび起こる場合はすみやかに受診してください。
  • 炎症がひき気道過敏性が改善されるまでに3〜6ヵ月かかります。よくなったからと自分だけの判断でやめてはいけません。急に中止をすると、反動で症状が悪化します。減量・中止をする場合は、医師の判断で徐々に減量するようにします。
  • 治療上の必要最少量を用いることになっています。漫然と長期大量使用を続けることは好ましくありません(効き目が弱くなったり、全身性の副作用がでやすくなります)。症状が安定したなら、単剤の吸入ステロイド薬への切り替えが必要かもしれません。そのときの症状に応じ、きめ細かな指導を受けるとよいでしょう。

【検査】

長期間に大量(500ディスカス)を使用している場合は、全身性の副作用を調べるため定期的な検査が必要です。

【備考】
  • 喘息治療のかなめは、吸入ステロイド療法です。長時間作動型β2刺激薬(サルメテロール)の併用は必ずしも必要性が高いとはいえません。安全面からも、吸入ステロイド薬で効果不十分な場合に追加併用するなど、限定的に用いるべきでしょう。(サルメテロールについては、有効性と安全性に疑問を残す あまり良くない研究結果がでています。その研究によると、信頼性の高い19の喘息薬に関する臨床試験データを集計したところ、この薬を使用していた場合、かえって喘息悪化による入院リスクが2.6倍高くなるという結果でした)。
  • 一方、慢性閉塞性肺疾患では、気管支拡張薬(抗コリン薬、β2刺激薬等)による吸入療法が標準的です。気管支拡張薬だけでは症状が不安定で増悪をくり返す場合に、吸入ステロイド薬との併用療法が考慮されます。
効能

【効能A】

気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

【効能B】

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
用法
【効能A】
<成人(アドエア100~250~500ディスカス、アドエア50~125~250エアゾール)>

通常、成人には1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与する(アドエア100ディスカス:1回1吸入1日2回、アドエア50エアゾール:1回2吸入1日2回)

なお、症状に応じて以下のいずれかの用法・用量に従い投与する。

(1)1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与(アドエア250ディスカス:1回1吸入1日2回、アドエア125エアゾール:1回2吸入1日2回)

(2)1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μgを1日2回吸入投与(アドエア500ディスカス:1回1吸入1日2回、アドエア250エアゾール:1回2吸入1日2回)
<小児(アドエア100ディスカス、アドエア50エアゾール)>

小児には、症状に応じて以下のいずれかの用法・用量に従い投与する。

(1)1回サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μgを1日2回吸入投与(アドエア50エアゾール:1回1吸入1日2回)

(2)1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与(アドエア100ディスカス:1回1吸入1日2回、アドエア50エアゾール:1回2吸入1日2回)

【効能B】
<アドエア250ディスカス、アドエア125エアゾール>

成人には、1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与する(アドエア250ディスカス:1回1吸入1日2回、アドエア125エアゾール:1回2吸入1日2回)

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 比較的多いのは嗄声です。声がかすれたり、のどがイガイガしたりします。また、多くはありませんが、口内炎(口腔カンジダ症)が現れることがあります。もし、口の中に白いものができたら、医師に伝えてください。これらの口腔内トラブルは、吸入後に十分うがいをすることで、たいてい予防できると思います。

β刺激薬のサルメテロールの副作用としては、動悸や頻脈、頭痛、手の震えなどがあげられます。吸入量が多いと出やすい副作用です。そのような症状があらわれた場合は、早めに受診してください。また、他の喘息治療薬とともに過度に使用していると、血液中のカリウム分が減少し、重い不整脈を起こしやすくなります。決められた用量を守ることが大切です。

気道局所に作用するので、ステロイドの飲み薬にみられる全身性の副作用はまずありません。ただし、まったくないとも言えません。とくに長期大量使用時は、肺炎、骨粗鬆症、高齢者骨折、副腎皮質機能抑制、子供の成長遅延、白内障、緑内障などに念のため注意が必要です。これらの検査を定期的に受けていれば安心でしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 肺炎..発熱、痰、咳、息切れ、息苦しさ。

【その他】
  • のどの刺激感、不快感、嗄声(声のかすれ、のどのイガイガ感)
  • 口腔・食道・呼吸器カンジダ症(のどや口の刺激痛、口のなかに白いものができる)、上気道感染
  • 動悸(ドキドキ感)、頻脈、不整脈、血圧上昇
  • 指や手のふるえ、頭痛、吐き気
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye