おくすり110番
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成分(一般名) ブデソニド、ホルモテロール フマル酸塩
製品例 シムビコートタービュヘイラー30~60吸入、ブデホル吸入粉末剤30~60吸入「xx」 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の呼吸器用薬/吸入ステロイド薬/ドライパウダー吸入式喘息・COPD治療配合剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 気道を広げ、炎症をとる吸入薬です。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用います。
作用

【働き-A】

喘息は「気道の慢性炎症にもとづく病気」と考えられるようになりました。炎症により気管や気管支が過敏になり、少しの刺激でけいれん収縮し気道が狭くなります。そして、発作的にせき込んだり、ゼーゼー・ヒューヒューと息苦しくなるのです。

この吸入薬には、2種類の有効成分が配合されています。一つは、ブデソニド(パルミコート)というステロイド薬です。ステロイドには強い抗炎症作用があり、気道の炎症をおさえることで喘息発作を起こりにくい状態にします。

もう一つの成分は、気管支拡張作用を持つβ2刺激薬のホルモテロール(アトック、オーキシス)です。こちらは気道を広げ、呼吸を楽にする役目をします。同系としては、心臓への影響が少なく、また効き目が早く、作用時間が長いのが特徴です。

これら2成分の相乗作用により 優れた呼吸機能改善効果をもたらします。処方対象は、吸入ステロイド薬だけでは効果不十分なやや重い喘息に対してです(軽症持続型以上)。維持療法として定期吸入することになりますが、発作発現時に追加して頓用することもできます。

【働き-B】

慢性閉塞性肺疾患いわゆるCOPDは、気管支や肺胞に病変を生じ、非可逆的な気道閉塞障害を起こす病気の総称です。咳や痰が多くなり、少しの動作で息切れするなど体動時の呼吸困難が特徴的です。これには従来の慢性気管支炎と肺気腫が含まれます。

このお薬は、気道の炎症をとるステロイド薬と、気管支を広げ空気の流れをよくするβ2刺激薬の2成分を配合した吸入剤です。慢性閉塞性肺疾患に対して、予防的に定期吸入することで、呼吸を楽にし息切れ症状をやわらげます。症状が不安定で増悪をくり返す場合や、気道に炎症がみられ喘息様症状をともなうなど やや重い症例に好適です。

【薬理】
  • ステロイドには組織の反応性を低下させる作用があります。気道における抗炎症作用は、炎症起因物質のサイトカイン、マスト細胞、好酸球などを減少させることによります。そのほか、血管透過性抑制作用や粘液分泌抑制作用もあります。とくにブデソニドは、従来品のベクロメタゾンの約2倍の抗炎症作用を示し、しかも全身性の副作用がでにくいとされます。
  • β2刺激薬は、気管平滑筋にある交感神経の「β2受容体」を刺激して気管支を広げます。このうち、ホルモテロールはβ2選択性が高い第3世代β2刺激薬になります。速効性と持効性を兼ね備え、また安全性が高いのが特徴です。
特徴
  • 強力なステロイド薬と、速効性・長時間作動型β2刺激薬を配合した吸入製剤です。これら2成分がいっしょに作用することで、気道の“炎症”と“狭窄”の両方を同時に改善します。喘息にくわえ、慢性閉塞性肺疾患に対する効能が2012年に追加承認されました。
  • 作用時間が比較的長く、1日2回の吸入で済みます。それでいて、β2刺激薬による気管支拡張効果がすぐにあらわれ治療効果を実感しやすいです。維持療法として定期吸入するのが基本ですが、発作発現時に追加頓用することも可能です。
  • 薬剤肺到達率の高いドライパウダー吸入式です。効率よく吸入できる専用の吸入器具(タービュヘイラー)を採用しています。
注意
【診察で】
  • 高血圧や心臓病など、持病のある人は医師に伝えておいてください。
  • 正しい使い方、吸入方法の説明を受けましょう。

【注意する人】
  • 細菌や真菌による重い感染症にかかっている人は、慎重に使用する必要があります。とくに結核においては、原則禁止です。
  • 交感神経刺激作用から、高血圧や心臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などを悪化させるおそれがあります。これらの病気のある人は、病状の変化に注意してください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • エイズの薬のリトナビル(ノービア)や抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)との併用には注意が必要です。併用により、ブデソニドの血中濃度が上昇し、強い副作用がでるおそれがあります。
  • アドレナリン(ボスミン)や、イソプレナリン(ストメリン、イソメニール、プロタノール)などカテコールアミン製剤との併用により動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。短時間作用型のβ2刺激吸入薬は、発作時に頓用する場合以外、過度に併用しないようにしましょう。
  • テオフィリン(テオドール)、ステロイド薬、利尿薬などとの併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあります。定期的に検査をするなど、慎重に用います。
  • 高血圧や不整脈の治療に用いるβ遮断薬は、この薬の作用を弱めます(基本的に喘息のある人にはβ遮断薬を用いません)。

【使用にあたり】
  • 予防薬として毎日規則的に吸入する必要があります。説明書をよく読み、過不足なく決められた吸入回数を必ず守ってください。
  • ふつう、1日2回朝晩に吸入します。1回の吸入回数は1吸入を基本としますが、病状によっては4吸入まで増量可能です。また、医師の指示によっては、発作発現時に追加して頓用吸入することもできます。
  • 吸入力の弱い人は、吸い残しに注意しましょう。正しく吸入しないと、よい効果が発揮されません。
  • 吸入後、うがいをし口をすすぎましょう。嗄声や口内炎を予防するうえで大切です。うがいは、十分水を含み、上を向くガラガラうがいと、グチュグチュする含みうがいを10秒ほど2回以上おこなうと効果的。上向きうがいができなければ、含みうがいのあと、水を飲むだけでも違います。食前に吸入し直ちにうがい、食後に歯磨きをすればほぼ完璧です。外出先で うがいができなければ、テイッシュにつばを吐き出すだけでもよいでしょう。
  • タービュヘイラー使用後は必ずキャップ(カバー)を閉めて保管してください。また、マウスピースの外側を週に1〜2回乾燥した布で清拭しておきましょう(水洗いはしないこと)。
  • 発作時に他の速効性の吸入薬を使うよう指示されている場合は、その吸入薬を直ちに吸入してください。決められた回数を吸入しても発作がおさまらない場合や、たびたび起こる場合はすみやかに受診してください。
  • 炎症がひき気道過敏性が改善されるまでに3〜6ヵ月かかります。よくなったからと自分だけの判断でやめてはいけません。急に中止をすると、反動で症状が悪化します。減量・中止をする場合は、医師の判断で徐々に減量するようにします。
  • 治療上の必要最少量を用いることになっています。漫然と長期大量使用を続けることは好ましくありません(効き目が弱くなったり、全身性の副作用がでやすくなります)。症状が安定したなら、単剤の吸入ステロイド薬への切り替えが必要かもしれません。そのときの症状に応じ、きめ細かな指導を受けるとよいでしょう。

【検査】

長期間に大量(1回3〜4吸入)を使用している場合は、全身性の副作用を調べるため定期的な検査が必要です。

【備考】
  • 喘息治療のかなめは、吸入ステロイド療法です。長時間作動型β2刺激薬(ホルモテロール)の併用は必ずしも必要性が高いとはいえません。早期治療効果を実感しやすいというメリットがあるかもしれませんが、軽症例にむやみに用いるべきではありません。吸入ステロイド薬で効果不十分な場合に限るなど、限定的に用いるべきでしょう。
  • 一方、慢性閉塞性肺疾患では、気管支拡張薬(抗コリン薬、β2刺激薬等)による吸入療法が標準的です。気管支拡張薬だけでは症状が不安定で増悪をくり返す場合に、吸入ステロイド薬との併用療法が考慮されます。
効能

【効能A】

気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

  • 注意:本剤は吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用による治療が必要な場合に使用すること。

【効能B】

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

  • 注意:本剤は増悪時の急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
用法

【効能A】

通常、成人は、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入する。なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36μg)までとする。

維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。

維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。

【効能B】

通常、成人は、1回2吸入(ブデソニドとして320μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として9μg)を1日2回吸入する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 比較的多いのは嗄声です。声がかすれたり、のどがイガイガしたりします。また、多くはありませんが、口内炎(口腔カンジダ症)が現れることがあります。もし、口の中に白いものができたら、医師に伝えてください。これらの口腔内トラブルは、吸入後に十分うがいをすることで、たいてい予防できると思います。

β刺激薬のホルモテロールの副作用としては、動悸や頻脈、頭痛、手の震えなどがあげられます。吸入量が多いと出やすい副作用です。そのような症状があらわれた場合は、早めに受診してください。また、他の喘息治療薬とともに過度に使用していると、血液中のカリウム分が減少し、重い不整脈を起こしやすくなります。決められた用量を守ることが大切です。

気道局所に作用するので、ステロイドの飲み薬にみられる全身性の副作用はまずありません。ただし、まったくないとも言えません。とくに長期大量使用時は、肺炎、骨粗鬆症、高齢者骨折、副腎皮質機能抑制、子供の成長遅延、白内障、緑内障などに念のため注意が必要です。これらの検査を定期的に受けていれば安心でしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
  • ショック、アナフィラキシー様症状..気持ち悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 肺炎..発熱、痰、咳、息切れ、息苦しさ。

【その他】
  • のどの刺激感、不快感、嗄声(声のかすれ、のどのイガイガ感)、味覚異常
  • 口腔・呼吸器カンジダ症(のどや口の刺激痛、口のなかに白いものができる)、上気道感染
  • 動悸(ドキドキ感)、頻脈、不整脈、血圧上昇
  • 指や手のふるえ、頭痛、吐き気
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye