概説 |
下痢を止めるお薬です。 |
作用 | 腸の運動を強力におさえ、また腸管での水分の吸収を増やします。そのような作用により、強い下痢止め効果を発揮します。子供を含め、下痢症の治療に広く使用されています。ただし、対症療法薬ですので、下痢の原因そのものを治すことはできません。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- O157や赤痢菌などによる重い出血性大腸炎には用いません。下痢を止めると、かえって治りが悪くなるおそれがあるためです。その他の感染性下痢症や潰瘍性大腸炎に対しても原則禁忌です。
- 適さないケース..感染性下痢症、抗生物質による偽膜性大腸炎、潰瘍性大腸炎、赤ちゃん。
- 注意が必要なケース..肝臓の悪い人、小さい子供、高齢の人。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- タンニン酸アルブミン(タンナルビン)など一部の下痢止め薬や胃腸薬(制酸薬)と同時に飲むと、この薬の吸収が悪くなり効果が減弱するおそれがあります。数時間間隔をあければ大丈夫です。
- 抗エイズウイルス薬のリトナビルや抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)と併用すると、この薬の血中濃度が上昇し、作用や副作用が増強するおそれがあります。
- 尿崩症や夜尿症の治療に用いるデスモプレシン(ミニリンメルト)の血中濃度を上昇させ、その作用を強める可能性があります。
 【使用にあたり】
- 症状や年齢によって、飲む量や飲み方が違います。指示どおりに正しくお飲みください。
- 下痢が止まったら、早めに中止したほうがよいでしょう(医師の指示どおりに)。基本的に長期の服用には適しません。
- 便秘になったら直ちに中止し、医師の指示を受けてください。

- 【食生活】

- 眠気やめまいを起こすことがあります。車の運転など危険な作業は控えてください。
 【備考】
- 下痢の原因は、さまざまです。食べすぎ・飲みすぎ、食中毒、過敏性腸症候群など比較的よくみられるものから、潰瘍性大腸炎やクローン病など特殊な病気によるものもあります。急性の下痢症では、下痢を止めることよりも、まず原因をみきわめることが大切です。
- 食中毒、あるいは病原微生物による感染性の下痢は、有害物質を体外に排出させようとする自然な防衛反応です。このような場合、むやみに下痢を止めればよいというものではありません。
- 激しい下痢は、脱水症状をまねきます。とくに、小さい子供や高齢の人は要注意です。点滴で水分を補給したほうがよいですから、早めに受診しましょう。
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効能 |

- 【一般製剤】

- 下痢症

- 【小児用】

- 急性下痢症
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用法 |

- 【一般製剤】

- ロペラミド塩酸塩として、通常、成人に1日1〜2mgを1〜2回に分割経口服用する。なお、症状により適宜増減する。

- 【小児用】

- ロペラミド塩酸塩として、通常、小児に1日0.02〜0.04mg/kg(ロペミン小児用として0.04〜0.08g/kg)を2〜3回に分割経口服用する。なお、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
多めの量を長く飲み続けると、ひどい便秘を起こすことがあります。とくに、小さい子供や高齢の人は十分注意しましょう。もし、かえって便秘になり、おなかが張って痛むときは、すぐに中止して受診してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- イレウス・巨大結腸..便秘が続く、便意があるのに出ない、おなかが異常に張る、強い腹痛、吐き気。
- ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
 【その他】
- 膨満感、食欲不振、吐き気、腹痛、便秘
- 口が渇く、味覚の変調
- 眠気、めまい
- 発疹
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