概説 |
胃酸の分泌をおさえるお薬です。胃炎や胃潰瘍の治療に用います。 |
作用 |
- 【働き】
- 胃酸は、本来、胃腸に侵入してくる“ばい菌”を殺菌する大切な役目をしています。けれど、胃壁が弱っていると、胃粘膜を荒らし、胃炎や胃潰瘍(胃粘膜の傷)の原因にもなります。
このお薬は、胃酸の分泌を強力におさえます。結果的に、胃炎や潰瘍の治りがよくなり、痛みもやわらぎます。鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを防ぐのにも用います。
- 【薬理】
- 胃粘膜のヒスタミン受容体(H2)を遮断することで、胃酸の分泌をおさえます。胃酸による胃粘膜への刺激が弱くなるので、胃炎や胃潰瘍の治癒につながります。
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特徴 |
- ヒスタミン受容体拮抗薬に分類されます。一般的には、H2拮抗薬とかH2ブロッカーと呼んでいます。この系統の開発により、胃潰瘍の治癒率が大きく向上しました。
- H2拮抗薬は、各科で広く用いられています。現在でも、消化性潰瘍の治療に第一選択されます。
- 作用時間が長いので、1日1回もしくは2回の服用ですみます。また、小児に対する有効性と安全性が確認されおり、用法・用量も成人とは別にきちんと設定されています。
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注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えましょう。
- 【注意する人】
- 腎臓の悪い人や、高齢の人は、薬の排泄が遅れがちです。少量を用いるなど、服用量、服用間隔などに配慮が必要です。薬でアレルギーを起こしたことのある人も慎重に用います。
- 注意が必要なケース..腎臓病、肝臓病、薬でアレルギーを起こしたことのある人、高齢の人など。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 胃酸が少なくなる関係で、他の薬の吸収に影響する可能性があります。服用中の薬は市販薬も含め、必ず医師に報告しておきましょう。
【使用にあたり】
- 決められた飲み方を守ってください。症状、年齢、製剤によって飲み方が違います。症状が重いときは多めになりますし、逆に軽い胃炎では半分の量になります。
- 食後のほか、寝る前に飲むことも多いです。夜間の胃酸分泌による潰瘍生成を防ぐためです。
- 自分だけの判断で飲むのをやめてはいけません。急にやめると反発的に胃酸の分泌が増え、潰瘍が悪化したり再発するおそれがあります。中止するときは、医師の判断で、徐々に減量しなければなりません。
- 潰瘍に非常によい効果を発揮する反面、やめると再発しやすいという欠点があります。潰瘍の場合、症状がよくなった後も、再発予防のため少量を続けることがあります。
- 【検査】
- 長期に続けるときは、定期的に血液や肝機能の検査が必要です。
- 【備考】
- 潰瘍の多くは、胃に住み着く「ピロリ菌」が原因。ピロリ菌を除菌すれば、難治性の潰瘍でも、たいてい完治できます。再発を繰り返す場合は、医師と相談のうえ除菌療法を試みるとよいでしょう。
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効能 |
- 【効能A】
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎
- 【効能B】
- Zollinger-Ellison症候群
- 【効能C】
- 麻酔前投薬
- 【効能D】
- 次の疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善//急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
- 【応用】
- 医師の判断で別の病気に応用されることがあります(膵炎、じん麻疹など)
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用法 |
- 【効能A】
- 通常、成人はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口服用する。また、1回150mgを1日1回(就寝前)経口服用することもできる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 【効能B】
- 通常、成人はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 【効能C】
- 通常、成人はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口服用する。また、1回150mgを手術前日就寝前に1回経口服用することもできる。
通常、小児はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口服用する。
- 【効能D】
- 通常、成人はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日1回(就寝前又は夕食後)経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児はロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日1回(就寝前又は夕食後)経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。人によっては、肝機能値に異常があらわれたり、便秘がちになったりします。
ごくまれですが、不安感や無気力感、混乱や幻覚、けいれんなど精神神経系の副作用を生じる可能性があります。とくに、もともと腎臓の悪い人や高齢の人は注意してください。
特異な副作用として、白血球や血小板が減少する血液障害も知られています。そのほか、肝障害や皮膚障害の報告もあります。これらは、きわめてまれな副作用ですが、定期的な検査でチェックする必要があります。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- アナフィラキシー・ショック..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、冷汗、顔が白くなる、手足のしびれ、脈が弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
【その他】
- 便秘
- 発疹、肝機能値の異常
- 乳首の腫れや痛み、生理不順
- 眠気、頭痛、めまい、不安感、無気力感
- 混乱状態、幻覚
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