概説 |
胃酸を中和するお薬です。 |
作用 | 
- 【作用-1】

- 胃の粘膜が弱ると、胃酸の刺激で、胃炎や胃潰瘍(胃粘膜の傷)を起こしやすくなります。このお薬は、胃酸を中和する制酸薬です。胃酸過多による胃腸症状に使用されています。

- 【作用-2】

- 吸着作用によりリンの吸収をおさえ、血中リン濃度を低下させます。これを応用し、慢性腎不全における高リン血症の治療に用いることがあります。
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注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えてください。
- 服用中の薬は、医師に伝えましょう。

- 【注意する人】

- 甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症のある人は、病状を悪化させるおそれがあるので使用できません。
- 適さないケース..甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症のある人。
- 注意が必要なケース..心臓病、腎臓病、高カルシウム血症、便秘のある人など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 同時服用により、他の薬の吸収をじゃまする性質があります。たとえば、テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン等)やニューキノロン系抗菌薬(クラビット等)。これらとの同時服用を避け、服用時間を2〜3時間あければ大丈夫です。
- 同様の理由で腎性貧血治療薬のロキサデュスタット(エベレンゾ)とも前後1時間以上あけるようにします。
- 骨粗鬆症の薬のビタミンD3製剤(ワンアルファ、アルファロール)との併用により、高カルシウム血症を起こす可能性があります。とくに腎臓の悪い人は注意が必要です。
- カルシウム(Ca:1日1g以上)や、牛乳(1日1リットル以上)の大量摂取は控えましょう。この薬の影響で、ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)を起こすおそれがあります。

- 【使用にあたり】

- 決められた飲み方を守ってください。ふつう、1日3〜4回飲みます。

- 【検査】

- 長期服用時、とくに腎臓の悪い人は血液の電解質に異常がないか検査を受けてください。
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効能 |

- 【適用】

- 下記疾患における制酸作用と症状の改善。
- 胃・十二指腸潰瘍。
- 胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)。
- 上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)。

- 【応用】

- 慢性腎不全における高リン血症。
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用法 |
沈降炭酸カルシウムとして、通常成人1日1〜3gを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありませんが、人によっては服用時にむかついたり、便秘がちになることがあります。症状がよくならないときや、かえって胃腸の調子が悪くなるときは、早めに受診してください。
長期大量服用時、とくに腎臓の悪い人や高齢の人は、高カルシウム血症や尿路結石にも念のため注意してください。定期的に検査を受けていれば大丈夫です。
- 一過性の吐き気、おなかの膨満感
- 便秘、下痢
- 高カルシウム血症..だるい、脱力感、食欲不振、吐き気、吐く、口の渇き、腹痛、頭痛、めまい、いらいら感、かゆみ、筋力低下、筋肉痛。
- 腎結石、尿路結石..排尿時の痛み、下腹部・横腹・腰・背中の激しい痛み、尿の濁り、血尿。
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