|  概説 | 胃酸を中和し、胃の粘膜を保護するお薬です。胃炎や胃潰瘍に用います。 | 
|  作用 |  
 【働き】
  
胃の粘膜が弱ると、胃酸の刺激で、胃炎や胃潰瘍(胃粘膜の傷)を起こしやすくなります。
 このお薬は制酸薬です。胃酸を持続的に中和し、また胃の粘膜を保護します。そうすることで、胃炎や胃潰瘍の治りをよくします。鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを予防するのにも用います。
  【薬理】
 水酸化マグネシウム..胃酸を中和する比較的速効性の制酸薬です。水酸化アルミニウム・ゲル..胃酸を中和する持効性の制酸薬です。胃の粘膜を保護する作用もあります。
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|  特徴 | 古くからあるスタンダードな制酸薬です。胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などに広く処方されています。胃の出血にもよく用います。 | 
  
    |  注意 |  【診察で】
 腎臓病など持病のある人は医師に伝えてください。服用中の薬は、医師に伝えましょう。
  
 【注意する人】
  
透析を受けている人には用いません。重い腎臓病の人も、長期の服用は避けたほうがよいでしょう。腎臓の働きが悪いと、アルミニウムが体にたまり、中毒を起こすおそれがあるためです(アルミニウム脳症、アルミニウム骨症)。
 
 適さないケース..透析を受けている人。注意が必要なケース..腎臓病、心臓病、高マグネシウム血症、リン酸塩低下、下痢のある人など。
  【飲み合わせ・食べ合わせ】
 併用薬の吸収をじゃまする性質があります。たとえば、ミノサイクリン(ミノマイシン)などテトラサイクリン系抗生物質、レボフロキサシン(クラビット)などニューキノロン系抗菌薬、貧血の薬の鉄剤、強心薬のジギタリス製剤、抗エイズウイルス薬のドルテグラビル(テビケイ)やラルテグラビル(アイセントレス)、白血病治療薬のダサチニブ(スプリセル)、抗てんかん薬のガバペンチン(ガバペン)、血液疾患治療薬のエルトロンボパグ オラミン(レボレード)、肺高血圧症治療薬のリオシグアト(アデムパス)。同時服用により、これらの薬効が減弱するおそれがあるのです。薬剤によりますが、この薬の服用前2時間、服用後2〜6時間あければ大丈夫です。クエン酸製剤(ウラリットなど)と同時に飲むと、この薬のアルミニウム分の吸収が異常に増える可能性があります。同時服用は避け、2〜3時間あけて飲んでください。骨粗鬆症の薬のビタミンD3製剤(ワンアルファ、アルファロール)との併用により、高マグネシウム血症を起こしやすくなります。とくに、腎臓の悪い人は注意が必要です。カルシウム(Ca:1日1g以上)や、牛乳(1日1リットル以上)の大量摂取は控えましょう。この薬の影響で、ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)を起こすおそれがあります。
  【使用にあたり】
 指示どおりにお飲みください。ふつう、1日3〜4回飲みます。胃の粘膜に直接作用するので、胃に食べ物のない食前や食間、また就寝前に飲むと効果的です。水に溶いて飲んだほうが、よい効果が期待できます。そのまま飲むときは、コップ一杯ほどの十分な水で飲んでください。
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    |  効能 | 下記疾患における制酸作用と症状の改善。 | 
  
    |  用法 | 通常成人は1日1.6g〜4.8gを数回に分割し、本品1gに対し用時約10mLの水に懸濁して経口服用するか、または、そのまま経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。 
    
      
        | ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
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    |  副作用 | 人によっては便がやわらかくなったり、逆に便秘がちになることがあります。かえって胃腸の調子が悪くなるときは、早めに受診してください。 
 重い副作用はまずありませんが、長期大量服用時、とくに腎臓の悪い人や高齢の人は、アルミニウム脳症やアルミニウム骨症、また高マグネシウム血症に念のため注意してください。定期的に検査を受けていれば大丈夫です。
 
 
 軟便、下痢、便秘、食欲不振、吐き気リン酸塩低下、骨軟化症、貧血高マグネシウム血症..だるい、吐き気、吐く、立ちくらみ、めまい、口が渇く、皮膚発赤、まぶたが下がる、筋力低下、眠気、血圧低下、徐脈、息苦しい、意識がうすれる。アルミニウム脳症・アルミニウム骨症..口ごもる、異常な言動、認知障害、吐く、意識の乱れ、けいれん、関節の痛み、貧血。
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