概説 |
胆汁の流れをよくして、肝臓を守るお薬です。胆石や肝臓病に用います。 |
作用 |
- 【作用-1】
- 利胆作用..胆汁の流れをよくして、胆石を溶かします。小さめのコレステロール系胆石を溶かすのに適します。大きい胆石や石灰化した胆石には向きません。
- 【作用-2】
- 肝機能改善作用..肝臓の血流をよくして、肝臓の細胞を守ります。とくに、胆石や胆汁うっ滞をともなう肝臓病に向きます。また、慢性肝炎においても肝機能値の改善効果が認められています。
- 【作用-3】
- 消化吸収改善作用..消化不良を改善して食べ物の吸収を助けます。
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特徴 |
- 古くからある胆汁酸製剤ですが、今なお、胆石や肝臓病に広く処方されています。有効成分は、漢方薬「熊胆(ゆうたん)」に含まれるウルソデオキシコール酸。強力な作用があるとはいえませんが、安全性が高く副作用も少ないです。
- C型慢性肝疾患に対する効能が追加されました(2007年)。肝臓の炎症を軽減し、病状の進展を抑制する効果が期待できます。ただし、肝炎ウイルスそのものには無効です。他の抗ウイルス薬(インターフェロン等)が効果不十分な場合や副作用で使用できない場合などに、補助的に用いるものです。
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注意 |
【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 【注意する人】
- 胆道が完全に詰まっている場合には使用できません。消化性潰瘍や重い膵臓病のある人も慎重に用います。
- 適さないケース..完全胆道閉塞、劇症肝炎など。
- 注意が必要なケース..消化性潰瘍、重い膵臓病、胆管に胆石のある場合など。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 糖尿病の薬の作用を増強するおそれがあります。また、コレステロール低下薬のコレスチラミン(クエストラン)や、胃薬の制酸剤と同時に飲むと、この薬の作用が弱まる可能性があります(2〜3時間開ければ大丈夫)。
- 飲み合わせに注意..血糖降下薬(SU剤)、コレスチラミン(クエストラン)、制酸剤、クロフィブラート系脂質低下薬など。
【使用にあたり】
- 決められた飲み方を守ってください。症状や製剤によって、飲み方が違います。ふつう、1日3回食後に飲みます。
- 胆石は、胆汁が濃くなる夜間に大きくなるといわれます。そのため、胆石症では夕食後や寝る前に飲むように指示されることがあります。
- 指示された期間、きちんと続けてください。比較的小さい胆石でも、溶けるまでに半年〜1年くらいかかります。慢性肝炎ではさらに長期の服用になるものです。
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効能 |
【効能A】
- 次の疾患における利胆//胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患
- 慢性肝疾患における肝機能の改善
- 次の疾患における消化不良//小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患
- 【効能B】
- 外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
【効能C】
- 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善(錠)
- C型慢性肝疾患における肝機能の改善(錠)
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用法 |
- 【効能A】
- ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1回50mgを1日3回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 【効能B】
- ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1日600mgを3回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 【効能C】
- ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1日600mgを3回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。増量する場合の1日最大服用量は900mgとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
人によっては、下痢ぎみになります。軟便くらいでしたら心配ないですが、ひどいときは早めに受診してください。重い副作用はほとんどなく、長期服用も安心です。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
【その他】
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