|  概説 | 唾液の分泌を増やすお薬です。シェーグレン症候群などにおける口腔乾燥症状を改善します。 | 
|  作用 |  
 【働き】
  
口内が異常乾燥する病気として、まず第一にシェーグレン症候群があげられます。女性に多い免疫系の病気です。自分の免疫により唾液腺が傷つけられ、唾液の分泌が悪くなり口のなかが乾燥してしまうのです。
 また、放射線治療により、唾液腺が障害を受け、口腔乾燥症状を起こすこともあります。唾液が減少すると、口の乾燥感や痛みを生じ、食事や会話など日常生活にも支障がでてきます。さらに長く続けば、カンジダ症や虫歯にもなりやすくなります。
 
 このお薬は、唾液分泌促進薬です。唾液腺に働いて唾液の分泌を増やします。唾液の分泌がよくなり口内が潤えば、口の違和感や痛み、摂食・会話障害などの口腔乾燥症状も改善されます。
  
 【薬理】
  
副交感神経系の唾液腺内ムスカリンM3受容体を刺激することにより、唾液の分泌を促進させます。
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|  特徴 | 作用機序からは副交感神経刺激薬(コリン作動薬)に分類されます。放射線治療にともなう口腔乾燥症状に適応を持つ国内初の内服薬です。さらに、シェーグレン症候群に対する効能・効果も承認されました。 | 
  
    |  注意 |  【診察で】
 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。別の薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告しておいてください。過度に発汗し十分な水分補給が出来ない状況が予想される場合、担当医師と相談してください。
  
 【注意する人】
  
この薬には神経伝達物質のアセチルコリンに近い性質があり、唾液腺以外のいろいろ臓器に影響をおよぼします。そのため、心臓の悪い人、胃腸や膵臓など消化器系あるいは泌尿器系に病気のある人、また、気管支喘息、てんかん、パーキンソン症状のある人など使用できないことがあります。
 
 適さないケース..心筋梗塞、狭心症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、消化管や膀胱頸部に閉塞のある人、てんかん、パーキンソン病、虹彩炎のある人。
  
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
  
同類のコリン作動薬との併用は、互いに作用を増強します。逆に、抗コリン作用を持つ一部の胃腸薬や安定薬、抗うつ薬と併用すると、効果が打ち消されるおそれがあります。
 
 飲み合わせに注意..モサプリド(ガスモチン)、鎮痙薬(ブスコパン等)、フェノチアジン系安定薬、三環系抗うつ薬、テガフール製剤(ユーエフティー等)など。
  【使用にあたり】
 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。ふつう、1日3回、毎食後に飲みます。空腹時は避け、食後30分以内に服用しましょう。すぐによい効果がでるとは限りません。しばらく続けて様子をみる必要があります。3カ月以上続けてもまったく効果を感じないとき、あるいは発汗や鼻炎、下痢などの副作用でかえってつらいときは、服用の継続を含め医師とよく相談してください。
  
 【食生活】
  
目の瞳孔が小さくなり、夜間など暗い所で物が見えにくくなることがあります。夜間の車の運転や暗所での危険な作業には十分注意してください。
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    |  効能 | シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善
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    |  用法 | 通常、成人はピロカルピン塩酸塩として1回5mgを1日3回、食後に経口服用する。 注意:本剤の服用は空腹時を避け、食後30分以内とすること。
 
    
      
        | ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
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    |  副作用 | 一番多いのは、汗が出やすくなることです。ほかに、鼻炎、吐き気、下痢、頻尿、頭痛、ほてり、などもみられます。重い副作用はまずありませんが、そのような症状がつらいときは、医師とよく相談してください。 
 
  【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。失神・意識喪失..一時的に気を失う。
  【その他】
 多汗、鼻炎、鼻水、頻尿吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、胃痛頭痛、ほてり、めまい、動悸涙が出る、暗い所で見えにくい肝機能異常
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