概説 |
生理日を変更するお薬です。 |
作用 | このお薬は女性ホルモン薬です。子宮の内膜は、女性ホルモンの働きで維持されています。生理は、女性ホルモンの急激な減少により、子宮内膜の一部が出血とともにはがれ落ちる現象です。したがって、女性ホルモン薬を飲み続けている間は子宮内膜が維持され、生理が起こりません。生理日を早くしたり遅らせたいときに用います。 |
特徴 | 女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合薬です。いわゆる“ピル”と呼ばれる薬の仲間です。そのなかでは、卵胞ホルモンの配合量が少ないので、「低用量ピル」にあたります。配合成分は以下です。
- エチニルエストラジオール(EE)..合成卵胞ホルモン薬で、経口避妊薬などにも広く配合される。
- メチルエストレノロン..合成黄体ホルモン薬(プロゲストーゲン)。
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注意 |
 【診察で】
- 血栓症など持病や、アレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 手術の予定があるときは、早めに医師に報告しておきましょう。

- 【注意する人】

- 卵胞ホルモンによって悪化する乳がんや子宮がんがある場合は服用禁止です。血栓の病気のある人も使用できません。
- 適さないケース..血栓性静脈炎、肺塞栓症、乳がん、子宮がん、重い肝臓病、妊娠中など。
- 注意が必要なケース..子宮筋腫、心臓病、腎臓病、肝臓病、糖尿病、てんかん、授乳中、40歳以上の女性など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 次の薬は、この薬の作用を弱めるかもしれません。結核の薬のリファンピシン(リファジン)、てんかんの薬のフェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)、水虫の飲み薬のグリセオフルビンなど。別の病気で診察を受けるときは、この薬を飲んでいることを伝えてください。
- 血糖降下薬の作用を弱める可能性があります。
 【使用にあたり】
- 生理を遅らせるには、生理予定日の5日くらい前から延長したい日まで飲み続けます。生理がいつも順調な人でしたら、3日前でも大丈夫でしょう。服用を中止すると2〜3日で生理がきます。逆に早くしたい場合は、生理初日から数えて、5〜10日目くらいから5日間服用します。2〜3日後に生理がきます(遅らせるよりも不確実なようです)。飲み方は状況により異なりますので、医師の指示どおりにしてください。
- 次の生理日は、出血した日から数えて28日目となります(月経周期が28日型の場合)。
 【食生活】
- たとえば長時間飛行など、体を動かせない状態が長く続くと、血栓症のリスクが少し高まるかもしれません。水分を多くとり、できるだけ体を動かすようにしましょう。
- できたらタバコは控えましょう。タバコは血栓症の危険性を増やします。

- 【備考】

- 処方してもらうには、医師の診察が必要です。なお、薬価基準未収載ですので保険はききません。
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効能 |
月経周期の延長及び短縮。 |
用法 |
- 生理日を遅らせる場合:月経予定日の3日前から延長を希望する日まで、1日2錠、朝夕1錠ずつ服用を続ける。
- 生理日を早くする場合:月経開始日から数えて、第7〜9日目から1日2錠、朝夕1錠ずつ5日間服用する。
- 食直後に服用することが望ましい。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
飲み始めに吐き気がしたり、食欲がなくなることがあります。大事な事情で生理を遅らせる場合は、その点にも留意しておきましょう。性器出血は、飲み忘れでよく起こりますから注意してください。
重い副作用はまずありませんが、念のため注意が必要なのは「血栓症」です。血液の固まりで血管が詰まることで起こります。生じる所はいろいろです。手足、とくにふくらはぎの痛みやシビレ、激しい頭痛、突然の息切れ、急に視力が落ちるといった症状が前触れとなります。万一、そのような症状があらわれたら、すぐ医師に連絡してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 血栓症..手足とくにふくらはぎの痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む、頭痛、片側のまひ、うまく話せない、意識が薄れる。
 【その他】
- 吐き気、吐く、食欲不振、下痢、便秘、腹痛
- 乳房が張る、乳房痛、下腹部痛、帯下、予定外の性器出血(点状出血、破綻出血)
- むくみ、体重増加、にきび
- 頭痛、眠気、だるい
- 肝機能の異常、発疹
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