概説 |
緊急避妊のためのお薬です。 |
作用 | 
- 【働き】

- 緊急避妊とは、望まない妊娠を避けるため、性交後に緊急におこなう措置のことです。たとえば、コンドームなど避妊具の装着不備や避妊薬の飲み忘れ、あるいはそのような避妊方法をはじめからとらなかった場合などが想定されます。
このお薬は、そのようなときに用いる緊急避妊薬です。おもな作用は、排卵を止めることです。排卵しなければ、受精の機会がなくなり、妊娠しないですむわけです。また、仮に、排卵・受精したとしても、子宮内膜の増殖がおさえられ、受精卵が着床しにくくなります。性交後72時間以内に服用することで、そのような避妊効果を発揮します。

- 【臨床試験】

- 63人の女性が、性交後に、この薬を飲みました。そのうち妊娠したのは1人だけでした。月経周期日ごとの妊娠確率を考慮した妊娠阻止率は81%です。また、海外の臨床試験では、1198人のうち16人が妊娠(妊娠率1.34%)、妊娠阻止率は84%でした。避妊できる可能性が高いことがわかりましたが、100%阻止できるわけではありません。
|
特徴 |
- 日本初の緊急避妊薬です。WHO(世界保健機構)のエッセンシャルドラッグ(必須薬)に指定され、国際的にも標準的な緊急避妊方法として位置づけられています。
- 有効成分はレボノルゲストレル(LNG)。第2世代の強めの黄体ホルモン薬で、一部の経口避妊薬(低用量ピル)にも採用されています。
- 処方してもらうには、医師の診察が必要です。保険はききませんので、自費負担となります。
|
注意 |
 【診察で】
- 肝臓病や心臓病など持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 別に薬を飲んでいる場合は、その薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 重い肝臓病のある人は使用できないことがあります。肝臓の負担を避けるためです。妊娠中は服用禁止です。
- 適さないケース..重い肝臓病、妊娠中の人。
- 注意が必要なケース..肝臓病、心臓病、腎臓病のある人など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 併用薬によっては、避妊効果が低下するおそれがあります。たとえば、結核の薬のリファンピシン(リファジン)、てんかんの薬のフェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)、カルバマゼピン(テグレトール)、抗エイズウイルス薬のエファビレンツ(ストックリン)やリトナビル(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)などに注意が必要です。
- セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は控えてください。この薬の作用を弱めるおそれがあります。
 【使用にあたり】
- 薬をもらったら、時間をおかずに直ちに飲んでください。通常量は2錠です。
- 避妊を保障するものではありません。この薬を飲んだとしても、妊娠する可能性があります。適当な時期に再診し、妊娠していないことを確認しましょう。
- あくまで緊急避難的な事後対応になります。計画的に避妊する場合は、より確実な経口避妊薬の定期服用がおすすめです。
 【妊娠・授乳】
- 妊娠中は禁止です。妊娠していないことを十分に確認したうえで使用する必要があります。
- 乳汁中に移行します。服用後24時間は授乳を避けましょう。その後は問題ありません。
|
効能 |
緊急避妊 |
用法 |
性交後72時間以内にレボノルゲストレルとして1.5mgを1回経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
一番多いのは、予定外の不正出血です。吐き気や頭痛、けん怠感などもよくみられます。これらはホルモン環境が一時的に変化するためと考えられますので、それほど心配ないと思います。1回の服用で済みますので、副作用も一過性で重いものはまずありません。
- 予定外の出血(点状出血、破綻出血)
- 吐き気、気持ちが悪い、腹痛、下痢
- 頭痛、眠気、めまい
|