概説 |
子宮の運動をゆるめるお薬です。流産や早産の予防に用います。 |
作用 |
- 【働き】
- 子宮の筋肉に働きかけ、その収縮をおさえます。おなかの張りや腹痛、出血など流・早産の心配のあるときに用います。
- 【薬理】
- 子宮を収縮させるのは平滑筋という筋肉です。この筋肉にある交感神経のβ受容体を刺激することで、筋肉の収縮をおさえます。
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特徴 | 切迫流・早産治療薬として広く処方されています。飲み薬は、比較的軽い症状のときに用います。緊急性のあるときは、入院して注射薬で治療します。 |
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 【注意する人】
- 心臓病や高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症など、その病状によっては使用できません。服用によりそれらの症状を悪化させるおそれがあるためです。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 飲み合わせに注意する薬があります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は市販薬も含め、医師に報告しておきましょう。
- 喘息の薬(β刺激薬など)と併用すると、動悸や頭痛など副作用がでやすくなります。
- 高血圧などに用いるβ遮断薬は、この薬の作用を弱めるかもしれません。
- 【使用にあたり】
- 決められた飲み方、服用量を守ってください。
- 【妊娠・授乳】
- 安全性が確立されていないという理由から、妊娠16週未満においては投与しないことになっています。ただ、とくに危険性が高いわけではないので、その時期にこだわらずに処方されるケースがみられます。
- 【食生活】
- 流産や早産の心配があるときは、安静療法をおこなうことが大切です。
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効能 |
- 【適用】
- 切迫流・早産。
- 【応用】
- 医師の判断で、別の病気に応用されるかもしれません(胎児徐脈など)。
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用法 |
通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口服用する。なお、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうですが、薬の量が多いと動悸がしやすくなります。おなかの赤ちゃんの脈が速くなることもあります。そのような場合、薬の量を減らしたほうがよいかもしれませんので、早めに受診してください。
重い副作用として、横紋筋融解症や高血糖、新生児腸閉塞、また同成分の注射薬では肺水腫の報告があります。これらは、きわめてまれなケースですが、長期大量使用時など念のため注意してください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
- 高血糖..異常にのどが渇く、水をがぶ飲み、多尿、頻尿。
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 低カリウム血症..だるい、筋力低下(力が入らない)、便秘、動悸、脈の乱れ。
- 肺水腫(注射薬)..ゼーゼーする、息苦しい
- 新生児腸閉塞
【その他】
- 動悸(ドキドキ感)、頻脈、ほてり
- 指や手のふるえ
- 頭痛、頭重感、めまい、ふらつき
- 吐き気
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