おくすり110番
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成分(一般名) フルメタゾン ピバル酸エステル
製品例 テストーゲン軟膏0.02%、(ロコルテン軟膏) ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 鎮痛,鎮痒,収れん,消炎剤/副腎皮質ホルモン/外用合成副腎皮質ホルモン剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 皮膚の赤みやかゆみをとるお薬です。湿疹や皮膚炎の治療に用います。
作用

【働き】

ステロイドの外用薬です。ステロイドには炎症をしずめる強い作用があります。短期間で皮膚炎をおさえることが可能で、腫れや赤みをすみやかにとり、かゆみや痛みをやわらげます。このため、湿疹やアトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな皮膚症状に広く使用されます。ただし、症状をとる対症療法薬ですので、病気の原因そのものを治すことはできません。

【薬理】

副腎から分泌される代表的なホルモンにコルチゾルがあります。コルチゾルは、糖や脂肪の代謝系に働いたり、体液の維持、免疫系の調整など大事な役目をしています。病院では、このコルチゾルの仲間を習慣的に「ステロイド」とか「副腎皮質ホルモン」と呼んでいます。

実際の治療には、抗炎症作用を強めた合成のステロイド外用薬が使われています。この系統は速効性にすぐれ、目先の皮膚症状に非常によい効果を発揮します。患部に直接作用するので、飲み薬のような全身性の副作用がほとんどないのも利点です。
特徴ステロイド外用薬の強さは、もっとも強い1群から、弱い5群の5段階にランク付けされます。このお薬は4群[中程度]に入ります。比較的軽い症状のときに用いるほか、顔などデリケートな患部にも使いやすいです。ステロイド外用薬のなかで、以下のような特徴があります。
  • 4群:medium[中程度]
  • ハロゲン系ステロイド
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 安易に漫然と使用することなく、そのときどきの症状に応じたきめ細かな指導を受けてください。

【注意する人】
  • 細菌やウイルス、真菌(カビ)などによる皮膚感染症には原則用いません。また、重いやけどや皮膚潰瘍には不向きです。これらにステロイドを用いると、かえって症状が悪化したり、治りが遅くなるおそれがあるためです。
  • 皮膚が薄い顔や首、陰部などは薬が効きやすく、また体内に吸収されやすいです。このような患部に対しては、ステロイドのランクや使用回数・期間などをよく勘案のうえで用います。
  • 赤ちゃんの皮膚もデリケートなので、重症度に応じて薬の強さや、使用量、使用期間を医師が慎重に検討したうえで処方します。
  • 高齢の人は皮膚代謝が遅く薬剤の残留時間が長いので、薬が効きやすく副作用もでやすいです。このため、薬のランクを低めにするなど慎重に用いるようにします。長期大量使用あるいは広範囲の密封法(ODT)においては特に注意が必要です。
  • 妊娠中は、全身への影響がでるほどの長期にわたる大量使用は避けたほうがよいでしょう。通常量の範囲でしたらまず心配いりません。下記妊娠の項も参照ください。

【使用にあたり】
  • 症状により使用方法が違いますから、医師の指示どおりに使用してください。大事なのは、決められた用法・用量の範囲で十分量を用いることです。副作用を心配するあまり自己判断で減らしてしまうと、かえって治療期間が長引いしまうことになりかねません。
  • 使用前後に手をよく洗いましょう。そして、指先に適量をとり、あまり強くこすらないで、指の腹でやさしく延ばすように塗り付けてください。健全な部位にむやみに塗り広げないようにしましょう。
  • 使用回数は、通常1日に2回ないし1回です(朝、夕または入浴後)。一般的には、急性期は2回とし、その1〜2週間後に重症度の評価をおこない改善したなら1回に減量、またはより弱いものに切り替えるようにします。段階的に減量し、最終的に中止できれば理想的ですが、アトピー性皮膚炎などでは維持療法として少し長めになるかもしれません。
  • 病気そのものが治るわけではありません。対症療法薬ですので、止めるとぶり返すおそれがあるのです。とくに長期大量使用中に、急ににやめると重い反発症状を起こすおそれがあります。ですから、きれいになったからと自己判断でやめてはいけません。指示された期間根気よく続けてください。中止するときは、医師の判断で段階的に減らしていきます。
  • 目のまわりはできるだけ避けますが、用いる場合は目に入らないように注意しましょう。大量に入ると、眼圧が上昇し緑内障を引き起こすおそれがあります。
  • 決められた範囲内で使用してください。よく効くからと、ひげそり後や化粧下に代用してはいけません。なお、ステロイド外用薬全般の注意点については、下記備考も参考にしてください。

【妊娠・授乳】

妊娠中は、飲み薬よりも安全な外用薬が用いられるものです。ステロイド外用薬の一般的な用法・用量でしたら、体内への吸収量は無視できるほどで、おなかの赤ちゃんに影響することもありません。ただ、万全を期して長期にわたる大量使用は避けたほうがよいでしょう。長期とは数カ月以上、大量とは両腕全体への使用あるいは1日に10gチューブを使い切るような量です。それ以下の通常の範囲でしたらまず心配いりません。

【備考】
  • ステロイド外用薬の強さは、強い順に1群から5群の5段階にランク付けされます(6段階のことも)。「最強(strongest)、非常に強力(very strong)、強力(strong)、中程度(medium)、弱い(weak)」といった分類です。これらを、症状や部位、年齢などに応じ適切に使い分けるようにします。ヒルドイドや尿素軟膏など保湿剤と混ぜて調合することもよくあります。この場合、濃度が薄まりますので、そのぶん少しマイルドになります。分類例をあげると、[最強]デルモベート、ジフラール、ダイアコート。[非常に強力]トプシム、フルメタ、リンデロンDP、アンテベート、マイザー、ネリゾナ、テクスメテン、メサデルム、パンデル。[強力]ボアラ、ザルックス、リンデロンV(VG) 、ベトネベート(N)、リドメックス、フルコート(F)。[中程度]アルメタ、ロコイド、キンダベート、レダコート。[弱い]コルテス、プレドニゾロン、メドロール、デキサメタゾン といった具合です。
  • 症状がひどいときは、まず強いステロイドを炎症の“火消し役”として用いることがあります。すばやく炎症をしずめることが治療の第一歩なのです。強いからとこわがって躊躇してはいけませんし、中途半端な使い方もよくありません。医師から指示される十分量をためらわずに使用してください。その後、維持療法に向け順次弱いものに切り替えれば大丈夫です。
  • 顔は皮膚がうすくステロイドに敏感なので、とくに必要とする場合を除き安易に使用しないことが望ましいとされます。火消し役としてどうしても必要な場合でも、よりマイルドなものが適当です。一般的には[強力]ないし[中程度]以下のランクとし、1〜2週間で炎症がひいたなら、漸減ないしはさらに弱いものに切り替えます。とくに赤ちゃんや子供の肌はデリケートで薬が効きやすいので、ランクを一段下げるなど薬剤の選択や使用期間を慎重に検討する必要があります。逆に、足の裏や苔癬(たいせん)化した湿疹など、皮膚が厚く硬くなっている部分は、より強力なステロイドでないと効きません。そのような部位は、副作用の心配もほとんどないのです。
  • ステロイド皮膚症は、強力なステロイド外用薬の安易な長期大量使用時に発症しやすいです。とくに顔や首は要注意。代表的な症状としてあげられるのが、いわゆる“酒さ様皮膚炎”です。毛細血管が浮き出て赤みをおび、まるでお酒飲みの赤ら顔のようにみえるので そう呼ばれます。ときどきみられる“ステロイドざ瘡”では赤または白っぽいニキビのようなものが多発します。さらに、皮膚感染症を引き起こすおそれもあります。皮膚の抵抗力が低下し、細菌やウイルス、真菌などの微生物におかされやすくなるのです。そして、皮膚が強くステロイド依存しているそのようなときに急に中止すると、激しい反発症状(再発・悪化または免疫再構築症候群とも考えられるカポジ水痘様発疹症など)に襲われるおそれがあります。
  • おもな大学病院を対象に、アトピー性皮膚炎が悪化して入院した319例の原因調査がおこなわれています(日本皮膚科学会'99)。それによると、ステロイド自体の副作用による悪化が3例だったのに対し、脱ステロイド療法によるものは64例にものぼりました。疑わしい民間療法に惑わされ、むやみにステロイドを中止することが非常に危険な行為であることを示しています。同時に、長期大量使用時におけるステロイドからの離脱の難しさ、ステロイドのリバウンド(反発的に急回復する免疫反応)のこわさを物語っているともいえるでしょう。いずれにしても、自分だけの判断でやめないで、医師から指示された期間きちんと続けることが大事です。ステロイド外用薬は安易に漫然と使用することなく、重症度の評価を頻繁におこなってもらい、そのときどきの症状に応じたきめ細かな指導を受けるようにしてください。そうすれば、大丈夫です。
効能 湿疹・皮膚炎群(脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬。
用法 通常1日1〜数回適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 外用薬ですので、1〜2週間使う程度でしたら、副作用の心配はそれほどありません。もしも、症状がよくならないときや、かえって悪化するときは早めに受診してください。

長く続けていると、ステロイド特有の皮膚症状がでてくるおそれがあります。酒さ様皮膚炎と呼ばれる皮膚の赤みや萎縮、肌荒れ、にきび、多毛などです。また、細菌や真菌(カビ)などによる新たな感染症にも注意が必要です。さらに、大量連用中に急に中止すると、ひどい反発症状を起こす危険性があります。

飲み薬のような全身性の副作用はまずありませんが、長期にわたり大量に用いている場合など、まったくないとはいえません。大量とは、1日に10gチューブを使い切るような量です。まれなケースですが、ステロイド外用薬の長期大量使用による緑内障や白内障の発症例も報告されています。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 目の重い症状(緑内障、白内障など)..見えにくい、かすんで見える、まぶしい、視力低下、目の痛み、頭痛、吐き気。

【その他】
  • 過敏症..発疹、発赤、かゆみ、刺激感。
  • ステロイド皮膚症..皮膚が白くなる、萎縮し薄くなる、てかてか光る、しわ、潮紅、毛細血管拡張、乾燥肌、酒さ様皮膚炎(赤ら顔)、紫斑、ニキビ、多毛。
  • 皮膚感染症の誘発・悪化..発赤、かゆみ、痛み、腫れ物、できもの、水ぶくれ、じゅくじゅく、黄色いかさぶた、赤黒いかさぶた。
  • 長期大量使用で副腎の働きが弱くなる。
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye