概説 |
関節リウマチの腫れや痛みをやわらげるお薬です。 |
作用 | 
- 【働き】

- リウマチの原因ははっきり分かっていませんが、体の免疫系がかかわっていると考えられています。関節や筋肉に強い炎症を生じ、腫れや痛みをともないます。
このお薬は、ステロイドの塗り薬です。皮膚から吸収されたステロイドが関節に移行し抗炎症作用を発揮します。そして、腫れや痛みの自覚症状がやわらぎます。ただし、症状をとる対症療法薬ですので、病気の原因そのものを治すことはできません。

- 【薬理】

- 副腎から分泌される代表的なホルモンにコルチゾルがあります。コルチゾルは、糖や脂肪の代謝系に働いたり、体液の維持、免疫系の調整など大事な役目をしています。病院では、このコルチゾルの仲間を習慣的に「ステロイド」とか「副腎皮質ホルモン」と呼んでいます。
実際の治療には、抗炎症作用を強めた合成のステロイド外用薬が使われています。患部に直接作用するので、飲み薬のような全身性の副作用がほとんどないのが利点です。
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特徴 | 関節リウマチの治療薬として開発された経皮吸収タイプのステロイド薬です。一般的なステロイド外用薬とは異なり、湿疹などの皮膚症状には用いません。 |
注意 |

- 【診察で】

- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
 【注意する人】
- 患部に傷や感染症のある場合は用いません。
- 高齢の人は副作用がでやすいので、指、手、肘以外の広範囲にわたる大量使用を避けます。
- 妊娠中も長期にわたる大量使用を控えます。通常量の範囲で短期間でしたら問題ないでしょう。
 【使用にあたり】
- 指示された範囲内で正しく使用してください。
- 効果がみられないときは、医師と相談してください。
- 治療期間は、原則3カ月間です。
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効能 |
関節リウマチによる指、手、肘関節の腫脹・疼痛の緩解 |
用法 |

- 【用法】

- 通常、1日数回適量を患部に塗布する。
 【注意】
- 指、手、肘以外の広範囲にわたる使用、1日塗布量として20gを超える大量使用を避けること。また、漫然とした長期使用は避け、使用が長期にわたる場合は皮膚症状に十分注意すること。
- 腫脹・疼痛が再発し、本剤を再使用する場合には皮膚萎縮等、副作用の発現に注意すること。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
外用薬ですので、副作用の心配はそれほどありません。もしも、症状がよくならないときや、かえって悪化するときは早めに受診してください。
長く続けていると、ステロイド特有の皮膚症状がでてくるおそれがあります。皮膚の赤みや萎縮、シワ、多毛などです。細菌や真菌(カビ)などによる新たな感染症にも注意が必要です。
飲み薬のような全身性の副作用はまずありませんが、長期にわたり大量に用いている場合など、まったくないとはいえません。まれなケースですが、ステロイド外用薬の長期使用による緑内障や白内障の発症例も報告されています。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 目の重い症状(緑内障、白内障など)..見えにくい、かすんで見える、まぶしい、視力低下、目の痛み、頭痛、吐き気。
 【その他】
- 過敏症..発疹、発赤、かゆみ、刺激感。
- ステロイド皮膚症..皮膚が白くなる、萎縮し薄くなる、てかてか光る、しわ、潮紅、毛細血管拡張、乾燥肌、酒さ様皮膚炎(赤ら顔)、紫斑、ニキビ、多毛。
- 皮膚感染症の誘発・悪化..発赤、かゆみ、痛み、腫れ物、できもの、水ぶくれ、じゅくじゅく、黄色いかさぶた、赤黒いかさぶた。
- 長期大量使用で副腎の働きが弱くなる。
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