おくすり110番
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成分(一般名) エスフルルビプロフェン・ハッカ油
製品例 ロコアテープ ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 鎮痛,鎮痒,収れん,消炎剤/鎮痛消炎剤(整形領域)/経皮吸収型鎮痛消炎剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 痛みをとる貼り薬です。変形性関節症に用います。
作用

【働き】

変形性関節症は、関節軟骨の変性や磨耗により関節の働きが悪くなる病気です。膝関節をはじめ股関節、手指関節、脊椎あるいは腰椎などにあらわれ、3割くらいの人は疼痛をともないます。このお薬は、関節の痛みに有効な貼り薬です。鎮痛成分が皮膚から患部に浸透し腫れや痛みをやわらげます。ただし、対症療法薬ですので病気の原因そのものは治せません。

【薬理】

有効成分は消炎・鎮痛作用をもつエスフルルビプロフェンです。炎症を引き起こすプロスタグランジン(PG)の生合成にかかわるシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の働きを阻害する作用があります。結果として、プロスタグランジンの産生が抑制され、炎症がしずまり痛みがやわらぐのです。専門的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs : Non-Steroidal Anti-Inflammatoty Drugs)と呼ばれています。

【臨床試験】

この薬の有効性と安全性を検証するため、プラセボ(にせ薬)との比較試験がおこなわれています。膝の変形性関節症を対象に、134人はこの薬を、別の126人はプラセボを使用し、2週間貼付後の治療効果を比べるのです。プラセボは鎮痛成分を含まない基剤だけの‘にせ薬’です。効果の判定は、椅子から立ち上がる時の膝の痛みを患者さん自身が評価する疼痛強度VAS値(mm)でおこないます。VASは痛みを測る‘ものさし’のようなものです。具体的には、100mmの直線上でまったく痛みのない状態を0mm、最大の痛みを100mmとし、現在の痛みが直線上のどこにあるかを患者さんに示してもらうことで痛みの強さを数値化するのです。ちなみに患者さんの使用前のVAS値の平均はおおよそ57mmでした。

その結果、この薬を使用後の疼痛強度(VAS)の下げ幅は平均で35.5mm(57.0→21.5)、プラセボでは30.1mm(58.4→28.4)でした。この薬のほうが下げ幅が明らかに大きく、変形性膝関節症に対する有効性が確かめられたわけです。また、別の試験になりますが、既存のフルルビプロフェン貼付剤のステイバンパップとの比較では、この薬で平均41.0mm(59.5→18.5)、ステイバンで30.5mm(59.3→28.8)低下しました。さらに、これら2つの試験で副次的に調べられた歩行時の膝の痛みや医師の評価による全般改善度についてもプラセボを上回る傾向が示されました。安全性については、特段の問題はないものの、プラセボまたはフルルビプロフェン貼付剤に比べ、胃腸障害と貼付部位皮膚障害の発現率がやや高くなる傾向がみられました。
特徴
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のエスフルルビプロフェンを主成分とする経皮吸収型鎮痛消炎剤です。鎮痛作用をもつエスフルルビプロフェンが皮膚から関節内に入り鎮痛作用を発揮します。伸縮性のあるテープ剤で、関節など可動部や有毛部に連続貼付することができます。
  • エスフルルビプロフェンは、以前から飲み薬や貼り薬として使用されているフルルビプロフェン(ラセミ体)の活性本体(光学異性体:S体)です。消炎・鎮痛作用が強いうえ、経皮吸収性に優れ、また光毒性がみられないという特性から、新たな貼付剤として開発されました。体内からの消失が比較的早く、副作用発現時には剥がすことで速やかな回復が期待できるのもメリットです。
  • 経皮吸収性と組織移行性の向上により、有効成分が関節に届きやすくなっています。高い治療効果を特徴とし、既存の貼り薬とは一線を画します。ただし、患部を経て全身に回る薬の量は2枚貼付時で飲み薬と同程度と考えられています。従って、使用のさいは用量や副作用をふくめ飲み薬と同様の注意が必要です。
注意
【診察で】
  • 胃腸が悪いなど持病のある人は医師に伝えてください。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
  • アレルギーのある人も医師に伝えておきましょう。
  • 飲み合わせの悪い薬があります。市販薬をふくめ使用中の薬を必ず医師に報告してください。
  • 妊娠中またはその可能性のある人は申し出てください。

【注意する人】

鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことのある人(アスピリン喘息の人)は使用できません。胃潰瘍など消化性潰瘍のある人も基本的には避けます(特別な胃薬と併用して用いることがあります)。また、血小板減少などで出血が心配な場合も控えるようにします。そのほか、肝臓病、腎臓病、心臓病、高血圧、喘息などの人も病状により使用できない場合があります。副作用のでやすい高齢の人も慎重に用いるようにます。

  • 適さないケース..アスピリン喘息、消化性潰瘍のある人、血小板減少症など重い血液の病気、重い肝臓病、重い腎臓病、重い心臓病(心不全)、重い高血圧症の人、妊娠後期の人など。
  • 注意が必要なケース..喘息、消化性潰瘍の既往歴のある人、血小板減少など血液に異常のある人、肝臓病、腎臓病、高血圧症、心臓病などのある人またはそれらの既往歴のある人、潰瘍性大腸炎やクローン病のある人、インフルエンザやデング熱などウイルス性感染症にかかっている人、妊娠中、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 原則的にキノロン系抗菌薬との併用は避けます。なかでもロメフロキサシン(ロメバクト、バレオン)とノルフロキサシン(バクシダール)それとプルリフロキサシン(スオード)は禁止です。これらと併用することにより、けいれんを起こしやすくなるためです。
  • 皮膚から吸収された鎮痛成分が全身を巡ります。このため、飲み薬や坐薬など全身に作用する他の鎮痛薬との併用はできるだけ避ける必要があります。やむを得ず併用する場合には、過量にならないよう必要最小限にとどめます。
  • そのほか、抗凝血薬のワルファリン、抗リウマチ薬のメトトレキサート(リウマトレックス)、気分安定薬のリチウム(リーマス)、抗真菌薬のフルコナゾール(ジフルカン)、さらに利尿薬など多くの薬と相互作用を起こす可能性があります。市販薬もふくめ、他の薬との飲み合わせには注意が必要です。使用中の薬を忘れずに医師に報告しておきましょう。
  • 飲酒は控えめにしてください。多量のアルコールは胃や肝臓の副作用をでやすくします。

【使用にあたり】
  • 1日1回患部に貼ってください。同時に使用できるのは最大で2枚までです(1日に2枚を超えて使用できません)。
  • 詳しい貼り方は袋の説明にありますから、それにならってください。注意事項もよく読んでおきましょう。傷口や粘膜、湿疹や発疹のある部位は避けます。はがすときは、皮膚が傷つかないように、ゆっくりと慎重にはがしてください。
  • 貼り忘れた場合は、気がついたときにすぐに貼ってください。ただし、翌日に気付き、次に使用する時間が近い場合には、忘れた分は抜かし当日の分だけ通常どおりに使用してください。2回分を一度に使用したり、1日に2枚を超えて使用てはいけません。
  • 貼り薬だからと、軽い気持ちで他人にあげたり代用してはいけません。

【妊娠授乳】

妊娠中はできるだけ控えます。治療上の必要性が高い場合は、医師の判断により必要最小限の範囲で使用可能です。ただし、妊娠後期は使用できません。
効能 変形性関節症における鎮痛・消炎
用法 1日1回、患部に貼付する。同時に2枚を超えて貼付しないこと。
  • [注意]本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 貼り付けた皮膚が赤くなったり、かゆくなることがあります。皮膚に異常がみられたら、継続の可否をふくめ医師とよく相談してください。全身性の副作用は少ないのですが、人によっては胃腸の調子が悪くなることがあります。長期使用時は胃潰瘍や胃腸出血にも念のため注意が必要です。喘息のある人は、発作の誘発にも注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 喘息発作の誘発..咳き込む、ぜいぜい息をする、息をするときヒューヒュー音がする、息切れ、呼吸しにくい。
  • 意識障害、けいれん..混乱・もうろう状態、異常行動、取り乱す、意識低下、筋肉のぴくつき、全身けいれん(ふるえ、白目、硬直)。

【その他】
  • 使用部位の発赤、発疹、かゆみ、刺激感
  • 腹部不快感、吐き気、腹痛、胃炎、下痢
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye