概説 |
真菌を殺菌する塗り薬です。白癬(水虫)やカンジダ症の治療に用います。 |
作用 | カビの仲間を専門的に「真菌」といいます。水虫は、真菌による代表的な皮膚病です。この種の真菌をとくに白癬菌(皮膚糸状菌)と呼び、水虫のことを足白癬といいます。水虫のほか、体部白癬(ぜにたむし)、陰股部白癬(いんきんたむし)、頭部白癬(しらくも)、カンジダ症なども真菌による皮膚病です。
このお薬は、そのような真菌に効く「抗真菌薬」です。真菌の細胞膜をこわすことで殺菌的に作用します。真菌が死滅すれば、皮膚の発赤やかゆみもなくなります。 |
特徴 | イミダゾール系の抗真菌薬です。この系統は効き目がよいので、皮膚真菌症の治療に広く使われています。白癬やカンジダのほか、癜風にも効果があります。刺激痛などの副作用も比較的少ないです。 |
注意 |
 【診察で】
- 水虫の薬でカブレを起こしたことのある人は、医師に話してください。
- 市販の水虫薬を使用していた場合は、そのことを伝えておきましょう。検査で菌が見つけにくいことがあります。

- 【注意する人】

- ただれのひどい患部や、傷のある部分への使用は控えます。とくに「ゲル剤」は刺激痛を生じやすいので注意が必要です。
 【使用にあたり】
- 指示された期間、根気よく続けることが大切です。菌を完全に死滅させるためです。足の裏など角質層が厚い部分では半年から1年以上続けないと完治しないことがあります。
- よく擦り込むようにしてください。皮膚に十分浸透させるようにします。
- 広めに塗るようにしましょう。患部の周囲にも菌がついています。
- 誤って、目に入らないように注意してください。
- 治療開始後2〜3週間しても症状が改善しない場合は、医師に相談してみましょう。

- 【食生活】

- 患部をよく洗い、そして乾燥に努めることです。靴下、バスマット、トイレのスリッパなども感染源になりやすいので、こまめに洗濯し清潔にしておきましょう。
 【備考】
- 水虫の治療の第一のポイントは「根気よく続ける」こと。第二は「広めに塗る」ことです。皮膚の奥に隠れている菌を完全に死滅させるためです。
- 水虫薬には、軟膏、クリーム、液剤などいろいろな製剤があります。これらは、症状や部位によって使い分けられます。一般的に、じゅくじゅく湿潤している患部には、軟膏もしくはクリームが無難です。液剤は浸透力が強く効果もよいのですが、刺激が強いのが欠点です。皮膚が厚く角質化している部分には、液剤が適します。
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効能 |
下記の皮膚真菌症の治療
- 白癬:足部白癬(汗疱状白癬)、手部白癬(汗疱状白癬)、体部白癬(斑状小水疱性白癬、頑癬)、股部白癬(頑癬)
- カンジダ症:指間びらん症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎
- 癜風
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用法 |
通常、1日2〜3回患部に塗布する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
塗り薬ですので、副作用は少ないです。塗布時の軽い刺激感は心配いりません。ただ、人によってはカブレを起こすことがあります。かえって赤みやカユミがひどくなる場合は早めに受診してください。
- 刺激感(しみる、ヒリヒリする、熱感)
- 発赤、紅斑、かゆみ、かぶれ(接触皮膚炎)
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