概説 |
傷の治りをよくするお薬です。褥瘡(床ずれ)や皮膚潰瘍の治療に用います。 |
作用 | 患部の血流を改善する作用があります。また、壊死した皮膚をおおう新しい肉芽や表皮ができるのを助け、血管の新生を促進させます。これらの作用により、皮膚の再生が早くなり、傷の治りがよくなります。褥瘡のほか、ヤケドや糖尿病による皮膚の傷口(潰瘍面)に用います。 |
特徴 |
- 親油性のプラスチベース基剤なので、乾燥化や刺激が少ないです。
- 褥瘡では、肉芽組織や表皮が形成される赤色期〜白色期に使われます。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。

- 【注意する人】

- 体内に微量が吸収され、全身的な影響をおよぼす可能性があります。そのため、心臓の悪い人や、出血のみられる人は使用できないことがあります。妊娠中は避けます。
- 適さないケース..重い心不全、出血、妊娠中。
- 注意が必要なケース..心臓病、重症糖尿病、出血傾向、胃潰瘍、緑内障、眼圧亢進のある人など。
 【使用にあたり】
- 症状により使用方法が違います。指示どおりに正しく使用してください。病院で処置されることも多いです。
- 患部を洗浄し清潔にしてから、使用するのが基本です。

- 【食生活】

- 褥瘡においては、患部の圧迫要因を取り除くことが大切。「床ずれ」の予防には、こまめな体位変換が欠かせません。また、皮膚を清潔に保つこと、栄養状態をよくして抵抗力を高めておくなど、総合的なケアが必要です。
 【備考】
- 褥瘡は、皮膚に何らかの圧力が加わり、血流が悪くなることで生じます。その代表が「床ずれ」です。体の弱っている寝たきりの人で、長期間体位の変換ができずにいると、必ず「床ずれ」ができます。できる場所は、骨の張っているお尻などです。皮膚の組織が死んでしまうので、いろいろな細菌にも感染しやすいです。ケアが不適切ですと、傷口(潰瘍)が深くなり重症化することもあります。
- 重い褥瘡が治っていく段階は、その色で分けられます。黒色期→黄色期→赤色期→白色期という段階です。はじめの黒色期は黒色の死んだ組織が付着している状態、次の黄色期はその黒色壊死組織が取り除かれた状態です。赤色期は、赤い肉(肉芽)が生じてくる時期で、この段階になれば感染は起こりにくくなります。さらに肉芽が盛り上がり、表皮が生じてくる時期が白色期です。それぞれの病期にもっとも適した治療薬を選ぶことが重要です。
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効能 |
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)。 |
用法 |
症状および病巣の大きさに応じて適量を使用する。潰瘍周囲から潰瘍部にかけて消毒・清拭した後、1日2回、適量をガーゼなどにのばしてこれを潰瘍部に貼付するか、潰瘍部に直接塗布し、ガーゼなどで保護する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
塗り薬ですので、副作用は少ないです。塗布時の刺激感や軽い痛みは、ある程度しかたありません。もしも、赤みやカユミがひどくなるようでしたら、早めに受診してください。
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