おくすり110番
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成分(一般名) アダパレン・過酸化ベンゾイル
製品例 エピデュオゲル ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の外皮用剤/配合剤/尋常性ざ瘡治療剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 尋常性ざ瘡(ニキビ)を治療する塗り薬です。
作用

【働き】

尋常性ざ瘡は いわゆるニキビのことです。ホルモンバランスの変化による皮脂の過剰分泌が原因のひとつとされ、毛包内の皮脂貯留と角化異常を特徴とします。さらに、アクネ菌やブドウ球菌などの細菌類が増殖すると、赤みや腫れがいっそうひどくなり炎症性皮疹(赤ニキビ)へと悪化します。

このお薬には2種類の有効成分が配合されています。一つは皮膚の角化を抑制するレチノイド様物質のアダパレン、もう一つは殺菌作用と角質剥離作用をあわせ持つ過酸化ベンゾイルです。両方の作用が補いあい、非炎症性皮疹(白ニキビ、黒ニキビ)ができにくくなり、また炎症性皮疹(赤ニキビ)への進展がおさえらます。結果としてニキビが減少するのです。

【臨床試験】

この薬の配合剤(アダパレン+過酸化ベンゾイル)としての有効性を確かめる臨床試験がおこなわれています。参加したのは尋常性ざ瘡の患者さん417人です。そして、クジ引きで3つのグループに分かれ、212人は配合剤であるこの薬を、別の101人はアダパレン単剤を、残りの104人は過酸化ベンゾイル単剤を使用し、3カ月後の総皮疹数(個)の減少率を比べます。各単剤よりも減少率が大きければ、配合剤としての有効性が証明されるわけです。

その結果、この薬を使用していた人達の減少率は平均で82.7%(60→10個)、アダパレン単剤で68.6%(62→21個)、過酸化ベンゾイル単剤の人達で81.6%(59→11個)でした。残念ながら、アダパレンに対しては差がでたものの、過酸化ベンゾイルとは同様の減少率となり有意差は認められませんでした。理由として、重症例が少なかったため過酸化ベンゾイル単剤の減少率が想定外に高くなったためと推測されています。試験の主目的は達成されませんでしたが、皮疹数の減少率は82.7%と十分高く、また別の海外試験で各単剤に対する優越性が示されていることなどから、配合剤としての一定の有用性はあると結論されました。
特徴
  • 尋常性ざ瘡を効能とする外用配合剤です。レチノイド様作用のアダパレン0.1%と、殺菌作用および角質剥離作用をもつ過酸化ベンゾイル2.5%の2成分を含有します。なお、単剤としては、それぞれディフェリンゲル、ベピオゲルとして発売済みです。
  • 単剤に比べ皮膚刺激の発現割合が高いです。このため、軽症例にはじめから使うのではなく、単剤では効果不十分な場合、あるいは炎症性皮疹(赤ニキビ)が多い中等度以上の尋常性ざ瘡に用いるようにします。すでにアダパレンと過酸化ベンゾイルの2剤を併用している場合は、この薬に変更することで利便性が向上します。
注意
【診察で】
  • アレルギーのある人は医師に報告してください。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある女性は、医師に伝えてください。妊娠中は使用できません。
  • 安易に漫然と使用することなく、そのときどきの症状に応じたきめ細かな指導を受けてください。

【注意する人】

妊娠中または妊娠している可能性のある女性は使用できません。

【使用にあたり】
  • 1日1回、夕方から就寝前に使用してください。まず洗顔し、水分をふき取ったあと、患部に適量を塗ってください。
  • 切り傷、すり傷、湿疹のある部位に塗ってはいけません。また、目、口唇、鼻翼を避け、粘膜に付着しないようにしましょう。万一、目に入ってしまったら、すぐに水で洗い流してください。なお、適用となるのは顔面の尋常性ざ瘡です。顔面以外のざ瘡には原則用いません。
  • とくに塗りはじめに、皮膚の刺激感や紅斑、かゆみなど不快な皮膚症状があらわれやすいです。続けているうちに徐々に軽減、消失することが多いですが、症状が強く広範におよぶ場合は早めに受診し医師と相談してください。
  • 使用期間は医師の判断によるところです。漫然と続けることなく、症状がよくなったら使用中止を考慮するようにします。また、3ヵ月間使用しても効果がない場合は、中止することになっています。
  • 自分だけで使ってください。家族や友人にニキビがあるからと、使い回したり、他人にあげてはいけません。

【妊娠授乳】

妊娠中は使用できません。治療中に妊娠した場合、あるいは妊娠が予想される場合は、医師に知らせてください。

【食生活】
  • できるだけ塗布部位を日光に当てないでください。日焼けランプや紫外線療法もよくありません。紫外線の影響で皮膚が過敏になりやすいからです。
  • 髪や衣類に付かないようにしましょう。漂白作用により退色するおそれがあります。
  • 洗顔には角質を除去して皮脂を洗い流すという大切な意味があります。朝と入浴時の2回、石鹸を使ってお湯で丁寧に洗顔するとよいでしょう。蒸しタオルを顔にあて毛穴を開いてから洗顔するのもよい方法です。
  • 物理的な刺激や圧迫はニキビを悪化させます。患部にむやみに触ったり、髪の毛の刺激もよくありません。頬にニキビがある人は、頬づえをやめたほうがいいです。
  • お化粧はニキビを刺激しますし、皮脂を閉じこめてしまいます。できるだけ控えるようにします。必要な場合は、パウダータイプなど影響の少ないものを使うとよいでしよう。夜になったら、メイクや日焼け止めクリームはきちんと落としてください。
  • 夜ふかし、便秘、ストレス、疲れ、食事の不規則などもニキビによくありません。規則正しい食生活を心がけましょう。

【備考】

ニキビは病気というより、ひとつの生理現象といえるかもしれません。軽いものが数個程度でしたら、洗顔を中心としたセルフケアで対処可能です。けれど、人によっては大きく赤く腫れたニキビがたくさんできて、あばた状の跡を残してしまうことがあります。このような場合は、この薬をふくめニキビ専用の外用剤による治療がお勧めです。
効能 尋常性ざ瘡
用法 1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 使用部位の軽い刺激感はそれほど心配ないと思います。多くは軽度で一時的ですので、そのまま継続可能です。強い刺激感とともに、赤みや腫れがひどくなり顔全体に広がるようでしたら、早めに受診してください。

  • 皮膚刺激、ヒリヒリ感、疼痛、かゆみ
  • 紅斑、腫れ、皮膚乾燥、皮膚の剥がれ
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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