概説 |
ビタミンB1を補給するお薬です。 |
作用 | ビタミンB1は、糖分のエネルギー変換や、神経の働きにかかわっています。また、アルコールの分解にも必要です。その欠乏症として、脚気(かっけ)がよく知られています。
このお薬の有効成分は、ビタミンB1です。栄養補給の目的で使用したり、神経痛や筋肉痛、関節痛、さらに腰痛や肩こりの治療に用いることがあります。お酒をたくさん飲む人にも向いています。
ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、尿から容易に排泄されます。強い作用があるとはいえませんが、副作用の心配はありません。 |
特徴 | フルスルチアミンというビタミンB1誘導体です。ふつうのビタミンB1より、消化管からの吸収がよく、効率よく作用します。 |
注意 |
- 【使用にあたり】
- 症状により服用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
【食生活】
- 普通に食事をとっている健康な人では、ビタミンが欠乏することはありません。栄養剤としてビタミンの補給が必要なのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人などです。妊娠中の女性や、ひどい肉体疲労時などにも用いますが、十分に食事がとれていれば、必ずしも必要ではありません。
- 無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。
- ビタミンB1を多く含む食品には、肉類、魚、牛乳、卵、豆類(とうふ)、麦、米(胚を含むもの)などがあります。
- 【備考】
- かつての栄養状態の悪い時代、ビタミンB1の欠乏から起こる脚気(かっけ)は、たいへん多い病気でした。倦怠感、動悸、手足のしびれ、むくみ、さらに胃腸や心臓など内臓の働きが悪くなる病気です。このような脚気症状に、ビタミンB1は特効薬になります。最近は本格的な脚気は少ないものの、偏食やダイエットなどで脚気一歩手前という人が少なくないようです。
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効能 |
- ビタミンB1欠乏症の予防及び治療。
- ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦、激しい肉体労働時等)。
- ウェルニッケ脳炎。
- 脚気衝心。
- 次の疾患のうち、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合(ただし、効果がないのに月余にわたって漫然と使用しないこと)//神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、便秘等の胃腸運動機能障害、術後腸管麻痺。
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用法 |
フルスルチアミンとして通常、成人は1日5〜100mgを経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。あっても、吐き気や胸やけ、軽い下痢くらいです。水溶性のビタミンなので、とりすぎてもすぐに排泄され、体にたまることもありません。
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