概説 |
葉酸を補うお薬です。 |
作用 | 葉酸は、ビタミンBの仲間です。細胞の発育や機能を正常にたもつのに必要です。とくに、ビタミンB12とともに、血液をつくるのに欠かせません。欠乏すると、巨赤芽球性貧血という特殊な貧血を起こします。
ふつうに食事がとれれば、葉酸が不足することはありません。けれど、胃腸の手術後や、重い肝臓病のある人、あるいは激しい下痢が続いたりすると不足してきます。また、アルコールをたくさん飲む人や、妊娠中の女性は多めの葉酸が必要です。そのようなときに、このお薬で葉酸を補うようにします。
そのほか、抗けいれん薬(フェニトイン)服用時の葉酸不足に用いたり、抗リウマチ薬(メソトレキセート)の副作用予防薬として少量を併用することがあります。 |
注意 |

- 【使用にあたり】

- 症状により服用量が違います。指示どおりに正しくお飲みください。
 【食生活】
- 普通に食事をとっている健康な人では、ビタミンが欠乏することはありません。栄養剤としてビタミンの補給が必要なのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人などです。妊娠中の女性や、ひどい疲労時などにも用いますが、十分に食事がとれていれば、必ずしも必要ではありません。
- 無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。
- 葉酸は、葉っぱにたくさん含まれます。ほうれん草などの緑色野菜のほか、果物や卵などにも含まれます。

- 【妊娠・授乳】

- 妊娠を予定している人は、妊娠の1カ月くらい前から妊娠初期の3カ月間くらいまで、十分な葉酸をとることが勧められています。アメリカでは、穀物類に葉酸の添加が義務化されています。葉酸添加が義務化された1999年には、生まれつき障害のある赤ちゃんが、以前より19%減少したそうです。ふだんから、バランスのよい食事を十分にとるようにしましょう。
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効能 |
- 葉酸欠乏症の予防及び治療。
- 葉酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)。
- 吸収不全症候群(スプルー等)。
- 悪性貧血の補助療法。
- 次の疾患のうち、葉酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合(ただし、効果がないのに月余にわたって漫然と使用しないこと)//栄養性貧血、妊娠性貧血、小児貧血、抗けいれん剤、抗マラリア剤投与に起因する貧血。
- アルコール中毒及び肝疾患に関連する大赤血球性貧血。
- 再生不良性貧血。
- 顆粒球減少症。
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用法 |
葉酸として、通常成人1日5〜20mg(錠の場合1〜4錠、散の場合0.05〜0.2g)、小児1日5〜10mg(錠の場合1〜2錠、散の場合0.05〜0.1g)を2〜3回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。一般に消化管に吸収障害のある場合、あるいは症状が重篤な場合は注射を行う方がよい。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。水溶性ビタミンなので、とりすぎてもすぐに排泄され、体にたまることもありません。
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