概説 |
ビタミンB12の系統のお薬です。手足のしびれや神経痛に用います。 |
作用 | ビタミンB12は、細胞の発育や機能を正常にたもつのに必要です。とくに、血液をつくるのに欠かせませんし、神経の働きにも重要な役目をしています。不足すると、貧血を起こしたり、末梢神経の働きが悪くなり手足がしびれたりします。
このお薬の有効成分メコバラミンはビタミンB12の部類です。手足のしびれや痛みをともなう末梢性神経障害の治療に広く用いられています。整形外科領域のほか、糖尿病で神経が傷んでいるときや、帯状疱疹にともなう神経痛などに処方されることが多いです。
ほかにも、各診療科でいろいろな病気に応用されます。味覚障害、臭覚障害、耳鳴り、難聴、めまい、眼疾患、物忘れなどで神経障害が疑われる場合です。昔からの薬で強い作用があるとはいえませんが、副作用の心配はありません。 |
特徴 | 補酵素型のビタミンB12です。ふつうのビタミンB12に比べ、末梢性神経障害に対する有効性が高いです。安全で副作用がないため、気軽に服用できます。ただし、強い薬理作用があるわけではなく、期待ほどの効果がでないこともあります。 |
注意 |
【使用にあたり】
- 症状により服用量が違います。指示どおりに正しくお飲みください。
- 光が当たると含量が低下します。暗いところで湿気を避けて保存してください。
【食生活】
- 普通に食事をとっている健康な人では、ビタミンが欠乏することはありません。栄養剤としてビタミンの補給が必要なのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人などです。妊娠中の女性や、ひどい疲労時などにも用いますが、十分に食事がとれていれば、必ずしも必要ではありません。
- 無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。
- ビタミンB12を多く含む食品には、乳製品、レバー、肉、魚貝類、卵(黄身)などがあります。
- 【備考】
- 手足のしびれ症状には、たいていメコバラミン(この薬)が処方されます。しびれには、いろいろな原因があります。たとえば、骨の変形で神経が圧迫されたり、筋肉の酷使、血行障害、脳の病気、糖尿病、薬物性・・ビタミンB12の不足と直接関係のないこれらの症状に必ずしもよい効果があるとは限りません。しばらく飲み続けても少しもよくならない場合は、医師とよく相談されるとよいでしょう。しびれの原因そのものに目を向けることが大切です。
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効能 |
- 【適用】
- 末梢性神経障害
- 【応用】
- 医師の判断で、別の病気に応用されるかもしれません(味覚障害、臭覚障害、めまい、ふらつき、耳鳴り、難聴、帯状疱疹、腰痛、筋肉痛、肩こり、関節痛、眼疾患、乏精子症、概日リズム障害による睡眠障害、記憶・認知障害、筋萎縮性側索硬化症、その他)
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用法 |
通常、成人はメコバラミンとして1日1,500μgを3回に分けて経口服用する。ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。あっても、胃の不快感や吐き気くらいです。水溶性ビタミンなので、とりすぎてもすぐに排泄され、体にたまることもありません。
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