概説 |
ビタミンCを補給するお薬です。 |
作用 | ビタミンCは、皮膚や腱、骨や血管にある繊維成分(コラーゲン)の生成にかかわっています。また、シミの原因のメラニン色素をおさえたり、体の抵抗力を高める効果も期待できます。いわゆる抗酸化ビタミンとしても知られています。今は少ないですが、その欠乏症に壊血病があります。
このお薬の有効成分は、ビタミンCです。栄養補給の目的で使用するほか、ビタミンCの不足から生じる毛細血管の出血や、シミの治療などに用います。また、貧血の薬の鉄剤の吸収をよくするのに、いっしょに飲むことがあります。
ビタミンCは水溶性ビタミンなので、尿から容易に排泄されます。強い作用があるとはいえませんが、副作用の心配はありません。 |
注意 |
- 【使用にあたり】
- 症状により服用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。
- 【その他】
- ビタミンCをたくさんとると、尿糖検査や、尿・便潜血反応に影響します。正しい検査結果がでないことがありますから注意してください。
【食生活】
- 普通に食事をとっている健康な人では、ビタミンが欠乏することはありません。栄養剤としてビタミンの補給が必要なのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人などです。妊娠中の女性や、ひどい肉体疲労時などにも用いますが、十分に食事がとれていれば、必ずしも必要ではありません。
- 無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。
- ビタミンCを多く含む食品は、ミカン・レモンなど柑橘類、キウイ・いちご・メロンなど果物、野菜類などです。
【備考】
- 栄養状態が非常に悪い時代、ビタミンCの欠乏症「壊血病」はわりと普通の病気でした。毛細血管が弱くなって皮下出血が起こりやすくなり、青あざができたり、歯ぐきが腫れ出血したりします。さらに、病気やけがに対する抵抗力が弱くなります。ビタミンCは、このような壊血病には特効薬になります。けれど、近年、重い壊血病はめったにありません。壊血病などビタミンC欠乏症以外の目的でこの薬を飲んでも、実際どの程度の効果があるのかよく分かっていません。
- 医師の判断で、ビタミンC欠乏症とは関係なく、カゼやアレルギー、あるいは動脈硬化やガンなどに処方されることがあるかもしれません。これらには、多少の効果は期待できても、有効性の裏付けが十分とはいえません。
- カゼとビタミンCに関する30ほどの臨床研究をまとめた報告があります(Vitamin C for the common cold)。これによると、ふだんからビタミンCを飲んでいてもカゼの予防にはならないということです。ただ、ばらつきがあるものの、カゼのひき始めに1g以上の大量のビタミンCをとると、平均0.5日ほど早く治る可能性があるとしています。
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効能 |
- ビタミンC欠乏症の予防及び治療(壊血病、メルレル・バロー病)。
- ビタミンCの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、激しい肉体労働時等)。
- 次の疾患のうち、ビタミンCの欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合(ただし、効果がないのに月余にわたって漫然と使用しないこと)//(1)毛細管出血(鼻出血、歯肉出血、血尿等)。(2)薬物中毒。(3)副腎皮質機能障害。(4)骨折時の骨基質形成・骨癒合促進。(5)肝斑・雀卵斑・炎症後の色素沈着。(6)光線過敏性皮膚炎。
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用法 |
アスコルビン酸として、通常成人1日50〜2000mgを1〜数回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。あっても、胃の不快感や吐き気、軽い下痢くらいです。水溶性のビタミンなので、とりすぎてもすぐに排泄され、体にたまることもありません。
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