概説 |
ビタミンEを補給するお薬です。おもに、血行をよくするのに用います。 |
作用 | ビタミンEは、いろいろな働きをするビタミンです。いわゆる抗酸化ビタミンとしても知られ、脂肪の代謝、細胞膜の安定化、生殖や甲状腺などの機能にかかわっています。そのほか、有用な作用として、血行をよくする働きがあります。
このお薬の有効成分は、ビタミンEです。栄養補給の目的で使用するほか、手足の冷えやしもやけ、動脈硬化症などに有効です。さらに、肩こり、生理不順、場合によっては不妊症の治療に補助的に使われるかもしれません。強力な作用があるとはいえませんが、副作用の心配はまずありません。 |
注意 |
【使用にあたり】
- 症状により服用量が違います。指示どおりに正しくお飲みください。
- 脂溶性ビタミンですので、とりすぎもいけません。
【食生活】
- 普通に食事をとっている健康な人では、ビタミンが欠乏することはありません。栄養剤としてビタミンの補給が必要なのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人などです。
- 無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。
- ビタミンEを多く含む食品には、植物油、卵、レバー、麦、玄米などがあります。
【備考】
- ビタミンEが不足することはほとんどありません。人での欠乏症についてもよく分かっていません。無β‐リポタンパク血症という病気や、肝臓病などでビタミンEの吸収障害があると、運動失調、筋力低下などを生じることがあり、これがビタミンE欠乏症の一つではないかと推測されています。
- ビタミンEのアルツハイマー病に対する効果が注目されていますが、確立された治療法ではありません。有効性を示す臨床研究が報告される一方、長期的な治療効果に関しては否定的な報告もあります。
|
効能 |
- ビタミンE欠乏症の予防及び治療。
- 末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)(効果がないのに月余にわたって漫然と使用しないこと)。
- 過酸化脂質の増加防止(効果がないのに月余にわたって漫然と使用しないこと)。
|
用法 |
通常、成人はコハク酸トコフェロールとして1回50〜100mgを、1日2〜3回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
副作用はまずありません。あっても、胃の不快感くらいです。ただ、脂溶性ビタミンですので、極端に多い量を長期に飲み続けると、体内に蓄積され、いろいろな中毒症状がでるおそれがあります。ビタミン剤だからと油断せず、決められた用量を守ることが大切です。
|