概説 |
カルシウムを補給するお薬です。 |
作用 | カルシウムは、丈夫な骨や歯をつくるのに欠かせません。また、筋肉や神経の調整役もしています。カルシウムが不足すると、骨がもろくなったり、筋肉がつるなどのテタニーを起こしやすくなります。
このお薬はカルシウム薬です。一般的には、カルシウムの需要が増える妊娠中や発育期などに用いられます。また、低カルシウム血症における補充療法としても有用で、たとえば甲状腺手術後 副甲状腺機能低下時の血中カルシウムコントロールに役立ちます。
そのほか、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療に使われることがあります。カルシウムを補給すれば、血液中のカルシウム量が増え、骨のカルシウム分が血液に溶け出すのが防げます。そして骨が丈夫になります。 |
特徴 | 骨をつくるカルシウムそのものを補給します。カルシウム摂取が不足がちな人に効果的です。ただし、治療的効果はあまり期待できません。骨粗鬆症や副甲状腺機能低下症などの病気に単独で用いることはなく、活性型ビタミンD製剤など他の治療薬と併用されます。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 市販薬も含め、服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 高カルシウム血症、腎結石、重い腎臓病のある人は服用を控えます。カルシウムをとり過ぎると、その病状が更に悪化するおそれがあるためです。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 前立腺がんの薬のエストラムスチン(エストラサイト)との同時服用は避けてください。エストラムスチンの効果が減弱してしまいます。
- テトラサイクリン系抗生物質やキノロン系抗菌薬といっしょに飲むと、その抗菌薬の作用が落ちてしまうおそれがあります。2〜3時間服用間隔をあければ大丈夫です。
- 骨粗鬆症の薬のビタミンDと併用すると、血液のカルシウム分が増えすぎてしまうことがあります。併用する場合は、定期的に尿や血液中のカルシウムの値をチェックする必要があります。
- チアジド系の降圧利尿薬でも、血液のカルシウム分が増えてくることがあります。
- 強心薬(ジギタリス系)と併用するときは、血清カルシウム値に注意する必要があります。血液中のカルシウム分が増えてくると、強心作用が強くなり不整脈がでやすくなるためです。

- 【使用にあたり】

- 症状により服用量が異なります。指示どおりに正しくお飲みください。

- 【検査】

- 尿や血液中のカルシウム分が増えすぎていないか調べることがあります。

- 【食生活】

- カルシウムは不足しがちです。とくに成長期の子供や、妊娠中、授乳中の女性は、十分なカルシウムが必要です。カルシウム分の多い食事を心がけましょう。カルシウムは、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)や小魚などに多く含まれます。栄養は、薬やサプリメントに頼るのではなく、普通の食事からバランスよくとるのがなによりです。
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効能 |
- 低カルシウム血症に起因する次の症候の改善//テタニー。
- 次の代謝性骨疾患におけるカルシウム補給//妊婦・産婦の骨軟化症。
- 発育期におけるカルシウム補給。
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用法 |
乳酸カルシウムとして、通常成人1回1gを1日2〜5回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。あっても、胃の不快感や便秘くらいです。ただし、長く多めの量を飲み続けると、血液中のカルシウムが増えすぎたり、腎臓にカルシウムの石ができてしまうことがあります。とくに活性型ビタミンD製剤と併用しているときは要注意。長期服用時は、定期的に尿や血液中のカルシウム量を検査すれば安心です。
- 胃の不快感、食欲不振、吐き気、便秘
- 高カルシウム血症..だるい、脱力感、食欲不振、吐き気、吐く、口の渇き、腹痛、頭痛、めまい、いらいら感、かゆみ、筋力低下、筋肉痛。
- 腎結石、尿路結石..排尿時の痛み、下腹部・横腹・腰・背中の激しい痛み、尿の濁り、血尿。
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