概説 |
カリウムを補給するお薬です。 |
作用 | カリウムは体の主要な電解質です。細胞の機能や、体液のバランスをとるのに重要な役目をし、また臓器や筋肉の働きにもかかわっています。ふつう、不足しませんが、下痢や嘔吐が続くと減ってくることがあります。また、薬の副作用として「低カリウム血症」があらわれることがあります。カリウムが減ると、筋力の低下や便秘、場合によっては不整脈を起こします。
このお薬の有効成分はカリウムです。不足しているカリウム分を補うのに用います。ループ利尿薬(ラシックス等)やサイアザイド系降圧利尿薬(フルイトラン等)、あるいはジギタリス系の強心薬など 他の薬といっしょに飲むことが多いです。肝臓の薬のグリチルリチン製剤(強ミノ等)を大量に用いる場合にも、低カリウム血症の予防に処方されることがあります。 |
特徴 | 代表的なカリウム補給薬です。カリウムの含量が異なる2種類の錠剤と、1種類の細粒が販売されています。錠剤が大きいので、消化管に通過障害のある人や、飲み込みが弱っている人には細粒が向きます。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に報告してください。
- 飲み込みがうまくできない人は、そのことを伝えておきましょう。
- 市販薬も含め、服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 当然ですが、体のカリウム分が多すぎる「高カリウム血症」には使用禁止です。重い腎臓病や消化性潰瘍、アジソン病など副腎に病気のある人も病状によっては使用できません。
また、食道や胃腸に通過障害(狭窄、イレウス等)がある場合、処方を控えることがあります。薬が消化管に停滞し、その刺激で粘膜を傷つけるおそれがあるためです。飲み込みがうまくできない人も注意が必要です。
そのほか、腎臓の働きの悪い人、心臓病、脱水状態、重いやけどや外傷のある人、高齢の人などは、高カリウム血症の発現に注意しながら慎重に用いるようにします。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 薬の飲み合わせによっては、体のカリウム分が想定以上に増えてしまうことがあります。たとえば、抗アルドステロン薬(カリウム保持性降圧利尿薬)のエプレレノン(セララ)やスピロノラクトン(アルダクトン)、降圧薬のACE阻害薬やA2拮抗薬の部類、あるいは鎮痛薬などとの併用時です。併用するのなら、カリウム値を定期的にチェックし、高カリウム血症にならないように注意します。
- 飲み合わせの悪い薬..エプレレノン(セララ)
- 飲み合わせに注意..スピロノラクトン(アルダクトン)、ACE阻害薬、A2拮抗薬、β-遮断薬、消炎鎮痛薬(NSAID)、シクロスポリン(ネオーラル)、ジゴキシン(ジゴシン)、ドロスピレノン(ヤーズ)、トルバプタン(サムスカ)、抗コリン薬など
 【使用にあたり】
- 指示された服用量を守ってください。
- 食後すぐに飲むとよいでしょう。胃腸の負担が軽くてすみます。
- 錠剤をかみ砕いてはいけません。そのまま、多めの水で飲んでください。もし、のどに引っかかる感じがあれば、もう一度水で飲み込んでください。
- 必ず、体を起こして飲みましょう。寝たまま飲むと、薬が食道に停滞し、粘膜を荒らすおそれがあります。とくに、高齢の人は注意してくださてい。

- 【検査】

- 体内のカリウム分がちょどよいか、定期的に検査する必要があります。腎機能や心電図検査をおこなうこともあります。
|
効能 |
低カリウム状態時のカリウム補給。 |
用法 |

- 【グルコンサンK】

- 1回カリウム10mEq相当量を1日3〜4回経口服用。症状により適宜増減する。

- 【カリモザン】

- 通常、成人には本剤1回5g(カリウム15mEq相当量)を1日2回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
わりと多いのは、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などの胃腸症状です。重症化することはまずありませんが、別の類似薬では重い消化性潰瘍が報告されています。食後すぐにコップ1杯以上の十分な水で飲むことで、胃腸への刺激が軽減できると思います。
飲み薬では少ないのですが、「高カリウム血症」にも念のため注意が必要です。不整脈にもつながりますので油断できません。服用量が多いときや、腎臓の働きの落ちている人、また、ある種の薬と併用しているときなどに起こりやすいです。ただ、定期的に検査をしていれば、たいてい重くなる前に防げます。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 高カリウム血症..だるい、息切れ、脈の乱れ、手足のしびれ、不安感、取り乱す、けいれん。
- 心臓の伝導障害..胸が苦しい、脈がとぶ、脈が遅い(50/分以下)、めまい、ふらつき、失神。
 【その他】
|