概説 |
食事がとれないときに用いる総合栄養剤です。 |
作用 | 手術のあとなどで、普通の食事がとれないときに用いる総合栄養剤です。腸から直接吸収できるので、専門的に「経腸栄養剤」と呼ばれています。タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルなど体に必要な栄養分がバランスよく配合されています。
口から飲むこともありますが、飲めないときは鼻からチューブで注入します。胃や腸に開けた穴から直接注入することもあります。胃腸の手術や、大きな手術のあとに用いるほか、クローン病など腸の特殊な病気にも使われます。そのほか、大やけど、膵炎、難治性の下痢、ガンなどで栄養管理が困難な病気にも広く用いられています。 |
特徴 | 経腸栄養剤のうち「消化能栄養剤」に分類されます。窒素源(タンパク源)は、牛乳に由来するペプチドです。消化をほとんど必要とせず、そのまま腸から吸収されるので、便がほとんど残りません。 |
注意 |

- 【診察で】

- 外来で処方されましたら、調製方法や使用方法、注意点などについて、よく説明を受けておきましょう。

- 【注意する人】

- 重い肝臓病や腎臓病、腸閉塞、急性膵炎など、病状によっては使用できません。また、糖尿病を合併している人は、高血糖に注意します。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 抗凝血薬のワルファリンの作用を減弱させるおそれがあります。併用にさいし、あるいは併用を中止したときに、血液の固まり具合の検査を受けてください。
 【使用にあたり】
- 鼻やお腹に開けた穴から直接チューブで腸内に注入します(おもに入院時)。また、口から飲むこともあります。病状により使用方法が異なりますので、決められた用法用量にならってください。
- 使用直前にA液とB液を混合し、12時間以内に使い切るようにしてください。
- 経口の場合で、飲みにくいときは、医師か薬剤師に相談するとよいでしょう。
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効能 |
一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。 |
用法 |

- 【一般】

- 通常、A液200mLとB液200mLを用時混合し、成人標準量として1日1、200〜2,400mL(1,200〜2,400 kcal)を鼻腔チューブ、胃瘻又は腸瘻より胃、十二指腸又は空腸に1日12〜24時間かけて投与する。投与速度は75〜125mL/時間とする。経口摂取可能な場合は1回又は数回に分けて経口投与することもできる。
また、投与開始時は、通常1日当たり400mL(400kcal)を低速度(約50mL/時間)で投与し、臨床症状に注意しながら増量して3〜7日で標準投与量に達するようにする。なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。

- 【小児】

- 約0.4kcal/mLの濃度より投与を開始し、臨床症状を注意深く観察しながら、徐々に濃度を上昇させること。なお、標準濃度は0.7〜0.8kcal/mLとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
わりと多いのは下痢です。お腹が張ったり、吐き気がすることもあります。下痢が続くようでしたら、医師と連絡をとり相談してください。
重い副作用はまずありませんが、溶液の濃度が濃すぎたり投与速度が速すぎると、ダンピング症候群様の低血糖症状があらわれることがあります。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ダンピング症候群様の低血糖..けん怠感、ふるえ、さむけ、冷や汗、顔面蒼白、けいれん、意識低下。
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
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