おくすり110番
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成分(一般名) クロピドグレル硫酸塩
製品例 プラビックス錠25mg~75mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の血液,体液用薬/抗血小板剤/抗血小板剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 血液を固まりにくくするお薬です。血栓や塞栓の治療に用います。
作用

【働き】

血管内で血液が固まり、血流を止めてしまう状態を“血栓”といいます。また、血栓が流れ、その先の血管を塞いでしまうのが“塞栓”です。心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)がその代表です。血管が詰まってしまうので、その先の組織が障害を受け機能を失ってしまいます。

このお薬は、血液を固まりにくくし血栓を防ぐ‘抗血栓薬’です。血小板の働きをおさえる作用から‘抗血小板薬’とも呼ばれています。おもに、脳の血管が詰まる脳卒中(脳梗塞)の予防に用いられています。とくに、脳の太い動脈がコレステロールなどで狭くなって起こる「アテローム血栓性梗塞」、あるいは頚動脈の硬化による「一過性脳虚血発作」に効果が高いと考えられています。

そのほか、経皮的冠動脈形成術‘PCI’が適用される狭心症や心筋梗塞にも用いられます。心臓の血管を支えるステントを埋め込んでいる人、またはその予定をしている人などが対象です。さらに、手足の動脈病変により しびれや痛みが発現する末梢動脈疾患(慢性動脈閉塞症、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎)に対しても使用できるようになりました。

【薬理】

体内で活性代謝物に変換されたあと、血小板膜上のADP(アデノシン二リン酸)受容体サブタイプP2Y12を選択的・非可逆的に阻害することで、血小板の活性化を抑制します。すると、血小板の凝集がおさえられ、フィブリノーゲンという血液の接着成分が結合しにくくなり、結果として血栓形成が抑制されるのです。抗血小板薬の部類ですが、専門的にADP受容体拮抗薬またはP2Y12受容体拮抗薬と呼ぶことがあります。

【臨床試験】
  • この薬クロピドグレルと、標準的な抗血小板薬であるアスピリンとの比較試験が、2万人近くの人でおこなわれています。この薬を飲んでいた人のほうが、心血管系の病気の発症割合が9%ほど少ないという結果でした。
  • 国内で広く使われている従来品の類似薬チクロピジン(パナルジン)を対照とした二重盲検比較試験が行われています。その結果、心血管系の病気の発症予防効果に差はでませんでしたが、肝機能障害など重い副作用の発現率がチクロピジンより少ないことが示されました。
  • CHARISMA試験は、この薬と基礎薬のアスピリンとの併用療法の有効性を検証する大規模臨床試験です。その結果は、血栓症または末梢動脈疾患既往のある患者さんでは、アスピリン単独治療の人に比べ、この薬を追加併用したほうが悪化や再発が少なく2次予防として有用なことが示されました。一方、糖尿病や高血圧、高脂血症などがあり血栓症のリスクが高いもののまだ発症していない人での1次予防においては、アスピリン単独による効果と差がなく、かえって出血や死亡のリスクが高くなるという結果でした。2次予防におけるアスピリンとの併用療法は勧められますが、1次予防におけるその有益性は低く推奨できないと結論されました。
  • PCIにおける有効性と安全性を調べるため、旧来の類似薬チクロピジン(パナルジン)と比較する臨床試験が行われています。参加したのは、PCIを受ける急性冠症候群(急性心筋梗塞や不安定狭心症)の患者さん799人。どちらを飲むかはクジ引きで半々に分かれるようにし、基礎薬として全員がアスピリンを併用します。効果判定の主要評価項目は、試験終了までに心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中)を起こした人の割合です。その結果、心血管イベントの発現割合は、この薬を飲んでいた人達で10.3%(41/400人)、チクロピジンを飲んでいた人達で9.5%(38/399人)でした。優越性は認められませんが、チクロピジンと同等の有効性が示されたわけです。一方、副作用の発現率は、この薬で44.9%(178/396人)、チクロピジンで55.3%(219/396人)と、チクロピジンより低いことがわかりました。また、重篤な肝障害や血液障害、重大な出血などにより中止に至ったケースもこの薬のほうが少なかったです。
特徴
  • チエノピリジン系の抗血小板薬(ADP受容体拮抗薬)です。同系のチクロピジン(パナルジン)と比べ副作用の発現率が低く、比較的安全性が高いです。
  • 多くの大規模臨床試験により有効性と安全性が確認されており、日本をふくめ世界的に広く使われるようになりました。単独で用いるほか、PCIなどでは強化療法として基礎薬のアスピリンと併用することが多いです。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。また、別の病院にかかるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解しておきましょう。
  • 手術や抜歯の予定のある人は、事前に医師と相談しましょう。出血が止まりにくくなることがあります。

【注意する人】

血が止まりにくくなるので、出血をともなう病気のある人は使用できません。たとえば、血友病、消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血などです。また、同様の理由で、手術の2週間くらい前から一時休薬することがあります。

  • 適さないケース..出血をともなう病気
  • 注意が必要なケース..出血傾向のある人、重い肝臓病、重い腎臓病、高血圧、低体重、高齢の人、手術の前後。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • アスピリンやワルファリンなど他の抗血栓薬と併用する場合は、出血の副作用に十分注意する必要があります。
  • 肺高血圧症治療薬のセレキシパグ(ウプトラビ)の血中濃度が上昇し、副作用が強まるおそれがあります。併用する場合は、セレキシパグの減量を考慮します。
  • ある種の抗うつ薬(SSRI)との併用により、出血を起こしやすくなる可能性があります。また消炎鎮痛薬による消化管出血の副作用を助長するおそれがあります。
  • 結核・抗酸菌症治療薬のリファンピシン(リファジン)は、この薬の活性代謝物を増加させ、出血リスクを高める可能性があります。
  • 胃薬のオメプラゾール(オメプラール、オメプラゾン)との併用により、この薬の作用が減弱するかもしれません。

【使用にあたり】
  • 症状や治療目的によって飲みかたが違います。指示された用法用量を守ってください。ふつう、空腹時や食間を避け、1日1回食後に飲みます。
  • 大切な薬ですから、飲み忘れに気をつけましょう。万一飲み忘れたら、気づいたときにすぐ1回分を飲んでください。次の服用時間が近ければ1回分をとばし、次からいつも通りに飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 出血しやすくなります。皮下出血や鼻血など異常な出血がみられたら医師と連絡をとってください。また、歯科をふくめ他科または別の病院を受診する際は、この薬を飲んでいることを必ず医師に伝えてください。

【検査】

定期的に肝機能や血液の検査を受ける必要があります。とくに飲み始めの2カ月間は、2週間ごとにおこなうことが望ましいです。

【食生活】
  • 出血が止まりにくいかもしれません。運動や危険な作業をおこなう場合は、ケガをしないように注意しましょう。もしも、ひどいケガをしたときは、直ちに受診してください。
  • 食生活の改善も大切です。狭心症や心筋梗塞をふくめ血栓・塞栓症のある人は、禁煙、節酒に努めましょう。タバコは、血栓症の発症率を高める大きな危険因子です。飲酒は、めまいや立ちくらみ、頭痛などの薬の副作用を強めます。ストレスや過労もできるだけ避けてください。
効能

【効能A】

虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制

【効能B】

経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患

  • 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
  • 安定狭心症、陳旧性心筋梗塞

    ※注意:PCIが適用予定の虚血性心疾患患者への投与は可能である。冠動脈造影により、保存的治療あるいは冠動脈バイパス術が選択され、PCIを適用しない場合には、以後の投与は控えること。

【効能C】

末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制
用法

【効能A】

通常、成人は、クロピドグレルとして75mgを1日1回経口服用するが、年齢、体重、症状によりクロピドグレルとして50mgを1日1回経口服用する。

  • 注意1:空腹時の服用は避けることが望ましい(国内臨床試験において絶食服用時に消化器症状がみられている)。
  • 注意2:出血を増強するおそれがあるので、特に出血傾向、その素因のある患者等については、50mg1日1回から服用すること。

【効能B】

通常、成人は、服用開始日にクロピドグレルとして300mgを1日1回経口服用し、その後、維持量として1日1回75mgを経口服用する。

  • 注意1:空腹時の服用は避けることが望ましい(国内臨床試験において絶食服用時に消化器症状がみられている)。
  • 注意2:抗血小板薬二剤併用療法期間は、アスピリン(81〜100mg/日)と併用すること。抗血小板薬二剤併用療法期間終了後の投与方法については、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。
  • 注意3:ステント留置患者への本剤服用時には該当医療機器の添付文書を必ず参照すること。
  • 注意4:PCI施行前にクロピドグレル75mgを少なくとも4日間服用されている場合、ローディングドーズ服用(服用開始日に300mgを服用すること)は必須ではない。

【効能C】

通常、成人は、クロピドグレルとして75mgを1日1回経口服用する。

  • 注意:空腹時の服用は避けることが望ましい(国内臨床試験において絶食服用時に消化器症状がみられている)。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 出血したり、血が止まりにくくなることがあります。もしも、出血がみられたら、すぐに受診してください。たとえば、歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血、血尿などです。重症化することはまれですが、脳出血や消化管出血など重い出血を起こす危険性がないともいえません。

そのほか、重篤な肝障害、無顆粒球症など血液障害、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)などの報告があります。重い副作用の発現率はきわめてまれですが、念のため下記のような初期症状に留意ください。とくに飲み始めの2カ月間は要注意です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重大な出血(脳出血、消化管出血、肺出血、眼底出血)..頭痛、吐き気、嘔吐、しびれ、片側のまひ、うまく話せない、意識もうろう、吐血、血便(赤〜黒い便)、血痰、息苦しい。
  • TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)..だるい、食欲不振、皮下出血(青あざ)、発熱、意識もうろう
  • 間質性肺炎、好酸球性肺炎..から咳、息苦しさ、息切れ、痰、発熱。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 遅発性の重い過敏症状..発疹、発熱、だるい、吐き気、リンパ節の腫れ、皮膚や白目が黄色くなる。

【その他】
  • 歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血(青あざ)、血尿、生理の出血が多い
  • 発疹、かゆみ
  • 胃の不快感、食欲不振、吐き気、腹痛、下痢
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye