おくすり110番
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成分(一般名) チカグレロル
製品例 ブリリンタ錠60mg~90mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の血液,体液用薬/抗血小板剤/抗血小板剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 血液を固まりにくくするお薬です。狭心症や心筋梗塞に用います。
作用

【働き】

虚血性心疾患は、心臓の冠動脈が動脈硬化により狭窄し、心筋への血液供給が不足する病気です。このうち、‘狭心症’では心臓の血液需要が増大する運動時に胸が痛んだり圧迫感を感じたりします。その程度がひどくなり、安静時にまで出現するような状態が‘不安定狭心症’です。これを放置すると、冠動脈が血栓で完全にふさがり、命にかかわる急性心筋梗塞を起こしかねません。

そのような危険な虚血性心疾患‘急性冠症候群’に対する治療法のひとつが経皮的冠動脈形成術、通称‘PCI’です。カテーテル治療の一種であり、カテーテルを冠動脈まで挿入しバルーン(風船)をふくらませて血管を広げます。さらに、その部分に網目筒状の金属製‘ステント’を留置するのが一般的です。ステントが血管の支えとなり、再狭窄のリスクが低減されるわけです。

このお薬は、血液を固まりにくくし血栓ができるのを防ぎます。上記PCI においては、作用機序が異なるもうひとつの抗血小板薬のアスピリンとの併用療法が標準的です。これら2剤による強化療法をおこなうことで、ステント血栓を抑制し、PCIの治療効果を長続きさせることができるのです。急性期に用いるほか、発症後1年以上経過しても なお再発の危険性が高い陳旧性心筋梗塞に使われることもあります。

【薬理】

血小板膜上のADP(アデノシン二リン酸)受容体サブタイプP2Y12を直接的かつ選択的・可逆的に阻害することで、血小板の活性化を抑制します。すると、血小板の凝集がおさえられ、フィブリノーゲンという血液の接着成分が結合しにくくなり、結果として血栓形成が抑制されるのです。抗血小板薬の部類ですが、専門的にADP受容体拮抗薬またはP2Y12受容体拮抗薬と呼ぶことがあります。

【臨床試験-1】

急性冠症候群に対する効果と安全性を調べるため、類似薬のクロピドグレル(プラビックス)と比較する試験がおこなわれています。参加したのは、PCIが予定される急性冠症候群の患者さん801人、うち日本人723人です。このうち401人はこの薬を、別の400人はクロピドグレルを服用し、さらに全員が基礎薬としてアスピリンを併用します。服用期間は最短6ヵ月、最長12ヵ月です。そして、この間に発現する心筋梗塞や脳卒中など心血管イベントの発現状況を調べるのです。

その結果、心血管イベントの発現率は、この薬を飲んでいた人達で9.0%(36/401人)、クロピドグレルを飲んでいた人達で6.3%(25/400人)でした。12 カ月時点の換算推定値は、この薬で10.2%、クロピドグレルで8.1%になります。参加人数が不十分なため正確な判定はできないものの、残念ながら、クロピドグレルと比べ心血管性イベント発現率が高くなる傾向です。また、副作用として出血や呼吸困難も多めでした。有効性と安全性のいずれもクロピドグレルに劣る可能性が示唆されたのです。

【臨床試験-2】

大規模な国際共同試験もおこなわれています。日本は不参加でしたが、1万8000人以上もの急性冠症候群の患者さんを対象に、心血管性イベント発生抑制効果をクロピドグレル(プラビックス)と比較する試験です。どちらを飲むかはクジ引きで半々に分かれるようにし、基礎薬として全員がアスピリンを併用します。その結果、心血管イベントの発現率は、この薬を飲んでいた人達で9.8%(864/9333人)、クロピドグレルの人達で10.9%(1014/9291人)でした。12 カ月時点の換算推定値は、この薬で9.8%、クロピドグレルで11.7%になります。この薬のほうが発現率が低く、心血管性イベント発生予防効果に優れることが証明されたのです。ただし、この結果に日本人データが反映されていない点に留意が必要かもしれません。

【臨床試験-3】

次は、陳旧性心筋梗塞に対する効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験です。参加したのは、心筋梗塞の既往歴(1〜3年前)があり、再発の可能性が相当に高い患者さん約2万人、うち日本人903人です。基礎療法として全員がアスピリンを併用のうえ、この薬を飲む人と、プラセボを飲む人に分かれます。そして、3年間にわたり心筋梗塞や脳卒中など心血管性イベント発生予防効果を調べるのです。

その結果、心血管イベントの発現率は、この薬を飲んでいた人達で7.0%(980/14095人)、プラセボを飲んでいた人達で8.2%(578/7067人)でした。3年時点の換算推定値は、この薬で7.8%、プラセボで9.0%になります。また、日本人に限れば、この薬で3.3%、プラセボ4.4%です。プラセボと大きな差はでませんでしたが、この薬を飲んだ人達のほうが、心血管イベントの発現率が1%ほど低く、一定の予防効果が示されたわけです。ただし、日本人の再発率はもともと低く、恩恵を受けるのは一部の人に限られます。また、重大な出血の発現率(日本人)は、プラセボの1.2%に対し、この薬で4.5%と有意に高くなりました。
特徴
  • 広くは抗血栓薬の部類に入るシクロペンチルトリアゾロピリミジン群の抗血小板薬です。作用機序からはADP受容体拮抗薬(P2Y12受容体拮抗薬)と呼ばれます。PCIが適用される虚血性心疾(狭心症、心筋梗塞)においては、アスピリンとADP受容体拮抗薬との2剤併用抗血小板療法が推奨されています。
  • 従来のチエノピリジン系薬剤と異なり、作用発現に代謝活性化を必要としません。このため、服薬後早期から血小板凝集阻害作用が得られ、効果の発現が速いです。また、血小板への結合が可逆的なため、速やかに作用が消失し、出血リスクが長引かないと推測されます。
  • 海外での大規模試験で、従来品のクロピドグレル(プラビックス)を上回る有効性が認められています。一方、日本人を対象とした試験では、有効性と安全性のいずれも劣る傾向でした。日本人の試験結果を重視し、急性冠症候群に対しては、他の抗血小板薬が副作用などで使用できない場合に限り使用すべきと結論されました。また、陳旧性心筋梗塞に適用となるのは、再発の危険性が特に高い場合だけです。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 使用中の薬を医師に教えてください。また、別の病院にかかるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解しておくことが大事です。
  • 手術や抜歯の予定があれば、事前に医師と相談してください。

【注意する人】

血が止まりにくくなるので、出血を起こしている場合は使用できません。同様の理由で、手術の5日〜2週間くらい前から一時休薬することがあります。また、脳梗塞の既往のある人、痛風、喘息など呼吸器疾患、うっ血性心不全のある人は避けることが望ましいです。

  • 適さないケース..出血している場合(血友病、脳出血、消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血など)、脳出血の既往、重い肝臓病のある人。
  • 注意が必要なケース..出血傾向のある人、肝臓病、腎臓病、高血圧、脳梗塞の既往、徐脈を起こしやすい人、喘息や気管支炎など呼吸器疾患のある人、うっ血性心不全、高尿酸血症、痛風、尿酸腎症のある人、低体重、高齢の人、手術の前後。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり出血を起こしやすくなります。逆に効力が落ちてしまう飲み合わせもあります。他の病院や別の診療科にかかるときは、この薬を飲んでいることを必ず伝えてください。

  • 飲み合わせが禁止されている薬に、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)とボリコナゾール(ブイフェンド)、抗エイズウイルス薬のリトナビル(ノービア、カレトラ)、サキナビル(インビラーゼ)、ネルフィナビル(ビラセプト)、インジナビル(クリキシバン)やコビシスタット(スタリビルド)、C型慢性肝炎治療薬のテラプレビル(テラビック)などがあります。併用により、この薬(チカグレロル)の血中濃度が著しく上昇し、出血の危険性が増大するためです。
  • 逆に、作用減弱のために禁止されるのは、結核・抗酸菌症治療薬のリファンピシン(リファジン)とリファブチン(ミコブティン)、抗けいれん薬のフェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)などです。薬ではありませんが、健康食品やハーブティーとして販売されているセイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)にも同様の性質があります。これらの併用により、この薬(チカグレロル)の血中濃度が著しく低下するおそれがあります。
  • ワルファリンなど他の抗血栓薬と併用する場合は、出血の副作用に十分注意する必要があります。
  • ある種の鎮痛薬(NSAID)との併用により、出血を起こしやすくなります。とくに消化管出血を助長するおそれがあります。
  • β遮断薬(インダラル、テノーミン等)の部類を飲んでいる人は、徐脈の発現に注意が必要です。

【使用にあたり】
  • 急性冠症候群の場合、すばやい効果を期待し初回服用量を180mg(錠90mgを2錠)と多めにします。2回目からは、維持用量として1回90mg(錠90mgを1錠)を1日2回服用します。食事と関係なく飲めます。
  • 陳旧性心筋梗塞では、1回60mg(錠60mgを1錠)を1日2回服用します。
  • 別系統のアスピリン(バイアスピリン、バファリン)といっしょに飲む必要があります。どちらも大切ですから、飲み忘れないようにしましょう。万一飲み忘れたら、その分は抜かし、次からいつも通りに飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 服用期間は数ヵ月から数年です。症状やステントの種類によりますので、医師から指示された期間続けてください。なお、基礎薬のアスピリンは原則生涯飲み続けなければなりません。
  • 出血しやすくなります。皮下出血や鼻血など異常な出血がみられたら医師と連絡をとってください。また、歯科をふくめ他科または別の病院を受診する際は、この薬を飲んでいることを必ず医師に伝えてください。

【検査】

出血が疑われる場合、適切な検査や処置をおこないます。必要に応じ、血圧測定や心電図検査も実施します。

【食生活】
  • 出血が止まりにくいかもしれません。運動や危険な作業をおこなうさいは、ケガをしないように注意しましょう。もしも、ひどいケガをしたときは、直ちに受診してください。
  • 健康食品やハーブティーとして販売されているセイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)の飲食はしないでください。飲み合わせにより、この薬の効果が減弱するおそれがあるためてす。
  • 食生活の改善も大切です。狭心症のある人は、禁煙、節酒に努めましょう。タバコは、狭心症や心筋梗塞の発症率を高める最大の危険因子です。飲酒は、めまいや立ちくらみ、頭痛などの薬の副作用を強めます。ストレスや過労もできるだけ避けてください。
効能

【錠90mg】

経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)(ただし、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板剤の投与が困難な場合に限る)

  • [注意1]アスピリンと併用すべき本剤以外のP2Y12受容体拮抗薬等の抗血小板剤の投与が副作用の発現等により困難な場合に、本剤の使用を考慮すること。
  • [注意2]本剤の使用に際しては、「臨床成績」及び「副作用」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で投与すること。
  • [注意3]経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用予定の急性冠症候群患者への投与は可能である。冠動脈造影により、保存的治療あるいは冠動脈バイパス術が選択され、PCIを適用しない場合には、以後の投与は控えること。

【錠60mg】

以下のリスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合

65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病、2回以上の心筋梗塞の既往、血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患、又は末期でない慢性の腎機能障害

  • [注意1]本剤は、65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病、2回以上の心筋梗塞の既往、血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患、又は末期でない慢性の腎機能障害(クレアチニンクリアランス60mL/min未満)のうち1つ以上を有する陳旧性心筋梗塞患者であって、さらに、患者背景、冠動脈病変の状況等から、イベント発現リスクが特に高く、出血の危険性を考慮しても、抗血小板剤2剤併用療法の継続が適切と判断される患者のみに投与すること。
  • [注意2]心筋梗塞の発症後1年未満の患者における本剤60mg1日2回投与の有効性および安全性は確立していない。
  • [注意3]陳旧性心筋梗塞に対して本剤が投与されている患者で急性冠症候群が発症した場合には、上記1及び2に従い、急性冠症候群に用いる抗血小板剤をあらためて検討すること。
用法

【急性冠症候群(錠90mg)】

通常、成人は、チカグレロルとして初回用量を180mg、2回目以降の維持用量を90mgとして、1日2回経口服用する。

【陳旧性心筋梗塞(錠60mg)】

通常、成人は、チカグレロルとして1回60mgを1日2回経口服用する。

【注意】
  • [1]アスピリン(維持用量として81〜100mg/日)と併用すること。
  • [2]ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書を必ず参照すること。
  • [3]陳旧性心筋梗塞における本剤の投与期間については、アテローム血栓性イベント発現リスクと出血リスクを考慮した上で症例毎に判断すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 出血したり、血が止まりにくくなることがあります。もしも出血がみられたら、医師に連絡してください。たとえば、歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血、血尿などです。重症化することはまれですが、脳出血や消化管出血など重大な出血を起こす危険性がないとはいえません。

呼吸困難も比較的多くみられます。とくに、喘息、気管支炎、心不全などのある人は要注意です。息切れや息苦しさを感じたら医師と相談してください。ほかにも、徐脈や高尿酸血症を起こすことがあります。重い副作用の発現率はきわめてまれですが、念のため下記のような初期症状に留意ください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重大な出血(脳出血、消化管出血、心嚢内出血、肺出血等)..頭痛、吐き気、嘔吐、しびれ、片側のまひ、うまく話せない、意識もうろう、吐血、血便(赤〜黒い便)、血痰、息苦しい。
  • アナフィラキシー..発疹、じんま疹、全身発赤、顔や口・喉や舌の腫れ、咳き込む、ゼーゼー息苦しい。

【その他】
  • 出血(皮下出血、青あざ、血豆、鼻血、歯ぐき出血、血痰、痔出血、血尿、吐血、血便)
  • 呼吸困難(息切れ、息苦しい、呼気が荒い)
  • 徐脈(脈が1分間50以下)
  • 高尿酸血症、痛風
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye