概説 |
肝臓を守るお薬です。また、炎症やアレルギーをおさえる働きもします。 |
作用 | 主要成分は甘草(カンゾウ)という植物に由来するグリチルリチンです。グリチルリチンには、免疫調節作用や抗アレルギー作用、抗炎症作用などがあります。慢性肝炎に用いた場合、肝機能値が改善することも確かめられています。肝臓病に用いることが多いのですが、湿疹や皮膚炎、円形脱毛症、口内炎などにも適応します。 |
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 【注意する人】
- アルドステロン症など病気によっては、その病状を悪化させます。また、高齢の人は副作用がでやすいので、少量にするなど慎重に用います。
- 適さないケース..アルドステロン症、ミオパシー、低カリウム血症のある人。
- 注意が必要なケース..高齢の人。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 利尿薬(ループ利尿薬、チアジド系利尿薬)といっしょの飲むと、血液中のカリウム分が減ってくることがあります。併用する場合は、定期的に検査をして、そのチェックをするようにします。
- 小柴胡湯など多くの漢方薬には、甘草が配合されています。これらと併用する場合も、低カリウム血症などの副作用に注意します。
- 低カリウム血症を起こしていると、抗菌薬のモキシフロキサシン(アベロックス)の副作用(不整脈)が出やすくなります。
- 【使用にあたり】
- 指示どおりに正しくお飲みください。ふつう、1日3回毎食後に飲みます。
- 【食生活】
- 肝臓の悪い人は、食生活をみなおすことも重要。過労を避け、決められた食事療法を守りましょう。アルコール性肝障害の場合、やはり禁酒が必須です。
【備考】
- 肝炎が悪化しているときは、飲み薬よりも注射による強力な治療がおこなわれます。やはり、グリチルリチンを主成分とする注射薬(強力ネオミノファーゲンCなど)が広く使われています。
- 肝臓病の多くはウイルス性ですが、そのほかにもあります。脂肪肝、自己免疫性肝炎、アルコール性肝障害、あるいは、薬の副作用による薬物性肝障害などです。治療法はそれぞれで異なります。ウイルス性肝炎では、インターフェロン療法が試みられています。
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効能 |
- 慢性肝疾患における肝機能異常の改善
- 湿疹・皮膚炎、小児ストロフルス、円形脱毛症、口内炎
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用法 |
通常、成人は1回2〜3錠、小児は1錠を1日3回食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はほとんどありません。ただ、多めの量を長期に飲み続けていると、血液中のカリウム分が減少し、むくみや血圧の上昇をみることがあります。「偽アルドステロン症」です。とくに高齢の人に起こりやすいので注意しましょう。定期的に検査を受けていれば、重くなる前に防げるはずです。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
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