概説 |
腸内の有害物質を吸着するお薬です。尿毒症の治療に用います。 |
作用 |
- 【働き】
- 腎臓の働きが悪くなると、体内の有害物質を尿から十分に排泄できなくなります。その結果、体調が悪くなり、吐き気がしたり、体がかゆくなったりします。いわゆる尿毒症の症状です。
このお薬は、腸内で有害物質を吸着し、便とともに排泄させます。そうすることで、有害物質の体内への吸収をおさえます。結果的に、尿毒症が改善され、透析導入を遅らせることにつながります。ただし、病気そのものを治すことはできません。
【臨床試験】
- 国内で、進行性の慢性腎不全の患者さん244人を対象とした比較試験(RCT?)がおこなわれています(実薬群124人、プラセボ群120人)。試験期間中に透析導入に至ったケースは、実薬群(この薬を飲んでいた人)で39人(32%)、プラセボ群(にせ薬を飲んでいた人)で49人(41%)でした。この薬を飲んでいたほうが、透析を開始する時期が遅れる傾向が示されたわけです。
- 慢性腎不全の患者さん約2000人による臨床試験が海外でおこなわれています。この薬を飲む人とプラセボ(にせ薬)を飲む人に分け、透析導入、腎移植、血清クレアチニン値の倍加のいずれかの発生について3.5年にわたり比較する試験です。その結果、残念ながらプラセボと明らかな差が認められず、この薬の有効性を確かめられませんでした。ただ、進行性の慢性腎不全に限りプラセボに対する優位性が示されています。
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特徴 |
- 高純度の多孔性球状活性炭からなる吸着炭です。進行性の慢性腎不全に対し、尿毒症症状の改善や透析導入の遅延を期待して処方されます。国内でよく処方されていますが、海外ではあまり使われていません。難点は、服用量がたいへん多く飲みにくいことです。
- 飲むのに一苦労する従来品のカプセルと細粒にくわえ、服薬負担の軽減をはかったクレメジン速崩錠が発売されました。服薬ボリュームを大きくすることなく、また、少量の水で速やかに崩壊しつつ口内での拡散が抑えられるため、服用感の改善につながるものと期待されます。
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注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。また、便秘を起こしやすい人も話しておいてください。
- 他の薬の効き目を悪くします。別に薬を飲んでいる場合は、医師に教えてください。
- 【注意する人】
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道静脈瘤など消化管に病気があると、その患部を刺激するおそれがあります。また、便秘がちの人は症状がひどくなるかもしれません。
- 適さないケース..腸閉塞など消化管に通過障害のある場合。
- 注意が必要なケース..消化管潰瘍、食道静脈瘤、便秘を起こしやすい人。
- 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 吸着作用があるので、基本的に他の薬との同時服用は避けます。30分〜1時間以上あけてください。
【使用にあたり】
- 服用量がかなり多めになります。全部飲むのは大変と思いますが、効果をだすのに必要な量です。
- 通常、カプセルは1回に10カプセル、細粒は1包、速崩錠は4錠になります。服用回数は1日3回です。速崩錠は、口の中で水でくずしたあと飲みこんでください。
- 薬の色で便が黒っぽくなるかもしれません。
【食生活】
- 食事療法や血圧のコントロールも大切ですから、同様に続けるようにしてください。
- 1日1回、排便するようにしましょう。
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効能 |
次の疾患における尿毒症症状の改善及び透析導入の遅延。
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用法 |
通常、成人は、1日6g(30カプセル、3包、12錠)を3回に分割し服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
おもな副作用は、便秘、食欲不振、吐き気、腹部膨満感などです。便秘をすると薬の効果がおちてしまいますので、その場合は早めに医師と相談してください。
重い副作用はまずありませんが、もともとや胃潰瘍など胃腸に病気のある人は、消化管出血を含め、その症状の悪化に注意が必要です。
- 便秘、食欲不振、吐き気、吐く、腹部膨満感
- 皮膚のかゆみ(病気のためのこともあります)
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