概説 |
傷の治りをよくするお薬です。褥瘡(床ずれ)や皮膚潰瘍の治療に用います。 |
作用 | 有効成分は、卵に由来する塩化リゾチームです。皮膚の再生を助け、傷の治りをよくする作用があります。褥瘡のほか、ヤケドや外傷による皮膚の傷口(潰瘍面)に用います。 |
特徴 | 褥瘡では、比較的軽い浅いものに適します。また、表皮が形成される白色期を中心に使われます。 |
注意 |
 【診察で】
- 卵アレルギーの人は医師に伝えてください。アレルギーを起こしやすい人も話しておきましょう。
- 喘息やアトピー性皮膚炎など持病のある人は医師に報告してください。

- 【注意する人】

- 卵にアレルギーのある人は使用できません。喘息などアレルギー性の病気のある人も慎重に用います。
- 適さないケース..卵白アレルギーのある人
- 注意が必要なケース..アレルギー体質の人。
 【使用にあたり】
- 症状により使用方法が違います。指示どおりに正しく使用してください。病院で処置されることも多いです。
- 患部を洗浄し清潔にしてから、使用するのが基本です。

- 【食生活】

- 褥瘡においては、患部の圧迫要因を取り除くことが大切。「床ずれ」の予防には、こまめな体位変換が欠かせません。また、皮膚を清潔に保つこと、栄養状態をよくして抵抗力を高めておくなど、総合的なケアが必要です。
 【備考】
- 褥瘡は、皮膚に何らかの圧力が加わり、血流が悪くなることで生じます。その代表が「床ずれ」です。体の弱っている寝たきりの人で、長期間体位の変換ができずにいると、必ず「床ずれ」ができます。できる場所は、骨の張っているお尻などです。皮膚の組織が死んでしまうので、いろいろな細菌にも感染しやすいです。ケアが不適切ですと、傷口(潰瘍)が深くなり重症化することもあります。
- 重い褥瘡が治っていく段階は、その色で分けられます。黒色期→黄色期→赤色期→白色期という段階です。はじめの黒色期は黒色の死んだ組織が付着している状態、次の黄色期はその黒色壊死組織が取り除かれた状態です。赤色期は、赤い肉(肉芽)が生じてくる時期で、この段階になれば感染は起こりにくくなります。さらに肉芽が盛り上がり、表皮が生じてくる時期が白色期です。それぞれの病期にもっとも適した治療薬を選ぶことが重要です。
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効能 |
皮膚潰瘍〔褥瘡、熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、下腿潰瘍(静脈瘤症候群を含む)、その他皮膚潰瘍(帯状疱疹後潰瘍、放射線潰瘍、薬物潰瘍、糖尿病性潰瘍、術後潰瘍)〕 |
用法 |

- 【軟膏】

- 症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。原則として1日1〜数回潰瘍面を清拭消毒後、リント布又はガーゼなどにのばして患部に貼布するか、又は必要に応じて患部に直接塗布する。

- 【シート】

- 症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。原則として1日1〜数回潰瘍面を清拭消毒後、患部に貼付する。必要に応じてテープ等で固定する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
外用薬ですので、副作用は少ないです。塗布時の刺激感や軽い痛みは、ある程度しかたありません。もしも、赤みやカユミがひどくなるようでしたら、早めに受診してください。
きわめてまれですが、ショックなど重いアレルギー症状を起こす可能性があります。アレルギー体質の人は、念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
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