おくすり110番
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成分(一般名) ブホルミン塩酸塩
製品例 ジベトス錠50mg、ジベトンS腸溶錠50mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 糖尿病用剤/ビグアナイド系/糖尿病治療剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 血糖値を下げるお薬です。糖尿病の治療に用います。
作用

【働き】

血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されます。糖尿病は、そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症を引き起こします。

このお薬は、血糖降下薬です。糖分の吸収や生成を抑え、また、糖の代謝を促進することで血糖を下げます(膵外作用)。おもに、肥満型の2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)に用います。日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。

【薬理】
  • 筋肉、脂肪組織など末梢での糖分の利用を促進します。
  • 肝臓での糖の生成が抑制されます。
  • 腸管からの糖分の吸収が抑制されます。
特徴
  • 古くからあるビグアナイド系の血糖降下薬です。略称はBG薬。作用的にはインスリン抵抗性改善薬の部類になります。SU薬に代表されるインスリン分泌促進薬とは異なり、膵臓でのインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を発揮します(膵外作用)。この系統の特異な副作用として乳酸アシドーシスが知られています。一般的には、比較的安全性が高い類似薬のメトホルミン(メトグルコ)が処方されます。
  • かつて、BG系薬剤による重い乳酸アシドーシスが世界的に問題となったことがあり、また、古くにおこなわれた同系薬剤による長期臨床試験では必ずしもよい結果が出ていません。一方で、イギリスでおこなわれたメトホルミンによる大規模長期臨床試験でもよい結果がでており近年再評価されています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。妊娠中は服用禁止です。
  • もし、体調が悪ければ、そのことも伝えてください(発熱、食欲がない、下痢をしている・・など)
  • 飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。服用中の薬は、すべて報告しておきましょう。
  • 注意事項や副作用、また、体調が悪いときの飲み方「シックデイルール」などについて十分説明を受けてください。とくに乳酸アシドーシスと低血糖時の対処法について、ご家族も含めて理解を深めておくことが大切です。
  • 治療中に低血糖症を起こした場合は、必ず医師に報告してください。
  • CT検査や心臓カテーテル検査をふくめX線造影検査(レントゲン)をおこなうさいは、服薬の継続について相談しておきましょう。

【注意する人】

乳酸アシドーシスまたは低血糖の危険性が高い場合、処方を控えることがあります。たとえば、腎臓病や肝臓病、心臓病のある人、ひどい下痢や嘔吐、また体の状態がひどく悪いときなどです。高齢の人も副作用がでやすいので、慎重に用いる必要があります。造影剤を使用する検査をおこなうさいは、一時休止しなければなりません。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

薬の飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、乳酸アシドーシスや低血糖の副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうケースもあります。他の薬との併用は、医師の判断で慎重におこなわなければなりません。

  • 血糖降下作用を強める薬の例として、他の血糖降下薬、解熱鎮痛薬(アスピリンなど)、血圧や心臓の薬(β遮断薬、ACE阻害薬など)、胃薬のシメチジン(タガメット)などがあげられます。
  • 血糖降下作用を弱める薬には、ホルモン剤(副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、女性ホルモンなど)、利尿薬、結核の薬(イソニアジド)、安定剤(フェノチアジン系)などがあります。
  • 利尿薬や利尿作用をもつ血糖降下薬のSGLT2阻害薬(スーグラなど)と併用する場合は、脱水症の発現に注意が必要です。利尿薬は高血圧の薬としても広く用いられており、いっしょになるケースが少なくありません。
  • 緊急な場合は別として、ヨード造影剤を使用して造影検査(レントゲン)をおこなうさいは、一時的に服薬を中止することになります。とくに大量の造影剤を用いる心臓カテーテル検査などにおいては適切な対応が必要です。服用再開は検査後2日目以降になります。

【使用にあたり】
  • 症状によって、飲む量や飲み方が違います。服用量、服用時間を厳守してください。一般的には、少量より開始し、副作用や血糖値に注意しながら慎重にゆっくりと増量していきます。
  • 万一飲み忘れたら、その1回分は抜かしてください。絶対に、2回分を1度に飲んではいけません。
  • 体調が悪く食事がとれていないとき、下痢や嘔吐、発熱時、あるいは激しい運動の前後、疲労のひどいときなどは、薬の量を減らしたり休薬したほうがよいことがあります。そのようなときの飲み方や対処法(シックデイルール)をしっかり守りましょう。
  • 薬の効きすぎによる低血糖症状(副作用の項参照)があらわれたら、すぐに甘いもの(糖分)をとるようにします。糖分としては、吸収の良い砂糖がおすすめで10〜20gをとるようにしてください。外出のときにも持ち歩くようにしましょう。そのほか糖分の多いジュースなどでもかまいませんが、アメ玉は溶けるのに時間がかかるので向いていません。なお、αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル等)を併用している場合は、病院から渡されるステイックシュガー(ブドウ糖)をとるようにしてください。すぐに糖分をとれば15分くらいで治ってきますが、医師への報告も忘れないようにしましょう。
  • 万一の重い低血糖症状にそなえ、糖尿病手帳やカードを身につけているとよいでしょう。
  • 低血糖には注意が必要ですが、こわがりすぎて血糖値を高いままにしてはいけません。

【検査】

定期的に血糖値やHbA1C、その他必要な検査を受け、効果や副作用をチェックするようにしましょう。

【妊娠授乳】

妊娠中は飲み薬ではなく、インスリン注射薬による治療をおこないます。

【食生活】
  • 低血糖によるめまいやふらつきを起こすおそれがあります。車の運転や高所での危険な作業などには十分注意しましょう。
  • 脱水により乳酸アシドーシスの副作用がでやすくなります。発熱、下痢、嘔吐、食事が十分にとれないなどで 脱水の心配があるときは、いったん服用を中止し、すぐに医師と相談してください。
  • アルコールも乳酸アシドーシスの危険要因です。また、血糖値を乱し、ときに低血糖発作を誘発します。できるだけ控えてください。飲酒を希望するのなら、医師とよく相談のうえにしましょう。
  • この薬を飲みはじめても、食事療法や運動療法をきちんと続けるようにしてください。

【備考】
  • 2型糖尿病では、食事療法や運動療法がとても大切です。アメリカでおこなわれた「糖尿病予防プログラム(DPP)」でも、その重要性が示されています。糖尿病の一歩手前の人(IGT)約3200人を、@プラセボ(にせ薬)を飲む人、A糖尿病治療薬のメトホルミンを飲む人、B食生活を改善する人(強化食事・運動療法)の3つのグループに分け、糖尿病の発症予防効果を比較した試験です。試験の結果、もっとも予防効果があったのはBの「食生活を改善するグループ」でした。
  • 2型糖尿病や境界型の人は、まず食事療法や運動療法からはじめます。医師や栄養士とよく相談のうえ、自分に適したやりかたで日々続けることが大切です。このような基本療法だけで血糖値が十分に下がれば薬を使う必要はありません。けれど不十分な場合は、飲み薬やインスリン注射による薬物治療が必要となってきます。基本療法は、薬を飲みはじめても続けるようにしてください。
  • メトホルミンは別として、飲み薬の最終的な効果(重い合併症を防げるか、長生きできるか)は、必ずしも確かめられていません。一方、インスリン注射薬でより厳格に血糖値をコントロールすると、目の病気(網膜症)や腎臓病などの重い合併症を減らせることが証明されています。2型糖尿病でも、医師からインスリン療法をすすめられた場合は積極的に受け入れてください。
効能 インスリン非依存型糖尿病(ただし、SU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合に限る)。
用法 本剤はSU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合にのみ使用すること。通常、ブホルミン塩酸塩として1日量100mgより開始し、1日2〜3回食後に分割経口服用する。維持量は効果を観察しながら決めるが、1日最高服用量は150mgとする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 ときどきみられるのは、下痢や吐き気、食欲不振、腹痛などです。このような胃腸症状は脱水症につながりますし、以下のような重篤な乳酸アシドーシスの初期症状として現れることもあります。症状が強い場合は医師と連絡をとり、継続の可否を含めて指示をあおいでください。

乳酸アシドーシスはこの薬に特有な副作用で、血液中に乳酸がたまり血液が酸性になった状態です。とくに、もともと肝臓病や腎臓病、心臓病などの持病のある人、体の弱っている人、高齢の人、脱水を起こしている場合、また薬の飲み始めや量を増やしたときに起こりやすいものです。胃腸症状をはじめ、けん怠感、筋肉痛、息苦しさなどを伴いますので、このような場合は直ちに受診してください。

そのほか、「低血糖」を起こすおそれもあります。低血糖とは、必要以上に血糖値が下がってしまう状態です。おおよそ血糖値が50mg/dl以下になると低血糖特有の症状があらわれてきます。ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、目のちらつき、イライラ、ぼんやり、さらに重くなると、気が遠くなり、けいれんを起こしたり意識を失うこともあります。すぐに糖分を補給しましょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 乳酸アシドーシス..吐き気、吐く、腹痛、下痢、けん怠感、筋肉痛、手足の震え・脱力、歩けない、動悸、急激な体重減少、息苦しい、息が荒い、深く大きい呼吸、意識低下。
  • 低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。

【その他】
  • 下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛
  • 乳酸上昇、肝機能異常
  • 発疹、かゆみ
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye