おくすり110番
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成分(一般名) ミチグリニド カルシウム水和物/ボグリボース
製品例 グルベス配合錠、グルベス配合OD錠 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 糖尿病用剤/配合剤/速効型インスリン分泌促進薬/食後過血糖改善薬配合剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 血糖値を下げるお薬です。糖尿病の治療に用います。
作用

【働き】

血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されます。糖尿病は、そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病(腎症)などいろいろな合併症を引き起こします。さらには動脈硬化がすすみ、心臓や脳血管にも悪い影響がでるおそれがあるのです。

このお薬には、2種類の血糖降下薬が配合されています。1つは、速効型インスリン分泌促進薬のミチグリニド(グルファスト)。これは、膵臓に働きかけインスリンの分泌を増やすことで、血糖値を下げます。速効短時間型なので、食事のすぐ前に飲むことで、食後のインスリン分泌を自然なパターンに近づけ食後の高血糖を改善します。もう1つの有効成分は、αグルコシダーゼ阻害のボグリボース(ベイスン)です。こちらは、食後過血糖改善薬とも呼ばれ、腸からの糖分の消化吸収を遅らせて食後の血糖上昇をおさえます。

これら2成分がいっしょに作用することで、血糖値 ことに食後の血糖値が十分下がるようになり 治療効果が上がるのです。適応となるのは2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)で、単独療法で効果不十分な場合です。臨床的には、食後高血糖があり、空腹時血糖値がそれほど高くない比較的早期に向きます。日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症を予防するうえで とても大事なことです。

【臨床試験】

配合成分のミチグリニドとボグリボースの併用効果を確かめる臨床試験が行われています。対象となる人は、ボグリボースの単独療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿の患者さん385人です。1つのグループはそのままボグリボース(1回0.2mg)だけを飲み続け、もう1つのグループはミチグリニド(1回10mg)を追加併用し、3ヶ月後のHbA1c(長期平均血糖値の指標)を比較します。

その結果、単独療法としてボグリボースだけを飲み続けた人達のHbA1cは平均0.02低下(平均7.18→7.16)、併用療法としてボグリボースとミチグリニドの両方を飲んでいた人達では0.64低下(平均7.12→6.48)しました。単独療法ではほとんどHbA1cの変化がなく高いままだったのに対し、併用療法では明らかに低下し良好な血糖コントロールが達成できたわけです。
特徴
  • 作用が違う速効型インスリン分泌促進薬とαグルコシダーゼ阻害薬を組み合わせた2型糖尿病治療薬です。これらの併用効果により、食後高血糖とHbA1c(長期平均血糖値の指標)のいっそうの改善が見込めます。食後高血糖は、心血管系合併症の独立した危険因子とされ、その是正は臨床的にも有益です。
  • 原則として、第一選択薬とはしません。まずは、単剤での治療を優先するようにします。処方対象となるのは、1剤で効果不十分な場合、あるいは2剤以上の多剤併用をすでに行っている場合などです。
  • 配合剤ですので、2剤による併用療法が1錠で済みます。以前のように別々に飲み分ける必要がなく、飲むのが楽です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中または妊娠している可能性のある人は申し出てください。妊娠中は服用禁止です。
  • もし、体調が悪ければ、そのことも伝えてください(発熱、食欲がない、下痢をしている・・など)
  • 飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。服用中の薬は、すべて報告しておきましょう。
  • 注意事項や副作用、また、体調が悪いときの飲み方「シックデイルール」などについて十分説明を受けてください。とくに低血糖時の対処法を、ご家族も知っておくことが大事です。
  • 治療中に低血糖症を起こした場合は、必ず医師に報告してください。

【注意する人】

重症ケトーシスや糖尿病性昏睡、重症感染症や妊娠中における高血糖にはインスリン注射薬が必須で、飲み薬は不適当です。肝臓病や腎臓病のある人、高齢の人、また体の調子が悪いときなどは、低血糖症の発現に十分注意しましょう。また、胃腸の安静を必要とする場合、たとえば腸閉塞や腸に癒着のある人、あるいは胃腸の手術後などは慎重に用いる必要があります。

  • 適さないケース..重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病、重い感染症、重い外傷、手術前後,、妊娠中。
  • 注意が必要なケース..肝臓や腎臓の悪い人、狭心症・心筋梗塞、脳下垂体機能不全、副腎機能不全、胃腸に病気のある人、開腹手術または腸閉塞の既往、下痢や嘔吐のあるとき、栄養不良状態、衰弱状態、不規則な食事やアルコール摂取量の多い人、激しい筋肉運動、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、低血糖の副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうケースもあります。他の薬との併用は、医師の判断で慎重に行わなければなりません。なお、作用点がいっしょのSU系血糖降下薬とは併用しないことになっています。また、インスリン注射薬と併用するさいは、その減量を考慮しなければなりません。

  • 血糖降下作用を強める薬の例..他の血糖降下薬、解熱・鎮痛・消炎薬(アスピリン、ロキソプロフェンなど)、血圧や心臓の薬(β遮断薬、ACE阻害薬など)、抗菌薬(テトラサイクリン系など)、高脂血症の薬(フィブラート系)など。
  • 血糖降下作用を弱める薬の例..ホルモン剤(副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、女性ホルモンなど)、利尿薬、結核の薬(イソニアジド、リファンピシン)、安定剤(フェノチアジン系)、抗けいれん薬(フェニトイン)など。
  • アルコールは血糖値を乱し、ときに低血糖発作を誘発します。できるだけ控えてください。飲酒を希望するなら、医師とよく相談のうえにしましょう。

【使用にあたり】
  • 1日3回、食事の直前5分以内に飲んでください。それより早くてもいけませんし、食事中や食後もよくありません。言い換えれば、薬を飲んでから直ちに食事をとる必要があるのです。そうしないと、期待される効果がでませんし、低血糖を誘発する可能性も高まります。服用時間を厳守してください。
  • 食直前に飲み忘れたら、その1回分は抜かしてください。次の食事のすぐ前にいつも通りに1回分を飲むようにします。絶対に2回分を1度に飲んではいけません。
  • 体調が悪く、食事が十分とれていないとき、下痢をしているとき、あるいは激しい運動の前後、疲労のひどいときなどは、休薬したほうがよいことがあります。そのようなときの対処法(シックデイルール)を医師から聞いておきましょう。
  • 薬の効きすぎによる低血糖症状(副作用の項参照)があらわれたら、すぐに病院から渡されるステイックシュガーをとるようにしてください。十分量のブドウ糖を含む清涼飲料水でもよいでしょう。すぐに糖分(ブドウ糖)をとれば15分くらいで治ってきますが、医師への報告も忘れないでください。
  • 万一の重い低血糖症にそなえ、糖尿病手帳やカードを身に付けるとよいでしょう。
  • 低血糖には注意が必要ですが、こわがりすぎて血糖値を高いままにしてはいけません。

【検査】

定期的に血糖値やHbA1C、その他必要な検査を受け、効果や副作用をチェックするようにしましょう。

【妊娠授乳】

妊娠中は飲み薬ではなく、インスリン注射薬による治療をおこないます。

【食生活】
  • 低血糖によるめまいやふらつきを起こすおそれがあります。車の運転や高所での危険な作業などには十分注意しましょう。
  • この薬を飲みはじめても、食事療法や運動療法をきちんと続けるようにしてください。

【備考】
  • 2型糖尿病では、食事療法や運動療法がとても大切です。アメリカでおこなわれた「糖尿病予防プログラム(DPP)」でも、その重要性が示されています。糖尿病の一歩手前の人(IGT)約3200人を、@プラセボ(にせ薬)を飲む人、A糖尿病治療薬のメトホルミンを飲む人、B食生活を改善する人(強化食事・運動療法)の3つのグループに分け、糖尿病の発症予防効果を比較した試験です。試験の結果、もっとも予防効果があったのはBの「食生活を改善するグループ」でした。
  • 2型糖尿病や境界型の人は、まず食事療法や運動療法からはじめます。医師や栄養士とよく相談のうえ、自分に適したやりかたで日々続けることが大切です。このような基本療法だけで血糖値が十分に下がれば薬を使う必要はありません。けれど不十分な場合は、飲み薬やインスリン注射による薬物治療が必要となってきます。基本療法は、薬を飲みはじめても続けるようにしてください。
  • メトホルミンは別として、飲み薬の最終的な効果(重い合併症を防げるか、長生きできるか)は、必ずしも確かめられていません。一方、インスリン注射薬でより厳格に血糖値をコントロールすると、目の病気(網膜症)や腎臓病などの重い合併症を減らせることが証明されています。2型糖尿病でも、医師からインスリン療法をすすめられた場合は積極的に受け入れてください。
効能 2型糖尿病。ただし、ミチグリニドカルシウム水和物及びボグリボースの併用による治療が適切と判断される場合に限る。
用法 通常、成人は1回1錠(ミチグリニドカルシウム水和物/ボグリボースとして10mg/0.2mg)を1日3回毎食直前に経口服用する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 もっとも注意が必要なのは「低血糖」です。低血糖とは、必要以上に血糖値が下がってしまう状態です。おおよそ血糖値が50mg/dl以下になると低血糖特有の症状があらわれてきます。ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、目のちらつき、イライラ、ぼんやり・・といった症状です。さらに重くなると、けいれんしたり、意識を失うこともあります。すぐに糖分(ブドウ糖)を補給するようにしましょう。

人によっては、飲み始めにおなかの調子が悪くなることがあります。おなかが張ってゴロゴロしたり、軟便になり排便回数が増えたりします。重症化することはほとんどなく、しだいに慣れることが多いのですが、ひどい腹痛が続いたり嘔吐をともなうときは早めに受診してください。

そのほかの重い副作用はまずありませんが、心筋梗塞と肝機能障害の報告があるようです。頻度的にきわめてまれと考えられますが、狭心症など もともと心臓の悪い人は心筋梗塞の発現に注意が必要かもしれません。また、肝障害の初期症状として発熱、ひどい倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる といった症状があらわれた場合は、すぐ医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
  • 腸閉塞..お腹の張り、ゴロゴロ、オナラが増える、繰り返す腹痛、持続する腹痛、嘔吐。
  • 心筋梗塞..冷や汗、めまい、顔面蒼白、胸の違和感、しめ付けられるような胸の痛み。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 重い肝硬変例における高アンモニア血症の悪化..便秘、眠気、もうろう、混乱、けいれん、意識がうすれる。

【その他】
  • お腹の張り、ゴロゴロ、オナラ、排便回数増加、軟便、下痢、腹痛、便秘、吐き気、吐く、食欲不振
  • 肝機能値の異常
  • 発疹、かゆみ
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye