概説 |
高フェニルアラニン血症を改善するお薬です。 |
作用 | 高フェニルアラニン血症は、必須アミノ酸の一つフェニルアラニンの血液中濃度が上がってしまう病気です。先天的なフェニルアラニンの代謝異常が原因で、治療をおこなわないでいると、精神発達障害などを引き起こします。
このお薬は、フェニルアラニンを代謝する酵素の働きを助ける天然型テトラヒドロビオプテリン製剤です。フェニルアラニンの代謝を正常化させ、血清フェニルアラニン値を適正な値に維持します。適応となるのは2つのタイプ「異型高フェニルアラニン血症」と「テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症」に対してです。 |
特徴 | 体内に存在する天然型テトラヒドロビオプテリンを化学的に合成し製剤化した薬剤です。高フェニルアラニン血症は患者数が少ない疾患で、希少疾病用医薬品の指定を受けています。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 重い肝臓病、てんかん、けいれん発作を起こしやすい人は慎重に使用します。その病状を悪化させるおそれがあるためです。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- パーキンソン病治療薬のレボドパ製剤と併用するときは、減量するなど慎重に用います。

- 【使用にあたり】

- 症状や体重により、飲む量や飲み方が違います。ちょうどよく効いている量を、長く続けることになります。

- 【検査】

- 血清フェニルアラニン値を定期的に測定し、治療効果を確認するようにします。

- 【食生活】

- 病状によっては、フェニルアラニン制限食による食事療法が必要です。医師の指示どおりにしてください。
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効能 |

- 【効能A】

- ジヒドロビオプテリン合成酵素欠損、ジヒドロプテリジン還元酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(異型高フェニルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下

- 【効能B】

- テトラヒドロビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下
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用法 |

- 【効能A】

- 通常、サプロプテリン塩酸塩として1日2〜5mg/kgを1〜3回に分割経口服用するが、血清フェニルアラニン値が正常域に維持される用量をもって、有効維持量とする。

- 【効能B】

- 通常、サプロプテリン塩酸塩として1日10mg/kg(1〜3回に分割経口服用)から服用を開始し、臨床症状等の観察を行いながら、年齢に相応した血清フェニルアラニン値の目標値に維持される用量をもって、有効維持量とする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。ときに、便が軟らかくなったり下痢を起こすことがあります。また、肝機能値に異常がみられることがあります。イライラ感など飲み始めの精神症状は、続けているうちになくなることが多いようです。
- 軟便、下痢、腹痛、吐き気、吐く
- 不眠、イライラ感、落ち着かなさ
- けいれん、頻尿
- 肝機能異常
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