おくすり110番
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成分(一般名) タクロリムス(内用)
製品例 プログラフカプセル0.5mg~1mg~5mg、プログラフ顆粒0.2mg~1mg、グラセプターカプセル0.5mg~1mg~5mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の代謝性医薬/免疫抑制剤/生物活性物質

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 体の免疫をおさえるお薬です。臓器移植後の拒絶反応の予防や、免疫系の病気の治療に用います。
作用

【働き-1】

本来、“免疫”は、細菌やウイルス、異物などから体を守るための自然な防衛システムです。けれど一方で、臓器移植においては、拒絶反応の要因となります。

このお薬は、高ぶった免疫の働きを抑制する「免疫抑制薬」です。免疫を担当するリンパ球の働きを強力に抑制する作用があります。腎移植など臓器移植後の拒絶反応の予防に用いられています。

【働き-2】

重症筋無力症では、免疫系の異常により、神経から筋肉への信号の伝達が悪くなっています(神経筋接合部に対する自己抗体がてきてしまう病気です)。このお薬で、免疫系をおさえてあげれば、筋肉を動かす神経の働きがよくなり、症状の改善効果が期待できます。

【働き-3】

リウマチは、体の免疫系がかかわっている膠原病の一種です。関節や筋肉に強い炎症を生じ、腫れや痛みを伴います。このお薬で、免疫の亢進状態を正常化することで、関節の痛みや腫れがひき、病気の進行もおさまります。リウマチのほか、免疫系が関係している全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)や潰瘍性大腸炎などにも有効です。これらの免疫疾患においては、標準治療薬で効果不十分な場合、あるいは副作用で使用困難な場合に適応します。
特徴
  • 国内で開発された新しいタイプの免疫抑制薬です。筑波山麓の土壌で見つかった放線菌の代謝産物からつくられています。カルシニューリン阻害薬と呼ばれ、免疫系のリンパ球に特異的に作用します。特徴の一つは、他系統に比べ骨髄抑制にともなう血液障害が起こりにくい点です。
  • もともと拒絶反応抑制薬として開発されましたが、重症筋無力症や関節リウマチ、さらには潰瘍性大腸炎など免疫疾患に対する治療薬として効能が拡大されています。
  • 一般製剤の「プログラフ」に加え、1日1回服用タイプの徐放性製剤「グラセプター」も発売されました。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。
  • 事前に医師から、起こるかもしれない副作用や注意事項について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、同意のうえで使用するようにしましょう。

【注意する人】

病気によっては、その病状を悪化させるおそれがあります。ウイルス性肝炎を含め、感染症を合併している人はとくに注意が必要です。また、腎臓病や肝臓病のある人は、用量に注意するなど慎重に用いるようにします。

  • 適さないケース..妊娠中もしくはその可能性のある人。
  • 注意が必要なケース..腎臓病、肝臓病、間質性肺炎、感染症を合併している人、ウイルス性肝炎、肝炎ウイルスをもっている人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 別の免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)や、肺高血圧症治療薬のボセンタン(トラクリア)、カリウム保持性利尿薬(アルダクトンA等)、との併用は禁止されています。また、生ワクチンの予防接種も避けなければなりません。
  • ほかにも相互作用を起こす薬がたくさんあります。たとえば、高血圧の薬のカルシウム拮抗薬(ニバジール、ヘルベッサー、ワソラン等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)、アゾール系抗真菌薬(イトリゾール等)、抗不整脈薬のアミオダロン(アンカロン)、抗結核薬のリファンピシン(リファジン)やリファブチン(ミコブティン)、抗肝炎ウイルス薬のテラプレビル(テラビック)、抗てんかん薬(テグレトール、フェノバール、アレビアチン、ヒダントール等)などとの併用に注意が必要です。
  • グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなるおそれがあります。
  • セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は控えてください。この薬の作用を弱める可能性があります。

【使用にあたり】
  • 症状や体質、処方目的、また製剤の種類により 用法・用量が違います。決められた飲み方を厳守してください。
  • この薬には気難しい性質があります。量が少ないと効きませんし、逆に多すぎると副作用がでやすくなります。そのため、必要に応じ血中濃度を測定して、その人に合った量を設定する必要があります。医師により最適な服用量が決められますので、指示された量を正確に飲むようにしてください。
  • 発熱やかぜ症状を含め、この薬を服用中にいつもと違う症状があらわれたら、すぐに連絡してください。

【検査】
  • 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。
  • 体内の薬の濃度が一定に保たれているか検査することがあります。

【妊娠授乳】

動物実験で催奇形作用が報告されています。妊娠中は使用できません。もし、服用中に妊娠の可能性がでてきたら、すぐ医師に相談してください。また、服用中は授乳を控えます。

【食生活】

大量服用中は感染症にかかりやすいです。外出のときはマスクをし、うがいや手洗いをしっかりしてください。できたら、人ごみは避けたほうがよいでしょう。もし、発熱やのどの痛み、頻尿や血尿、皮膚のピリピリする痛み、発赤や水ぶくれ、下痢などがあらわれたら、すぐに受診してください。
効能
【一般製剤(プログラフ)】
  • 腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植における拒絶反応の抑制
  • 骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
  • 重症筋無力症(カプセル5mgを除く)
  • 関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)(顆粒・カプセル5mgを除く)
  • ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)(顆粒・カプセル5mgを除く)
  • 難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症〜重症に限る)
  • 多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎(顆粒を除く)

【徐放性製剤(グラセプター)】
  • 腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植における拒絶反応の抑制
  • 骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制

    ※製品により効能が一部異なります。
用法
【一般製剤(プログラフ)】
  • 腎移植..通常、移植2日前よりタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口服用する。術後初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口服用し、以後、徐々に減量する。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回経口服用を標準とするが、症状に応じて適宜増減する。なお、本剤の経口服用時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして服用量を調節すること。特に移植直後あるいは服用開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
  • 肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植..省略。
  • 骨髄移植..通常、移植1日前よりタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口服用する。移植初期にはタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口服用し、以後、徐々に減量する。また、移植片対宿主病発現後に本剤の服用を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口服用する。なお、症状に応じて適宜増減する。なお、本剤の経口服用時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして服用量を調節すること。特に移植直後あるいは服用開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
  • 重症筋無力症..通常、成人はタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口服用する。
  • 関節リウマチ..通常、成人はタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口服用する。なお、高齢者には1.5mgを1日1回夕食後経口服用から開始し、症状により1日1回3mgまで増量できる。
  • ループス腎炎..通常、成人はタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口服用する。
  • 潰瘍性大腸炎..通常、成人は、初期にはタクロリムスとして1回0.025mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口服用する。以後2週間、目標血中トラフ濃度を10〜15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら服用量を調節する。服用開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5〜10ng/mLとし服用量を調節する。
  • 多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎..通常、成人は、初期にはタクロリムスとして1回0.0375mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口服用する。以後、目標血中トラフ濃度を5〜10ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら服用量を調節する。

【徐放性製剤(グラセプター)】
  • 腎移植..通常、移植2日前よりタクロリムスとして0.15〜0.20mg/kgを1日1回朝経口服用する。以後、症状に応じて適宜増減する。プログラフ経口製剤から切り換える場合、通常、プログラフ経口製剤からの切り換え時には同一1日用量を1日1回朝経口服用する。なお、本剤の経口服用時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして服用量を調節すること。特に移植直後あるいは服用開始直後は頻回に血中濃度測定を行うこと。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
  • 肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植..省略。
  • 骨髄移植..プログラフ経口製剤から切り換える場合、通常、プログラフ経口製剤からの切り換え時には同一1日用量を1日1回朝経口服用する。なお、本剤の経口服用時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして服用量を調節すること。特に移植直後あるいは服用開始直後は頻回に血中濃度測定を行うこと。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

もっとも多く、また注意しなければならないのは「腎障害」です。とくに、もともと腎臓の悪い人、大量服用中、あるいは多剤併用時など要注意です。予防のためには、薬の血中濃度測定による服用量の適正化と、定期的な腎臓の検査が欠かせません。

そのほか、高血圧、高血糖、ふるえ、頭痛、ほてり、吐き気などもかなりの頻度でみられます。また、多くはありませんが、心筋障害、血液障害、神経系障害、ウイルス性肝炎の再発を含め各種の感染症などにも注意が必要です。いつもと違う症状に気づいたらすぐ医師に連絡してください。

すぐに起こる副作用ではありませんが、将来的に白血病やリンパ腫、皮膚がんなどの悪性腫瘍の発現リスクが少し高まる可能性があります。このへんのことも含め、治療上の有用性と危険性についてよく相談しておくとよいでしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 心筋障害..胸の痛み・圧迫感、息苦しい、疲れやすい、むくみ、体重増加、動悸。
  • 神経系障害..ふるえ、けいれん、うまく話せない、混乱状態、もうろう状態、意識の乱れ
  • 脳卒中..頭痛、めまい・ふらつき、片側の手足のしびれ・まひ、力が入らない、うまく話せない、物が二重に見える、意識がうすれる
  • 血栓性微小血管障害..皮下出血(血豆・青あざ)、歯肉出血など出血傾向、疲れやすい、むくみ、尿量減少
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • イレウス(腸閉塞)..お腹が張る・膨れる、吐き気、吐く、便秘、腹痛。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹・発赤、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、水ぶくれ、膿む、皮がむける、強い痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 呼吸困難..息苦しい、呼吸が荒い。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 重い感染症..発熱、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、けん怠感、下痢、皮膚がピリピリ痛い、皮膚の発赤・水ぶくれ・できもの。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 膵炎..上腹部〜背中の強い痛み、吐き気、吐く。
  • 高血糖、糖尿病..異常にのどが渇く、水をがぶ飲み、多尿、頻尿、体重増加または減少。
  • リンパ腫、皮膚がん、その他の悪性腫瘍..リンパ節のはれ、発熱、食欲不振、体重減少、出血傾向、皮膚にできもの、ホクロの異常(かゆい、痛い、出血、潰瘍)。

【その他】
  • 血圧上昇、ふるえ、頭痛、ほてり
  • 吐き気、吐く、腹部膨満感
  • 腎臓・肝機能値の異常
  • 高カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、低マグネシウム血症
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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