おくすり110番
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成分(一般名) エベロリムス
製品例 サーティカン錠0.25mg~0.5mg~0.75mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の代謝性医薬/免疫抑制剤/免疫抑制剤(mTOR阻害剤)

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 体の免疫をおさえるお薬です。心臓、腎臓、肝臓の移植後の拒絶反応の予防に用います。
作用本来、“免疫”は、細菌やウイルス、異物などから体を守るための自然な防衛システムです。けれど一方で、臓器移植においては、拒絶反応の要因となり、移植臓器の生着を妨げます。

このお薬は「免疫抑制薬」です。免疫を担当するリンパ球の増殖をおさえ、免疫の働きを抑制します。臓器移植に用いれば、拒絶反応を防ぎ生着を助けることができます。心臓、腎臓または肝臓の移植時において適応となります。
特徴
  • 新しいタイプの免疫抑制薬です。カルシニューリン阻害薬のシクロスポリン(ネオーラル)やタクロリムス(プログラフ、グラセプター)とは作用機序が違います。そのため、カルシニューリン阻害薬や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬)といっしょに使用することにより、相乗的に治療効果が高まります。
  • 今後、国内または海外で心臓移植がおこなわれるケースが増えてくると予想されます。この薬が使用できるようになり、長期生命予後がいっそう改善されると期待されています。
  • 心移植にくわえ、腎移植について2011年に、肝移植については2018年に効能が追加されました。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。
  • 事前に医師から、起こるかもしれない副作用や注意事項について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。

【注意する人】

病気によっては、その病状を悪化させるおそれがあります。ウイルス性肝炎をふくめ、感染症を合併している人はとくに注意が必要です。また、肝臓の悪い人は薬の血中濃度が上昇するおそれがあるため、服用量を半減するなど慎重に用いるようにします。

  • 適さないケース..妊娠中もしくはその可能性のある人。
  • 注意が必要なケース..肝臓病、腎臓病、高脂血症、感染症を合併している人、ウイルス性肝炎、肝炎ウイルスをもっている人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 生ワクチンの予防接種は避けなければなりません。免疫抑制下で、病原性があらわれるおそれがあるためです。
  • 抗結核薬のリファンピシン(リファジン)や、フェノバルビタールなど一部の抗てんかん薬と併用すると、この薬の血中濃度が低下する可能性があります。
  • 逆に、この薬の血中濃度が上昇する飲み合わせもあります。マクロライド系抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)やクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)やフルコナゾール(ジフルカン)、ボリコナゾール(ブイフェンド))、高血圧の薬のジルチアゼム(ヘルベッサー)やニカルジピン(ペルジピン)、リトナビルその他を含有する一部の抗ウイルス薬(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)などです。
  • グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなるおそれがあります。
  • セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は控えてください。この薬の作用を弱める可能性があります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を厳守してください。この薬には気難しい性質があります。量が少ないと効きませんし、逆に多すぎると副作用がでやすくなります。そのため、血中濃度を測定して、その人に合った量を用いるようにします。医師により最適な服用量が決められますので、指示された量を正確に飲むようにしてください。
  • ふつう、1日2回飲みます。食後にするのか、空腹時に飲むのかは医師が決めます。指示された一定の条件下で服用する必要があります。
  • 発熱やかぜ症状を含め、この薬を服用中にいつもと違う症状があらわれたら、すぐに連絡してください。

【検査】
  • 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。
  • 体内の薬の濃度が一定に保たれているか検査することがあります。

【妊娠授乳】

動物実験で胎児毒性が報告されています。妊娠中は使用できません。もし、服用中に妊娠の可能性がでてきたら、すぐ医師に相談してください。また、服用中は授乳を控えます。

【食生活】

免疫抑制下では感染症にかかりやすいです。外出のときはマスクをし、うがいや手洗いをしっかりしてください。できたら、人ごみは避けたほうがよいでしょう。もし、発熱やのどの痛み、頻尿や血尿、皮膚のピリピリする痛み、発赤や水ぶくれ、下痢などがあらわれたら、すぐに受診してください。
効能 下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
  • 心移植
  • 腎移植
  • 肝移植
用法

【心移植の場合】

通常、成人はエベロリムスとして1.5mgを、1日2回に分けて経口服用する。なお、開始用量は1日量として3mgまでを用いることができる。患者の状態やトラフ濃度によって適宜増減する。

【腎移植の場合】

通常、成人はエベロリムスとして1.5mgを、1日2回に分けて経口服用する。患者の状態やトラフ濃度によって適宜増減する。

【肝移植の場合】

通常、成人はエベロリムスとして2.0mgを、1日2回に分けて経口服用する。患者の状態やトラフ濃度によって適宜増減する。なお、原則、エベロリムスの服用開始は移植後4週以降とする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

併用薬のシクロスポリンによるものを含め、もっとも多く、また注意しなければならないのは「腎障害」です。とくに、もともと腎臓の悪い人、大量服用中、あるいは多剤併用時など要注意です。予防のためには、薬の血中濃度測定による服用量の適正化と、定期的な腎臓の検査が欠かせません。

そのほか、白血球減少や血小板減少など血液成分の異常、高脂血症や高尿酸血症、高血圧などもかなりの頻度でみられます。また、細菌や真菌あるいはウイルスなどによる感染症にも十分な注意が必要です。発熱など、いつもと違う症状に気づいたらすぐ医師に連絡してください。

すぐに起こる副作用ではありませんが、将来的に白血病やリンパ腫、皮膚がんなどの悪性腫瘍の発現リスクが少し高まる可能性があります。このへんのことも含め、治療上の有用性と危険性についてよく相談しておくとよいでしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 重い感染症..発熱、けん怠感、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、嘔吐、下痢、皮膚発赤・小水疱・ピリピリ痛い、水ぶくれ、できもの。
  • 白血球など血球減少..発熱、のどの痛み、口内炎、咳、だるい、息切れ、動悸、疲労、めまい、顔色が悪い、出血傾向(皮下出血、鼻血、歯肉出血、血尿)、血便、吐血。
  • 血栓性微小血管障害..皮下出血(血豆・青あざ)、歯肉出血など出血傾向、疲れやすい、むくみ、尿量減少
  • 白質脳症..頭痛、もの忘れ、ボーとする、歩行時のふらつき、手足のしびれ・まひ、うまく話せない、動作がにぶる、けいれん、二重に見える、見えにくい。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 心嚢液貯留..息切れ、息苦しい、胸が苦しい。
  • 高血糖、糖尿病..異常にのどが渇く、水をがぶ飲み、多尿、頻尿、体重増加または減少。
  • 静脈血栓症、肺塞栓症..手足(特にふくらはぎ)の痛み・はれ・むくみ・しびれ、爪の色が紫、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急な視力低下、視野が欠ける、目が痛む。
  • リンパ腫、皮膚がん、その他の悪性腫瘍..リンパ節のはれ、発熱、食欲不振、体重減少、出血傾向、皮膚にできもの、ホクロの異常(かゆい、痛い、出血、潰瘍)。

【その他】
  • 吐き気、吐く、腹痛、下痢
  • 発熱、ふるえ
  • 血圧上昇、浮腫
  • 口内炎、にきび、関節痛、創傷治癒不良
  • 白血球減少、血小板減少、貧血
  • 高脂血症、高尿酸血症、肝機能検値異常
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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