概説 |
がん細胞をおさえるお薬です。白血病の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 細胞の遺伝情報を持つ“DNA”が作られるのを妨害して、がん細胞の分裂増殖をおさえます。おもに、急性白血病の治療に用いられますが、骨髄異形成症候群の適応もあります。

- 【薬理】

- DNAポリメラーゼを阻害することにより抗腫瘍作用を発揮します。そのようにして核酸の代謝系をじゃますることから、「代謝拮抗薬」と呼ばれる部類に入ります。
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特徴 |
- シトシン系の代謝拮抗薬です。略号はSPAC。体内で活性物質のシタラビン(Ara-C)に変換するプロドラッグです。
- がん細胞を徹底してたたく必要のある寛解導入期には、同系薬による強力な点滴治療がおこなわれます。
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注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。
- 事前に医師から、起こるかもしれない副作用や注意事項について十分説明を受けてください。

- 【注意する人】

- 病気によっては、その病状を悪化させるおそれがあります。肝臓の悪い人は、用量に注意するなど慎重に用いるようにします。
- 注意が必要なケース..骨髄抑制、感染症、肝臓病のある人、高齢の人、子供など。
 【使用にあたり】
- 病状や治療方針によって飲み方が違います。決められた治療スケジュールにそって正確に服用してください。
- 吐き気や嘔吐、下痢、口内炎、また、発熱やかぜ症状を含め、この薬を服用中にいつもと違う症状があらわれたら、すぐに医師と相談してください。

- 【検査】

- 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。
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効能 |

- 【効能A】

- 成人急性非リンパ性白血病(強力な化学療法が対象となる症例にはその療法を優先する。)

- 【効能B】

- 骨髄異形成症候群(Myelodysplastic Syndrome)
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用法 |

- 【効能A】

- シタラビン オクホスファートとして、1日100〜300mgを2〜3週間連続経口服用し、2〜3週間休薬する。これを繰り返す。なお、服用量は疾患、症状等により適宜増減する。本剤の服用時期は食後とし、1日1〜3回に分けて服用する。

- 【効能B】

- シタラビン オクホスファートとして、1日100〜200mgを2〜3週間連続経口服用し、2〜3週間休薬する。これを繰り返す。なお、服用量は疾患、症状等により適宜増減する。本剤の服用時期は食後とし、1日1〜3回に分けて服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
吐き気や嘔吐、下痢、口内炎など、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。
副作用でもっとも重要なのが「骨髄抑制」にともなう血液障害です。白血球が異常に減少すると、体の抵抗力がひどく落ちて感染症にかかりやすくなります。また、血小板減少により出血を生じることもあります。発熱やのどの痛み、あるいは歯茎出血・皮下出血など出血傾向がみられたら、ただちに医師に連絡してください。
そのほかで注意が必要なのは、間質性肺炎などの肺障害です。から咳、息切れ、息苦しさ、発熱といった症状に注意してください。予防のために、頻回な検査が欠かせません。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 重い感染症..発熱、けん怠感、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、嘔吐、下痢、皮膚がピリピリ痛い、皮膚の発赤・水ぶくれ・できもの。
- 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
 【その他】
- 食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
- 口内炎、発疹、脱毛
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