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成分(一般名) 葛根湯加川きゅう辛夷
製品例 クラシエかっ根湯加川きゅう辛夷エキス細粒、クラシエかっ根湯加川きゅう辛夷エキス細粒 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 漢方/漢方/漢方製剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 鼻づまりや慢性鼻炎に用いる漢方薬です。
作用

【働き】

葛根湯加川きゅう辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)という方剤です。鼻づまりを改善する効果が期待できます。比較的体力があり、頭重感や肩こりを伴う人に向いています。

【組成】

漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。葛根湯加川きゅう辛夷は、主薬の“葛根”をはじめ、下記の7種類の生薬からなります。薬理的に重要な役割をする“麻黄”には、交感神経刺激薬のエフェドリン類が含まれます。この成分は、西洋医学の血管収縮薬と同様の作用を示し、鼻粘膜の腫れをおさえます。そのほか、おだやかな発汗・発散作用のある“桂皮”、痛みをやわらげる“芍薬”、鼻の通りをよくする“辛夷”などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  • 葛根(カッコン)
  • 麻黄(マオウ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 辛夷(シンイ)
特徴
  • 病院でも、鼻づまりや慢性鼻炎の治療にわりとよく処方されています。葛根湯に“川きゅう”と“辛夷”を加えたもので、出典は「本朝経験方」という古典書です。
  • 方剤構成から“麻黄剤”に分類されます。漢方薬理的には、体を温め病気を発散して治す“辛温発表剤”の部類です。
  • 適応証(体質)は、寒証(冷え)、中間証(体力中くらい)となります。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

どちらかというと体力の充実している「実証」向けの方剤です。したがって、体の虚弱な「虚証」の人、胃腸の調子の悪い人、また、発汗の多い人には向きません。

麻黄には、心臓や血管に負担をかける交感神経刺激薬のエフェドリン類が含まれます。そのため、高血圧や心臓病、脳卒中既往など循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。

  • 注意が必要なケース..虚証・裏証(虚弱、病中・病後の衰弱期)、発汗の多い人、胃腸の病気、循環器系に病気または既往歴のある人(高血圧、心臓病、脳卒中)、腎臓病、排尿障害、甲状腺機能亢進症のある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

エフェドリンやテオフィリンなど交感神経刺激作用のある薬との併用は慎重におこないます。また、芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

  • 飲み合わせに注意..他の麻黄剤、エフェドリン類含有製剤、甲状腺製剤(チラーヂン)、カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン)、テオフィリン(テオドール)、甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

【使用にあたり】
  • ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。
  • もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
  • 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

【備考】
  • 漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。
  • 漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。
  • 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、葛根湯加川きゅう辛夷をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
効能 鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎。
用法 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、胃の不快感や食欲不振、吐き気などを催します。また、動悸や不眠、発汗過多などもまれにみられます。つらいときは、早めに受診してください。

重い副作用はまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。

【その他】
  • 胃の不快感、食欲不振、吐き気、吐く、下痢
  • 動悸、不眠、発汗過多、尿が出にくい、イライラ感
  • 発疹、発赤、かゆみ
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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