おくすり110番
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成分(一般名) 加味逍遙散
製品例 ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)、クラシエ加味逍遙散料エキス細粒 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 漢方/漢方/漢方製剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 冷えのぼせ、生理不順、更年期障害などに用いる漢方薬です。
作用

【働き】

漢方では、血流の異常を”お血”(おけつ)および“血虚”(けっきょ)という概念でとらえます。”お血”は血流停滞、“血虚”は血流不足とみなせます。女性の月経トラブルを含め、いやゆる“血の道症”には、そのような血流異常を改善する方剤が使われます。

その一つが加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱をさまします。また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。どちらかというと女性向けで、体が虚弱で疲れやすく、イライラや不安感をともなうときに向きます。

具体的には、手足の冷え、のぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに適応します。また、そのような症状をともなう更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも好適です。

【組成】

漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。加味逍遙散には、血流をよくして体をあたためるもの、上半身の熱をさますもの、痛みをやわらげるもの、無駄な水分を取り除くもの、あるいは滋養作用をもつ生薬などがいろいろと配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  • 柴胡(サイコ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 蒼朮(ソウジュツ)
  • 当帰(トウキ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 牡丹皮(ボタンピ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 薄荷(ハッカ)
特徴
  • よく処方される漢方薬の一つです。宋時代の「和剤局方」という古典書で紹介されています。
  • 適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)、お血(血流停滞)、気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)となります。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中の人は医師に申し出てください。
  • 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢など、胃腸の弱っている人は慎重に用いる必要があります。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

  • 飲み合わせに注意..甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

【使用にあたり】
  • ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。
  • もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
  • 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

【妊娠・授乳】

配合生薬の牡丹皮により、妊娠によくない影響をする可能性があります。大量でなければまず心配ないのですが、妊娠中の服用については医師とよく相談してください。

【備考】
  • 漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。
  • 漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。
  • 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、加味逍遙散をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
効能

【ツムラ・他】

体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症。

  • 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症。

【コタロー】

頭痛、頭重、のぼせ、肩こり、けん怠感などがあって食欲減退し、便秘するもの。

  • 神経症、不眠症、更年期障害、月経不順、胃神経症、胃アトニー症、胃下垂症、胃拡張症、便秘症、湿疹。
用法 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(以上ツムラ、他の製品は省略)。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。

そのほか、肝障害と腸間膜静脈硬化症が報告されているようです。万一のことですが、ひどい倦怠感、強い吐き気、皮膚や白目が黄色くなる、腹痛や下痢または便秘が続く といった症状に注意し、そのような場合は医師に報告してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 腸間膜静脈硬化症..長期服用時に腹痛・下痢・便秘・腹部膨満などが繰り返しあらわれる、便潜血陽性。

【その他】
  • 胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢
  • 発疹、発赤、かゆみ
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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