概説 |
どの腫れや咳に用いる漢方薬です。 |
作用 | 
- 【働き】

- 桔梗石膏(キキョウセッコウ)という方剤です。扁桃炎や咽頭炎などで、のどが腫れて発赤し、咳をともなうときに適します。

- 【組成】

- 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。桔梗石膏の構成生薬は、“桔梗”と“石膏”の2種類です。桔梗には痰や膿を排出する働きがあります。石膏は硫酸カルシウムを主成分とする天然の石で、熱や炎症をひく強い作用があるといわれます。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
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特徴 |
- 葛根湯や小柴胡湯など他の方剤と合わせて用いることが多いです。
- 適応証(体質)は、実〜中間証(比較的体力充実)、熱証(炎症)となります。
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注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 体の弱っている人や胃腸の弱い「虚証」の人、また、冷えの強い人には向きません。
 【使用にあたり】
- ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。
- もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
- 一般的には、症状のひどいときだけ飲むようにします。長期の服用には適しません。
- 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。
 【備考】
- 漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。
- 漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。
- 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、桔梗石膏をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
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効能 |
咳嗽あるいは化膿するもの。 |
用法 |
通常、成人1日6.0gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、服用時にむかついたり、食欲がなくなるかもしれません。しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。
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