概説 |
細菌を殺菌するお薬です。鼻のなかのMRSAという細菌の除菌に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- MRSAとは、「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」の略称です。ペニシリン系のメチシリンという抗生物質をはじめ、ほとんどの抗生物質が効かないやっかいな細菌です(耐性菌)。
健康な人がこの菌を持っていても、それ以上は増殖しないので、発病することはありません。けれど、体の抵抗力が落ちている人や、手術のあとにいったん感染すると、重症化し治りにくくなります。対策を怠ると、院内感染で広がることもあります。
このお薬は、MRSAによく効く特殊な抗菌薬です。鼻のなかに潜んでいるMRSAを除菌するのに用います。MRSA感染症発症の危険性の高い人や、そのような人に菌を移す可能性のある医療従事者(保菌者)が使用します。

- 【薬理】

- 細菌の蛋白質の合成を阻害することで、抗菌力を発揮します。
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注意 |

- 【診察で】

- アレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- アレルギーのある人や、鼻腔内に傷のある人は慎重に用います。
 【使用にあたり】
- 指示されたとおりに使用してください。ふつう、1日3回鼻腔内に塗布します。
- 新たな耐性菌の発現を防ぐため、必要最小限の期間にとどめるようにします(3日間程度)。
- うがい、手洗いなど他の適切なMRSA感染対策を講じた上で使用します。そうでなければ、あまり意味がありません。
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効能 |

- 【適応菌種】

- ムピロシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

- 【適応症】

- 次の患者及び個人の保菌する鼻腔内のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の除菌
- MRSA感染症発症の危険性の高い免疫機能の低下状態にある患者(易感染患者)
- 易感染患者から隔離することが困難な入院患者
- 易感染患者に接する医療従事者
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用法 |
通常、適量を1日3回鼻腔内に塗布する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はまずありません。鼻に軽い刺激感がある程度です。万一、体に発疹や発赤があらわれたら、医師に連絡してください。
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