概説 |
細菌を殺菌するお薬です。腸内の殺菌に用います。 |
作用 |
- 【働き】
- 細菌が原因の下痢症に用います。そのほか、肝性脳症の要因となる腸内のアンモニア産生菌をおさえるのにも応用されます。
- 【薬理】
- 細菌の蛋白質の合成を阻害して、殺菌的に作用します。
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特徴 |
- アミノグリコシド系の抗生物質です。とくに、大腸菌や赤痢菌などグラム陰性桿菌に強い抗菌力を示します。
- この系統の飲み薬は体内に吸収されないので、腸の感染症以外の病気には用いません。
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注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬は、医師に伝えてください。
- 【注意する人】
- 腎臓の悪い人や高齢の人は副作用がでやすいので、慎重に用います。
- 注意が必要なケース..腎臓病、難聴、腸管に潰瘍のある人、高齢の人など。
【使用にあたり】
- 決められた飲み方を守ってください。症状、年齢、製剤によって用法用量が異なります。コップ1杯ほどの十分な水で飲んでください。
- 指示された期間きちんと続けましょう。症状によっては、少し長めになるかもしれません。自分だけの判断で止めてしまうと、再発したり治りにくくなるおそれがあります。
- 【備考】
- 抗生物質の効きにくい細菌が増えています。ある調査によると、中耳炎を起こす肺炎球菌の7割が抵抗力を持っていたそうです。このような耐性菌を増やさないため、欧米では抗生物質の安易な使用は慎まれています。
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効能 |
- 【適応菌種】
- カナマイシンに感性の大腸菌、赤痢菌、腸炎ビブリオ
- 【適応症】
- 感染性腸炎
- 【応用】
- 肝性脳症
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用法 |
カナマイシンとして、通常成人1日2〜4g(力価)を4回に分割経口服用する。小児は体重1kg当り50〜100mg(力価)を4回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
体内にほとんど吸収されないので、副作用は少ないです。長期服用時は、腎障害や難聴に念のため注意してください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
- 難聴..めまい、回転性めまい、耳鳴り、聞こえにくい。
【その他】
- 食欲不振、吐き気、軟便、下痢
- 発疹、口内炎
- 長期服用で、ビタミン欠乏症(出血傾向、口内炎、神経炎)
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