おくすり110番
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成分(一般名) エリスロマイシン
製品例 エリスロマイシン錠、(アイロタイシン錠) ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 主にg陽性菌,マイコプラズマ用剤/エリスロマイシン/マクロライド系抗生物質製剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 細菌を殺菌するお薬です。細菌が原因のいろいろな病気に用います。
作用

【働き】

感染症は、病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気です。腫れや発赤を生じ、ときに化膿し、痛みや発熱により苦痛をもたらします(実は、このような症状は病原微生物と戦うための体の防衛システムでもあるのです)。

病原微生物には、細菌やウイルス、真菌(カビ)などが含まれます。このお薬が有効なのは おもに“細菌”による感染症です。グラム陽性菌をはじめ、マイコプラズマやクラミジアという細菌にも有効です。病原菌が死滅すれば、腫れや発赤がおさまり、痛みがとれ、熱があれば解熱します。

いろいろな細菌に有効なので、呼吸器や耳鼻科領域を中心に各科で広く使われています。のどの痛みや発熱をともなう“かぜ”にも処方されます。本来、インフルエンザを含め一般的なウイルス性の“かぜ”には無効なのですが、細菌による二次感染時やその予防のために用いることがあります。

【薬理】

作用面からは蛋白合成阻害薬に分類されます。すなわち、細菌内に取り込まれたあと、蛋白合成開始複合体(70Sリボゾーム)の構成物質(50S)に結合し その機能を妨げ、蛋白鎖の伸長を阻害することにより細菌の発育を阻止するのです。この系統は、一般的には静菌的に作用しますが、高濃度では殺菌的作用を示します。抗菌スペクトラムは、グラム陽性を中心に、陰性菌の一部、嫌気性菌、さらには非定型菌のマイコプラズマ、クラミジアやレジオネラなどに抗菌活性を示します。

抗菌作用とは違う作用も見つかっています。炎症にかかわるT細胞や好中球の働きを抑えて組織の障害を防いだり、過剰な粘液分泌を抑制する作用です。このような新作用から、びまん性汎細気管支炎、慢性副鼻腔炎、滲出性中耳炎などの慢性炎症性疾患に応用されることがあります。この場合、比較的少量を長期間使用します。さらに、緑膿菌などある種の細菌が作る防御膜‘バイオフィルム’を破壊する作用も知られています。本来、緑膿菌には無効なのですが、他の抗菌薬と併用することで抗菌力の増強が見込めるのです。
特徴
  • マクロライド系を代表する抗生物質です。レンサ球菌や肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジアなどに有効です。ただし、肺炎球菌への作用はβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)より劣ります。また、効き目の悪い耐性菌が増えています。
  • 胃酸に不安定で、吸収性がよくないのが欠点です。頻回な服用を必要とすることから、胃腸障害や肝障害の副作用もみられます。実績のある歴史の長い抗生物質ですが、最近は胃酸の影響を受けにくいニューマクロライドに処方が移っています。
  • この系統の一番の特徴は、一般的な抗生物質(βラクタム系)が効かない非定型菌のマイコプラズマやクラミジアに有効なことです。子供のマイコプラズマ肺炎には、たいていこの系統が処方されます。
  • マクロライド系のうち14員環マクロライドに分類されます。この仲間は「マクロライド長期少量投与療法」としても効果をあげています。直接的な抗菌作用を目的とせず、少量の服用を長期間続ける治療法です。びまん性汎細気管支炎(DPB)、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎などの治療に試みられています。作用機序はよく分かっていませんが、免疫細胞(T細胞、好中球)に対する作用、粘液分泌抑制作用、細菌の防御膜(バイオフィルム)の破壊作用などによるものと考えられています。
  • アレルギーを起こすことが少なく、ペニシリン系やセフェム系抗生物質にアレルギーのある人にも注意して使用できます。相互作用を起こしやすい性質があるので飲み合わせには十分な注意が必要です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬は、医師に伝えてください。

【注意する人】
  • 肝臓病や心臓病のある人は慎重に用います。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、医師に報告しておきましょう。

  • 安定剤のピモジド(オーラップ)とは併用できません。併用により不整脈を起こすおそれがあります。また、エルゴタミン系の片頭痛薬のクリアミンやジヒデルゴットも併用禁止です。
  • 心臓の薬のジギタリス薬や抗不整脈薬のジソピラミドと併用すると不整脈などの副作用がでやすくなります。
  • そのほか、いろいろな薬の血中濃度を上昇させ、その副作用を強める可能性があります。喘息の薬のテオフィリン(テオドールなど)、抗凝血薬のワルファリン、抗けいれん薬のカルバマゼピン(テグレトール)やバルプロ酸(デパケン)、免疫抑制薬のシクロスポリンやタクロリムス、コレステロール低下薬のスタチン薬・・これらとは慎重に併用します。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を守ってください。症状、年齢、製剤によって用法用量が異なります。症状が重いときは、多めになることがあります。
  • 時間毎(6時間毎等)のほか、食事に合わせて食後に飲むことも多いです。コップ1杯ほどの十分な水で飲んでください。
  • 指示された期間きちんと続けましょう。症状によっては、少し長めになるかもしれません。自分だけの判断で止めてしまうと、再発したり治りにくくなるおそれがあります。
  • ふつう、3〜4日も飲めば治ってきます。もし、効果がなかったり、かえって悪化する場合は、早めに受診してください。薬が合っていないかもしれません。
  • 慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎、びまん性汎細気管支炎(DPB)では、長期服用になることがあります(数カ月〜数年)

【備考】

抗生物質の効きにくい細菌が増えています。ある調査によると、中耳炎を起こす肺炎球菌の7割が抵抗力を持っていたそうです。このような耐性菌を増やさないため、欧米では抗生物質の安易な使用は慎まれています。
効能

【適応菌種】

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌、ジフテリア菌、赤痢菌、軟性下疳菌、百日咳菌、破傷風菌、ガス壊疽菌群、梅毒トレポネーマ、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、マイコプラズマ属、赤痢アメーバ

【適応症】
  • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
  • 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎
  • 骨髄炎
  • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染
  • 膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎
  • 淋菌感染症、軟性下疳、梅毒、性病性(鼠径)リンパ肉芽腫
  • 感染性腸炎
  • 子宮内感染、子宮付属器炎
  • 涙嚢炎、麦粒腫
  • 外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎
  • 歯冠周囲炎
  • 猩紅熱、ジフテリア、百日咳
  • 破傷風、ガス壊疽
  • アメーバ赤痢
用法 通常、成人はエリスロマイシンとして1日800〜1200mg(力価)を4〜6回に分割経口服用する。小児は1日体重1kgあたり25〜50mg(力価)を4〜6回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、小児用量は成人量を上限とする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。ときに、吐き気や胃痛、下痢などの胃腸症状があらわれます。軽ければたいてい心配ないですが、ひどい症状が続くときは早めに受診してください。

そのほか重い副作用として、大腸炎、肝障害、皮膚障害などの報告もあります。これらは、きわめてまれな副作用ですが、とくに高齢の人、また長期服用時などは注意が必要です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 大腸炎..激しい腹痛、頻回な下痢、発熱、血液便、下血。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 急性腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 胃痛、腹痛、吐き気、軟便、下痢
  • 発疹、じん麻疹
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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