おくすり110番
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成分(一般名) クラリスロマイシン
製品例 クラリス錠200、クラリス錠50小児用、クラリスドライシロップ10%小児用、クラリシッド錠200mg、クラリシッド錠50mg小児用、クラリシッド・ドライシロップ10%小児用 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 主にg陽性菌,マイコプラズマ用剤/マクロライド系抗生物質/酸安定性・持続型マクロライド系抗生剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 細菌を殺菌するお薬です。細菌が原因のいろいろな病気に用います。
作用

【働き】

感染症は、病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気です。腫れや発赤を生じ、ときに化膿し、痛みや発熱により苦痛をもたらします(実は、このような症状は病原微生物と戦うための体の防衛システムでもあるのです)。

病原微生物には、細菌やウイルス、真菌(カビ)などが含まれます。このお薬が有効なのは おもに“細菌”による感染症です。グラム陽性菌や一部の陰性菌をはじめ、マイコプラズマやクラミジアという細菌にも有効です。病原菌が死滅すれば、腫れや発赤がおさまり、痛みがとれ、熱があれば解熱します。

いろいろな細菌に有効なので、呼吸器や耳鼻科領域を中心に各科で広く使われています。のどの痛みや発熱をともなう“かぜ”にも処方されます。本来、インフルエンザを含め一般的なウイルス性の“かぜ”には無効なのですが、細菌による二次感染時やその予防のために用いることがあります。

【薬理】

作用面からは蛋白合成阻害薬に分類されます。すなわち、細菌内に取り込まれたあと、蛋白合成開始複合体(70Sリボゾーム)の構成物質(50S)に結合し その機能を妨げ、蛋白鎖の伸長を阻害することにより細菌の発育を阻止するのです。この系統は、一般的には静菌的に作用しますが、高濃度では殺菌的作用を示します。とくにクラリスロマイシン(この薬)は胃酸による影響を受けにくく高い血中濃度が得られることから、作用条件や菌種によっては臨床用量でも十分殺菌的に働くとされます。抗菌スペクトラムは、グラム陽性を中心に、陰性菌の一部、嫌気性菌、さらには非定型菌のマイコプラズマ、クラミジアやレジオネラなどに抗菌活性を示します。

抗菌作用とは違う作用も見つかっています。炎症にかかわるT細胞や好中球の働きを抑えて組織の障害を防いだり、過剰な粘液分泌を抑制する作用です。このような新作用から、びまん性汎細気管支炎、慢性副鼻腔炎、滲出性中耳炎などの慢性炎症性疾患に応用されることがあります。この場合、比較的少量を長期間使用します。さらに、緑膿菌などある種の細菌が作る防御膜‘バイオフィルム’を破壊する作用も知られています。本来、緑膿菌には無効なのですが、他の抗菌薬と併用することで抗菌力の増強が見込めるのです。
特徴
  • マクロライド系の代表的な抗生物質です。肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどに有効です。ただし、肺炎球菌とインフルエンザ菌への作用はβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)よりやや劣ります。また、効き目の悪い耐性菌が増えています。
  • 従来のエリスロマイシンを改良した新タイプのニューマクロライドです。エリスロマイシンの弱点である胃酸による不活化をほとんど受けず、体内によく吸収されます。高い血中濃度と半減期の延長が得られ、組織移行性にも優れます。通常1日2回の服用で、十分な治療効果が得られます。
  • この系統の一番の特徴は、一般的な抗生物質(βラクタム系)が効かない非定型菌のマイコプラズマやクラミジアに有効なことです。子供のマイコプラズマ肺炎には、たいていこの系統が処方されます。尿中への排泄が良好なことからクラミジア・トラコマテイスを適応菌種とする尿道炎や子宮頸管炎にも適用可能です。また、胃潰瘍の原因菌‘ピロリ菌’の除菌療法にも有用で保険適応症として承認されています。
  • マクロライド系のうち14員環マクロライドに分類されます。この仲間は「マクロライド長期少量投与療法」としても効果をあげています。直接的な抗菌作用を目的とせず、少量の服用を長期間続ける治療法です。びまん性汎細気管支炎(DPB)、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎などの治療に試みられています。作用機序はよく分かっていませんが、免疫細胞(T細胞、好中球)に対する作用、粘液分泌抑制作用、細菌の防御膜(バイオフィルム)の破壊作用などによるものと考えられています。
  • アレルギーを起こすことが少なく、ペニシリン系やセフェム系抗生物質にアレルギーのある人にも注意して使用できます。相互作用を起こしやすい性質があるので飲み合わせには十分な注意が必要です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬は、医師に伝えてください。

【注意する人】

心臓病や低カリウム血症のある人は、不整脈の発現に念のため注意が必要です。

  • 注意が必要なケース..心臓病、低カリウム血症、肝臓病、腎臓病のある人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。特徴的なのは、いろいろな薬の分解を遅らせ、その血中濃度を上昇させる点です。したがって、併用薬の副作用増強にとくに注意しなければなりません。使用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病気で受診するときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。以下の例は一部にすぎません。

  • 安定薬のピモジド(オーラップ)とはいっしょに飲めません。併用によりピモジドの血中濃度が上昇し不整脈など心血管系副作用がでやすくなるためです。睡眠薬のスボレキサント(ベルソムラ)、エルゴタミン系の頭痛薬のクリアミン、コレステロール低下薬のロミタピド(ジャクスタピッド)、抗血栓薬のチカグレロル(ブリリンタ)、抗がん薬のイブルチニブ(イムブルビカ)、C型慢性肝炎治療薬のアスナプレビル(スンベプラ、ジメンシー)、肺高血圧症治療薬のタダラフィル(アドシルカ)、心不全治療薬のイバブラジン(コララン)、抗悪性腫瘍薬のベネトクラクス(慢性リンパ性白血病の用量漸増期)(ベネクレクスタ)、抗精神病薬のルラシドン(ラツーダ)、がん悪液質治療薬のアナモレリン(エドルミズ)なども、それらの副作用増強のため併用禁止です。
  • 肝臓病や腎臓病のある人で、痛風やベーチェト病の治療にコルヒチンを飲んでいる人は、この薬を飲まないでください。それ以外の人も、併用のさいはコルヒチンによる中毒症状に注意が必要です。
  • 利尿薬のトルバプタン(サムスカ)との併用は避けることが望ましいです。併用する場合は、トルバプタンの減量を考慮します。
  • 禁止ではありませんが、喘息の薬のテオフィリン(テオドール)、抗血栓薬のワルファリン(ワーファリン)やダビガトラン(プラザキサ)、エドキサバン(リクシアナ)、睡眠薬のトリアゾラム(ハルシオン)、安定薬のクエチアピン(セロクエル)、抗けいれん薬のカルバマゼピン(テグレトール)、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン)やタクロリムス(プログラフ)、降圧薬のカルシウム拮抗薬(アダラート、ノルバスク、ワソラン等)、抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)、さらにスタチン系のコレステロール低下薬(メバロチン、リピトール、クレストール等)やトリプタン系の片頭痛治療薬(イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージ等)、スルホニル尿素系血糖降下薬(オイグルコン、アマリール等)なども要注意です。併用により、これらの血中濃度が上昇する可能性があります。
  • 心臓の薬のジギタリス薬(ジゴシン、ラニラピッド等)や抗不整脈薬のジソピラミド(リスモダン、ノルペース等)と併用すると、これらの血中濃度が上昇し不整脈などの副作用がでやすくなるかもしれません。必要であれば投与量を調節します。
  • 結核の薬のリファンピシン(リファジン)やリファブチン(ミコブティン)、抗ウイルス薬のエトラビリン(インテレンス)との併用により、この薬の作用が減弱する可能性があります。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を守ってください。症状、年齢、製剤によって用法用量が異なります。症状が重いときは、多めになることがあります。
  • 一般的には、1日2回朝夕食後に飲みます。コップ1杯ほどの十分な水で飲んでください。
  • ドライシロップは、ふつう、1包を適量の水で溶いてから飲みます。大きい子供は、そのままでもかまいませんが、多めの水で飲ませてください。
  • 指示された期間きちんと続けましょう。症状によっては、少し長めになるかもしれません。自分だけの判断で止めてしまうと、再発したり治りにくくなるおそれがあります。
  • ふつう、3〜4日も飲めば治ってきます。もし、効果がなかったり、かえって悪化する場合は、早めに受診してください。薬が合っていないかもしれません。
  • クラミジア感染症では、原則として2週間服用します。菌が消えないときは、もう少し長くなります。
  • 慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎、びまん性汎細気管支炎(DPB)では、長期服用になることがあります(数カ月〜数年)。また、MAC症では、症状が改善したあとも継続する必要があります。

【検査】

治療が長くなるときは、必要に応じ血液検査を行ないます。

【備考】

抗生物質の効きにくい細菌が増えています。ある調査によると、中耳炎を起こす肺炎球菌の7割が抵抗力を持っていたそうです。このような耐性菌を増やさないため、欧米では抗生物質の安易な使用は慎まれています。
効能
【錠200mg:効能A(一般感染症)】
<適応菌種>

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、カンピロバクター属、ペプトストレプトコッカス属、クラミジア属、マイコプラズマ属
<適応症>
  • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
  • 外傷・熱傷および手術創等の二次感染
  • 肛門周囲膿瘍
  • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染
  • 尿道炎
  • 子宮頸管炎
  • 感染性腸炎
  • 中耳炎、副鼻腔炎
  • 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

【錠200mg:効能B】
<適応菌種>

本剤に感性のマイコバクテリウム属
<適応症>

マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症を含む非結核性抗酸菌症

【錠200mg:効能C】
<適応菌種>

本剤に感性のヘリコバクター・ピロリ
<適応症>
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
  • ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

【錠50mg・ドライシロップ:効能A(一般感染症)】
<適応菌種>

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、百日咳菌、カンピロバクター属、クラミジア属、マイコプラズマ属
<適応症>
  • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
  • 外傷・熱傷および手術創等の二次感染
  • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染
  • 感染性腸炎
  • 中耳炎、副鼻腔炎
  • 猩紅熱
  • 百日咳

【錠50mg・ドライシロップ:効能B】
<適応菌種>

本剤に感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
<適応症>

後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症
用法

【錠200mg:効能A(一般感染症)】

通常、成人はクラリスロマイシンとして1日400mg(力価)を2回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【錠200mg:効能B】

通常、成人はクラリスロマイシンとして1日800mg(力価)を2回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【錠200mg:効能C】

通常、成人はクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びプロトンポンプインヒビター※の3剤を同時に1日2回、7日間経口服用する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。

※プロトンポンプインヒビターはランソプラゾールとして1回30mg、オメプラゾールとして1回20mg又はラベプラゾールナトリウムとして1回10mgのいずれか1剤を選択する。

【錠50mg・ドライシロップ:効能A(一般感染症)】
<錠50mg>

通常、小児は1日体重1kgあたり10〜15mg(力価)を2〜3回に分けて経口服用する。レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg(力価)を2〜3回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<ドライシロップ>

用時懸濁し、通常、小児はクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり10〜15mg(力価)を2〜3回に分けて経口服用する。レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg(力価)を2〜3回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【錠50mg・ドライシロップ:効能B】
<錠50mg>

通常、小児はクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg(力価)を2回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、いずれの場合にも、in vitroでマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)に対して抗菌力を示す他の抗菌薬を併用することが望ましい
<ドライシロップ>

用時懸濁し、通常、小児はクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg(力価)を2回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。ときに、吐き気や胃痛、下痢などの胃腸症状があらわれます。軽ければたいてい心配ないですが、ひどい症状が続くときは早めに受診してください。

そのほか重い副作用として、不整脈、大腸炎、肝障害、皮膚障害などの報告があります。これらは、きわめてまれな副作用ですが、もともと心臓病など持病のある人、高齢の人、他の薬と飲み合わせているとき、また長期服用時など念のため注意が必要です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • アナフィラキシー・ショック..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、冷汗、顔が白くなる、手足のしびれ、脈が弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 大腸炎..激しい腹痛、頻回な下痢、血便、発熱。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 遅発性の重い過敏症状..発疹、発熱、だるい、吐き気、リンパ節の腫れ、皮膚や白目が黄色くなる。

【その他】
  • 胃痛、腹痛、吐き気、軟便、下痢
  • 発疹、じん麻疹
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye