おくすり110番
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成分(一般名) サラゾスルファピリジン
製品例 サラゾピリン錠500mg、アザルフィジンEN錠250mg~500mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 サルファ剤/その他/潰瘍性大腸炎治療剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 腸の炎症をしずめるお薬です。潰瘍性大腸炎やクローン病に用います。また、腸溶錠は関節リウマチに適応します。
作用

【働き-1】

潰瘍性大腸炎やクローン病は、腸に炎症を起こす病気です。慢性に推移し、活動期には下痢や血便、腹痛などが激しくなり、ときに重症化します。原因はよくわかっていませんが、潰瘍性大腸炎は直腸など大腸の一部または大腸全体の粘膜層に潰瘍やびらんが発現し、クローン病ではおもに小腸末端や大腸あるいは肛門に非連続性の病変を生じ深い潰瘍ができたりします。

このお薬は大腸内で腸内細菌により分解されます。その分解物(5-ASA)により抗炎症作用を発揮するのです。したがって、潰瘍性大腸炎やクローン病の大腸病変に有効です。炎症がひけば、下痢や腹痛もしだいによくなってきます。軽症から中等症における寛解導入に用いるほか、長期の維持療法にも有用です。潰瘍性大腸炎に適用するほか、クローン病の大腸型にも用いられます。

【働き-2】

リウマチは、体の免疫系がかかわっている膠原病の一種です。関節に強い炎症を生じ、腫れや痛みをともないます。やがて、関節の骨や軟骨が破壊され、変形とともにその機能が失われます。

このお薬の腸溶製剤は、抗リウマチ薬として用いられています。体の異常な免疫機能を正常化する作用があります。そして、関節の痛みや腫れをひき、病気の進行を遅らせます。

【薬理】

有効成分のサラゾスルファピリジンは、抗炎症作用をもつメサラジン(5-アミノサリチル酸:5-ASA)と抗菌薬(サルファ剤)のスルファピリジンがくっついた構造をしています。大腸炎に効くのは、大腸内で腸内細菌により分解されるメサラジン(5-ASA)の抗炎症作用に基づくものです。一方、分解されずに体内に吸収される未変化体のサラゾスルファピリジンは、その免疫調節作用により抗リウマチ作用を発揮するものと考えられます。
特徴
  • 有効成分はサラゾスルファピリジン(SASP)。長年、潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の治療に用いられてきました。その後、腸溶製剤が開発され、関節リウマチに適応が拡大されました。副産物のスルファピリジンによる副作用がやや多いのが欠点ですが、どちらの病気にもかなりよく効きます。
  • 炎症性腸疾患の寛解導入または維持療法薬として有用です。ただし、大腸に到達してから抗炎症作用をもつメサラジン(5-ASA)に分解されるので、小腸の病変には向きません。クローン病の小腸病変には、類似薬のメサラジン(ペンタサ)が適当です。
  • リウマチ治療薬としては、疾患修飾性抗リウマチ薬のうちの免疫調節薬の部類です。免疫調整薬は、正常な免疫能に影響することなく抗リウマチ作用を発揮します。すべての免疫機能を非特異的に抑制する免疫抑制薬とは異なり、感染症の心配はまずありません。同治療薬としては比較的副作用が少ないことから、関節リウマチの初期治療薬として用いられることが多いです。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に報告してください。
  • 今までに薬を飲んで発疹などアレルギー症状を起こしたことのある人は、その薬の名前を医師に教えてください。
  • 妊娠出産を希望される人は、事前に医師と相談しておくとよいでしょう。
  • 注意事項や副作用について医師から説明を受けておきましょう。

【注意する人】

血液に病気のある人、腎臓や肝臓の悪い人、また喘息のある人は慎重に用いるようにします。アスピリンなどサリチル酸系薬剤にアレルギーのある人は避ける必要があります。

  • 適さないケース..サリチル酸系薬剤またはサルファ剤にアレルギーのある人、新生児、低出生体重児。
  • 注意が必要なケース..血液障害、腎臓病、肝臓病、気管支喘息、急性間歇性ポルフィリン症、アレルギー体質、妊娠中もしくはその可能性のある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • スルホニルウレア系の血糖降下薬や、抗血栓薬のワルファリンの作用を強める可能性があります。
  • 強心薬のジゴキシンの吸収を低下させるおそれがあります。
  • アザチオプリン(イムラン)、メルカプトプリン(ロイケリン)の骨髄抑制の副作用を強めるおそれがあります。

【使用にあたり】
  • 症状や製剤によって飲む量や飲み方が違います。指示どおりに正しくお飲みください。
  • 特殊な腸溶性製剤ですので、噛んだり砕いたりしないで そのまま多めの水で飲んでください。
  • 徐々に効果がでてきますので、根気よく続けるようにしてください。リウマチでは、よい効果がでるまでに2カ月くらいかかることがあります。指示された期間続けましょう。
  • 皮膚や爪、尿や汗がオレンジ色に着色することがあります。これは、薬の成分の色ですので心配いりませんが、気になるときは医師と相談してください。

【検査】

定期的に検査を受けなければなりません。とくに飲み始めの3ヵ月月間は、2週間ごとにおこないます。血液の白血球を調べたり、肝機能や腎機能に異常がないか検査します。

【妊娠・授乳】

病気の治療を優先して、妊娠中でも継続することが少なくありません。体内への吸収はそれほど多くありませんし、とくに危険性を示す報告はないようです。ただし、授乳は控えることになっています。

【食生活】

皮膚や爪、汗や尿の色が黄色ないしオレンジ色になっても、薬の色ですので心配いりません。また、ソフトコンタクトレンズが同様に着色することがあります。場合によってはメガネに代えたほうがよいかもしれません。

【備考】
  • 潰瘍性大腸炎やクローン病の内科的治療で中心となるのがサラゾピリンやペンタサに代表されるメサラジン(5-ASA)系薬剤です。重症例には、ステロイド薬や免疫抑制薬、抗TNF-α抗体薬などが用いられます。クローン病では、腸の安静と栄養補給を目的に特殊な栄養剤を使用します。
  • 関節リウマチの治療目標は、関節の破壊をおさえ その機能を維持すること、さらには生命予後を改善することです。そのためには、発症早期から抗リウマチ薬による十分な治療が必要です。最近は、メトトレキサート(リウマトレックス)や生物学的製剤(注射)などによる強力な治療が積極的におこなわれるようになりました。
  • 抗リウマチ薬の効きかたには個人差があります。劇的に効く人もいれば、逆にまったく効果がないこともあります。ですから、半年くらい使用しても効果がまったくない場合は、別の薬に切り替えなければなりません。その人にもっとも適した薬を選ぶことが重要です。
効能

【一般】

潰瘍性大腸炎、限局性腸炎(クローン病)、非特異性大腸炎

【腸溶錠(EN錠)】

関節リウマチ
用法

【一般】

通常1日4〜8錠(2〜4g)を4〜6回に分服する。症状により初回毎日16錠(8g)を用いても差しつかえない。この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3〜4錠(1.5〜2g)を用いる。ステロイド療法を長期間継続した症例については、サラゾピリン4錠(2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。

【腸溶錠(EN錠)】

本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用すること。通常、サラゾスルファピリジンとして成人1日服用量1gを朝食及び夕食後の2回に分割経口服用する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 わりと多いのは、発疹やかゆみ、吐き気や嘔吐、食欲不振などです。まれに、発疹が全身に広がり、重い皮膚症状へ進展することがあります。もし、発疹や発赤など皮膚に異常がみられたら、いったん中止し医師に連絡してください。

重症化することは少ないですが、白血球や血小板が減少したり、血液の成分がおかしくなる血液障害も多いほうです。異常なだるさ、発熱やのどの痛み、皮下出血や歯肉出血など出血傾向に注意してください。予防のためには、定期的な血液検査が欠かせません。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 血液障害、溶血性貧血..発熱、喉の痛み、だるい、出血傾向(血豆・青あざ、歯肉出血、鼻血、血尿)、息切れ、動悸、黄疸(皮膚や白目が黄色)、むくみ、尿量減少。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 遅発性の重い過敏症状、伝染性単核球症様症状..発疹、発熱、リンパ節の腫れ、皮膚や白目が黄色くなる。
  • 肺障害(間質性肺炎など)..息切れ、息苦しさ、から咳、痰、発熱。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。

【その他】
  • 食欲不振、吐き気、嘔吐、口内炎、胃痛、下痢
  • 発疹、かゆみ、光線過敏症
  • 頭痛、めまい
  • 尿路結石、精子減少
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye