概説 |
ハンセン病を治療するお薬です。 |
作用 | ハンセン病は、細菌の一種の“らい菌”が悪さをする病気です。進行はゆっくりですが、治療をしないと皮膚や神経がおかされてきます。このお薬には、らい菌の増殖をおさえる作用があります。また、抗炎症作用をあわせもつことから、急性の2型らい反応(らい性結節性紅斑)にも有効です。 |
特徴 | ハンセン病の標準治療薬の一つです。多剤併用療法として、ジアフェニルスルホン(レクチゾール)やリファンピシン(リファジン)などと併用されることがあります。 |
注意 |
【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は、医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。
- 皮膚着色の副作用を含め、医師から この薬の有効性や安全性について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
- 【注意する人】
- 下痢や腹痛など胃腸の調子が悪い人は、慎重に用います。
【使用にあたり】
- 決められた飲み方を守ってください。ふつう、食事中もしくは食直後に飲むようにします。食後時間があくと吸収が悪くなります。
- 指示された期間きちんと続けましょう。症状によっては、かなり長期になります。
- 保管は、子供の手の届かない所にしてください。チョコレートのように見えますので、誤飲に注意が必要です。
【食生活】
- めまいや頭痛を起こしたり、視力に異常を生じることがあります。その場合は、車の運転など危険な作業は控えましょう。
- できるだけ皮膚を日光にさらさないようにしましょう。衣類や帽子を上手に利用してください。
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効能 |
- 【適応菌種】
- 本剤に感性のらい菌
- 【適応症】
- ハンセン病
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用法 |
- ハンセン病(多菌型)..通常成人は、クロファジミンとして50mgを1日1回又は200〜300mgを週2〜3回に分割して、食直後に経口服用する。年齢・症状により適宜増減する。服用期間は最低2年間とし、可能であれば皮膚塗抹陰性になるまで服用すること。原則として、他剤と併用して使用すること。
- ハンセン病(らい性結節性紅斑)..通常成人は、クロファジミンとして100mgを1日1回、食直後に経口服用する。らい反応が安定した場合には100mgを週3回に減量する。服用期間は3ヵ月以内とする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
汗や痰、尿や便が着色することがありますが、薬の色ですので心配いりません。皮膚の着色は、中止後、数カ月〜数年でもとに戻りますので大丈夫です。日光により濃くなるようですので、直射日光はできるだけ避けたほうがよいでしょう。
そのほか、胃の不快感や吐き気をもよおしたり、人によっては、めまい感や頭痛があらわれます。ひどいときは、早めに受診してください。
重い副作用はまれですが、多めの量により腸閉塞や脾臓梗塞を起こすことが報告されています。腹痛や下痢など胃腸症がひどいときは、すぐ医師に連絡してください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 腸閉塞、脾臓梗塞、胃腸出血..腹痛、お腹が膨れる、便秘、下痢、下血、吐血。
- 血栓症..手足とくにふくらはぎの痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む、頭痛、片側のまひ、うまく話せない、意識が薄れる。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
【その他】
- 吐き気、食欲不振、腹痛、下痢、便秘
- 皮膚着色(暗赤色〜黒褐色)、毛髪の着色、肌荒れ、光線過敏症、発疹、かゆみ
- 結膜・角膜・涙液の着色、視力低下
- めまい、頭痛
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