おくすり110番
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成分(一般名) ジダノシン
製品例 ヴァイデックスECカプセル125~200 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/逆転写酵素阻害剤(ヌ系)/抗ウイルス化学療法剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 エイズウイルスの増殖をおさえるお薬です。エイズの治療に用います。
作用

【働き】

エイズは、エイズウイルスの感染により起こる病気です。エイズウイルスは血液や精液を介してうつります。体に入ったエイズウイルスは、免疫系の細胞(白血球の一種のCD4リンパ球)を破壊しながら、徐々に増殖していきます。そして、体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。重い感染症にかかったり、リンパ腫などの悪性腫瘍に侵されやすくなり命にかかわることもあるのです。

このお薬は、エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害薬の部類で、ウイルスの遺伝子の複製を妨げる作用があります。ウイルスが減るとともに、免疫力が回復し、病状が改善します。また、エイズの発症や進行を遅らせ、長生きにもつながります。ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難です。したがって、生涯にわたり治療を続けなければなりません。

  • ※エイズ:後天性免疫不全症候群
  • ※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

【薬理】

エイズウイルスの遺伝子RNAをDNAに逆転写する酵素の働きを阻害します。これにより遺伝子の複製ができなくなり、ウイルスの増殖が抑制されるのです。このような作用から「逆転写酵素阻害薬」と呼ばれています。
特徴
  • ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)です。略称はddI。単剤での抗ウイルス作用は強力とはいえませんが、別の薬と併用することで治療効果が高まります。ただ、副作用の発現率が高く、ときに重症化することがあります。このため、第一選択薬とはせず、他の標準薬の代替薬として用いられものです。
  • 単独ではやや弱いので、同系の1種類を加えて基礎薬(ベースドラッグ、バックボーン)とし、さらに別系統の主要薬(キードラッグ)を組み合わせる3剤併用療法により強力な効果が得られます。たとえば、この薬(ddI)と、同系のラミブジン(3TC)(エピビル)、それと非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬のエファビレンツ(EFV)(ストックリン)による3剤併用療法です。非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬のかわりに、プロテアーゼ阻害薬またはインテグラーゼ阻害薬を用いることも可能です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告しておきましょう。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
  • 体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告してください。

【注意する人】

膵炎のある人は使用できません。また、肝臓や腎臓の悪い人、末しょう神経障害のある人は慎重に用いる必要があります。

  • 適さないケース..膵炎のある人、重い腎臓病があり体重60kg未満の人。
  • 注意が必要なケース..膵炎の既往のある人、末しょう神経障害、肝臓病、腎臓病、妊娠中、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

一部の医薬品と相互作用を起こす可能性があります。飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • ニューモシスチス肺炎治療薬のペンタミジン(ベナンバックス)、抗結核薬のイソニアジド(イスコチン)、胃の薬のH2受容体拮抗薬、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)、痛風の薬のアロプリノール(ザイロリック)、抗ウイルス薬のガンシクロビル(デノシン)やリバビリン(レベトール)、テノホビルジソプロキシル(ビリアード)・・これらとの併用により、膵炎や神経の副作用が強まるおそれがあります。
  • 錠剤は、テトラサイクリン系の抗生物質やキノロン系抗菌、あるいは他のエイズ治療薬のインジナビル(クリキシバン)やリトナビル(ノービア)、アタザナビル(レイアタッツ)との同時服用を避けます。いっしょに飲むと、それらの吸収が悪くなるためです。併用するときは、服用間隔を2〜3時間あける必要があります。
  • 飲酒は控えましょう。アルコールは膵臓や肝臓の副作用をでやすくします。

【使用にあたり】
  • 決められた時間に正確に飲んでください。規則正しい服用は、薬の血中濃度を一定に保ち、ウイルスに増殖する“すき”を与えないために重要です。飲み忘れにも十分注意しましょう。抗エイズ薬の服薬率が95%を割ると、薬の効きにくい耐性ウイルスの出現が多くなるという報告があります。
  • 通常、1日1回の服用で済みます。食物の影響を受けやすいので、必ず食間(空腹時)に服用してください。噛み砕いたりしないで、カプセルのまま多めの水で飲みましょう。
  • 腎臓病のある人は、少量となることがあります。血液透析を受けている場合は、透析終了後に服用してください。
  • もし飲み忘れた場合は、気が付いたときに直ちに服用してください。ただし、次に服用する時間が近い場合は、1回分は抜かし次の通常の服用時間に1回分を服用してください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 自分だけの判断で量を変えたり、飲むのをやめてはいけません。不用意な減量や中断は、薬の効き目を悪くし、治療を困難にします。

【検査】

効果判定のため、免疫細胞(CD4)の増加とウイルス量の低下を調べます。さらに、副作用をチェックするため、いろいろな検査を受けなければなりません。とくに、膵臓の検査が重要です。視力検査もおこないます。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠中は原則用いません。ただ、治療を優先することがあるかもしれません。また、この薬を飲むことで、赤ちゃんの感染リスクを減らせる可能性があります。なお、妊娠中に推奨されるのは、主要薬はプロテアーゼ阻害薬のロピナビル・リトナビル配合剤(カレトラ)、基礎薬としてヌクレオシド系のジドブジン・ラミブジン配合剤(コンビビル)の組み合わせです。
  • 授乳は避けてください。乳汁中に薬が移行すると考えられます。また、母乳中のエイズウイルスにより赤ちゃんが感染するおそれがあります。

【食生活】

エイズウイルス(HIV)の感染力は非常に弱く、ふつうの社会的な接触であれば感染することはありません。ただし、性的接触により感染する危険性があります。この薬を飲んでいたとしても、その点は同様です。

【備考】
  • エイズの薬は、大きく、逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、インテグラーゼ阻害薬の3系統に分かれます。逆転写酵素阻害薬は、さらにヌクレオシド系(この薬)と非ヌクレオシド系に分かれます。作用増強と耐性回避のため、これらを組み合わせる多剤併用療法が一般的です。現在、初回治療として推奨されるのは、2種類のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬をベースドラッグとし、これにキードラッグの非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬と低用量リトナビル、またはインテグラーゼ阻害薬のいずれかを加える3剤ないし4剤併用療法です。このような多剤併用療法によりエイズの予後はたいへん改善し、より長生きできるようになりました。
  • 免疫力が低下しエイズを発症すると、別のいろいろな感染症にかかりやすくなります。サイトメガロウイルス、カンジダ、ニューモシスチス(カリニ)・・ふつうなら感染しにくい微生物にまで侵されてしまうのです。このような2次感染症に対しては、抗菌薬、抗原虫薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などで強力な治療をおこないます。
効能 HIV感染症
用法 通常成人は、ジダノシンとして以下の用量を1日1回食間に経口服用する。なお、症状により適宜増減する。
  • 体重60kg以上:400mg
  • 体重60kg未満:250mg

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

もっとも注意しなければならないのは“膵炎”です。初期症状として、吐き気や嘔吐、上腹部痛や背部痛などに注意してください。予防のために、血清アミラーゼなどの頻回な検査が欠かせません。

手足のしびれや痛みを伴う“末梢神経障害”もかなりの頻度で発現します。さらに多くはありませんが、重い副作用として乳酸アシドーシスや肝障害、目の障害、けいれん発作、あるいは免疫機能の回復に伴う免疫再構築炎症反応症候群など 体にさまざまな異変を生じる可能性があります。いつもと違う症状があらわれたら、どのようなことでも医師に報告してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 膵炎..吐き気、吐く、持続的な激しい腹痛、とくに上腹部〜背中の痛み。
  • 乳酸アシドーシス・肝腫大(脂肪肝)..吐き気、吐く、腹痛、下痢、けん怠感、息苦しい、息が荒い、筋肉痛、手足の震え・脱力、歩けない、動悸、急激な体重減少、意識の低下、右上腹部の張り・圧迫感。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • ミオパチー..手足のこわばり・しびれ、筋肉のぴくつき・痛み、力が入らない、立ち上がれない、歩きにくい。
  • 網膜色素脱失・視神経炎..見えにくい、かすんで見える、見え方が変。
  • 意識障害、けいれん..混乱・もうろう状態、異常行動、取り乱す、意識低下、筋肉のぴくつき、全身けいれん(ふるえ、白目、硬直)。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。

【その他】
  • 末梢神経障害..手足のしびれ、感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛む。
  • 腹痛、下痢、吐き気、吐く、食欲不振、口が渇く
  • 頭痛、めまい、けん怠感
  • 不安感・イライラ感、気分が落ち込む
  • まぶしい、物が見にくい、視力異常
  • 発疹、じん麻疹、かゆみ
  • 尿酸値の上昇
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye