おくすり110番
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成分(一般名) ザルシタビン
製品例 ハイビッド錠0.375 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/逆転写酵素阻害剤(ヌ系)/抗ウイルス化学療法剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 エイズウイルスの増殖をおさえるお薬です。エイズの治療に用います。
作用

【働き】

エイズは、エイズウイルスの感染により起こる病気です。エイズウイルスは血液や精液を介してうつります。体に入ったエイズウイルスは、免疫系の細胞(白血球の一種のCD4リンパ球)を破壊しながら、徐々に増殖していきます。そして、体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。重い感染症にかかったり、リンパ腫などの悪性腫瘍に侵されやすくなり命にかかわることもあるのです。

このお薬は、エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。ウイルスの遺伝子の複製を妨げる作用があります。ウイルスが減るとともに、免疫力が回復し、病状が改善します。また、エイズの発症や進行を遅らせ、長生きにもつながるのです。ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難です。したがって、生涯にわたり治療を続けなければなりません。

  • ※エイズ:後天性免疫不全症候群
  • ※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

【薬理】

エイズウイルスの遺伝子RNAをDNAに逆転写する酵素の働きを阻害します。これにより遺伝子の複製ができなくなり、ウイルスの増殖が抑制されます。このような作用から「逆転写酵素阻害薬」と呼ばれています。
特徴
  • ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に分類されます。単剤での抗ウイルス作用は強力とはいえませんが、別の薬と併用することで効果が高まります。別名をddCと略称されます。
  • この薬に、もう一つの逆転写酵素阻害薬と、別系統のプロテアーゼ阻害薬を加えた多剤併用療法が行われています。ただ、末梢神経障害や膵炎など重い副作用がでやすいので、他の同類薬が使えないときや効果不十分な場合に第2選択されることが多いです。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告しておきましょう。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。
  • 体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告してください。

【注意する人】

末梢神経障害や膵炎のある人、肝臓や腎臓の悪い人は慎重に用いる必要があります。この薬により、それらの病状が悪化するおそれがあるためです。

  • 注意が必要なケース..末梢神経障害、膵炎、肝臓病、腎臓病、心臓病、飲酒量の多い人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

一部の医薬品と相互作用を起こす可能性があります。飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • カリニ肺炎治療薬のペンタミジン(ベナンバックス)は併用禁止です。併用による劇症膵炎の副作用が報告されています。
  • 抗結核薬のイソニアジド(イスコチン)、抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、抗リウマチ薬の金製剤、痛風の薬のプロベネシド(ベネシッド)、胃の薬のシメチジン(タガメット)・・これらとの飲み合わせにより、末梢神経障害などの副作用が強まるそれがあります。
  • 制酸剤を含む胃薬と同時に飲むと、この薬の吸収が悪くなります。
  • 抗ウイルス薬のラミブジン(エピビル、ゼフィックス)との併用療法は避けることが望ましいです。かえって効果が弱くなってしまうためです。
  • 飲酒は控えましょう。アルコールは膵臓や肝臓の副作用をでやすくします。

【使用にあたり】
  • 食事に関係なく飲めますが、決められた時間に正確に飲んでください。規則正しい服用は、薬の血中濃度を一定に保ち、ウイルスに増殖する“すき”を与えないために重要です。飲み忘れにも十分注意しましょう。抗エイズ薬の服薬率が95%を割ると、薬の効きにくい耐性ウイルスの出現が多くなるという報告があります。
  • 自分だけの判断で量を変えたり、飲むのをやめてはいけません。不用意な減量や中断は、薬の効き目を悪くし、治療を困難にします。

【検査】

効果判定のため、免疫細胞(CD4)の増加とウイルス量の低下を調べます。さらに、副作用をチェックするため、いろいろな検査を受けなければなりません。とくに、膵臓の検査が重要です。

【妊娠・授乳】
  • 服用中は妊娠しないように注意しましょう。もし、妊娠した場合はすぐ医師に報告してください。
  • 妊娠中は原則用いません。ただ、治療を優先することがあるかもしれません。また、この薬を飲むことで、赤ちゃんの感染リスクを減らせる可能性があります。
  • 授乳は避けてください。乳汁中に薬が移行すると考えられます。また、母乳中のエイズウイルスにより赤ちゃんが感染するおそれがあります。

【食生活】

エイズウイルス(HIV)の感染力は非常に弱く、ふつうの社会的な接触であれば感染することはありません。ただし、性的接触により感染する危険性があります。この薬を飲んでいたとしても、その点は同様です。

【備考】
  • エイズの薬は、大きく「逆転写酵素阻害薬」と「プロテアーゼ阻害薬」の2系統に分類されます。前者は、さらに「ヌクレオシド系」と「非ヌクレオシド系」に分かれます。これら系統の異なる3種類以上の薬を組み合わせる多剤併用療法がおこなわれています。この治療法により予後もたいへん改善されました。
  • 免疫力が低下しエイズを発症すると、別のいろいろな感染症にかかりやすくなります。サイトメガロウイルス、カンジダ、ニューモシスチス(カリニ)・・ふつうなら感染しにくい微生物にまで侵されてしまうのです。このような2次感染症に対しては、抗菌薬、抗原虫薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などで強力な治療をおこないます。
効能
  • 後天性免疫不全症候群(エイズ)。
  • 治療前のCD4リンパ球数500/mm3以下の症候性及び無症候性HIV感染症。
用法
  • ザルシタビン単独療法..通常成人は、ザルシタビンとして1回0.75mgを1日3回8時間ごとに経口服用する。
  • ザルシタビンとジドブジンの併用療法..通常成人は、ザルシタビンとして1回0.75mgとともにジドブジン1回100mgを1日3回、8時間ごとに経口服用する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

とくに注意が必要なのは、末梢神経障害と膵炎、それと肝障害です。手足のしびれや痛み、強い吐き気や嘔吐、腹痛、異常なだるさ、皮膚や白目が黄色くなるといった症状に注意してください。予防のために、頻回な検査が欠かせません。

そのほか、口内炎や食道潰瘍、乳酸アシドーシス、心不全、抑うつ、けいれん発作などにも注意が必要です。いつもと違う症状に気づいたら、すぐ医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 末梢神経障害..手足のしびれ、感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛む。
  • 膵炎..吐き気、吐く、上腹部〜背中の激しい痛み。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 乳酸アシドーシス..吐き気、吐く、腹痛、下痢、けん怠感、筋肉痛、手足の震え・脱力、歩けない、動悸、急激な体重減少、息苦しい、息が荒い、深く大きい呼吸、意識低下。
  • 意識障害、けいれん..混乱・もうろう状態、異常行動、取り乱す、意識低下、筋肉のぴくつき、全身けいれん(ふるえ、白目、硬直)。
  • 食道潰瘍、口腔内潰瘍..口内の発赤・ただれ、強い痛み、飲み込むと痛い。
  • 心不全..息苦しい、息切れ、胸が苦しい、動悸、疲れやすい、むくみ、急な体重増加。

【その他】
  • 口内炎、吐き気、吐く、食欲不振、腹痛、下痢
  • 頭痛、めまい、けん怠感
  • 不安感・イライラ感、気分が落ち込む
  • 高脂血症、リポジストロフィー(手足が痩せ、胸や肩・腹部が太る)
  • 発疹、じん麻疹、かゆみ
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye